窓の外は、夜
それゆえ汽車は吐息のように
曇り曇って
揺れに
揺れ
そこからなにが見えますか
わかりやすいものは
なぜだか頼りなくおもえて
背伸びをしてみた ....
氷花咲いて 冷たく
紫色の唇噛んで
凍える手に息を吹きかける
冬の寒さ今は遠く遡る過去
ねむの木そっと
紫の綿毛咲かせ
触れる指先震える葉
夏の暑さ少し緩んで ....
艶やかに悲しく舞い
やがて朽ち行く 姿を例え
顧みる世のひと心
愛した数を数えるように
ひとつ ふたつと ビイドロはじき
やがて泪が枕を濡らす
いっそ目覚 ....
ホンのちょっぴりの覗き穴から
凝縮された時間が入り込み
反転した世界が焼きつく
現像するまでは分からない
幻想の世界は
リアルな世界を少しだけ
歪めてみせたりする
....
あなたはためすように
月を詠むのです
椿の花が落ちる夜に
闇から色を分かてるのか
ためすように
あなたは月を詠むのです
くれなゐは
いつぞの契り
くれなゐは
今わにみ ....
おかもと君は
わたしの初めての人に
なってもいいと思ってたのに
夢ばかり語って
てんこーして行ってしまった
手紙を書くよと言ったきり
年賀状もこなかった
おかもと君の夢は
とほうも ....
目隠し鬼さん
手の鳴る方へ
おばかさん
後ろの正面は誰
あの子が欲しい
十五夜お月様
ぺったんぺったん
ウサギを殺せ
(うんざり)
あの子はいらない
....
私の想いは届かない
どんなに胸を焦がしても
あなたは私に気付かない
あなたの前を行ったり来たり
私は哀れな{ルビ自動人形=オートマタ}
涙さえも流せずに
くるくる踊る道化者
....
風に舞うほのかな匂いは
今もまだ鼻腔に残る
景色は暗くなり
見えないものが光り出す
剣が舞う
盾が割れる
戦士の声
響く
忘れないように泣くでしょう
優しい ....
拝啓、先生へ
私は今、とても怖いのです
あの頃の私に戻ってしまいそうで
私はとても怖いのです
あの頃の私は
今思えば悲しいくらい
いろいろな物につき動かされて
多く ....
友達ってほどじゃない
それくらいの知り合いの
彼氏と知り合いになってしまった
彼女を知り合いだと
言いそびれた
ヤバイと思ったのは
見た目がタイプだったから
小柄な体のバンドマンで
ギ ....
角を曲がると
小学校
目の前に
小さな文房具店
信号が変わるのがいつも遅い
大きな道路への抜け道
自転車も足早に過ぎ去る
空は青く
遠い
いくつもの別れ道
何度も間違った
家に帰 ....
照る照る坊主が
首吊り人形に見える
雨
ママの姿
パパの姿
照る照る坊主
首吊り人形
呼んでも起きない
だらん
だらん
音が聞こえてきそう
....
お日様にたっぷり干した
ふかふかのお布団くらいの
ホットケーキを焼いて
十匹の虎が走り回ったくらいの
たっぷりのバターをのっけて
お風呂に張ったくらいの
たっぷりのはちみつをかけて
いち ....
ふいにまた一羽の鳥が飛び立ちて
束の間の夢心をよぎる
街角でつがいの鳥の歌を聞く
アナタナシデハ/アナタナシデモ
啼くな鳥涙ながすなうつむくな
唇かん ....
偽りを欲した時、私はまだ幼くて
月夜の美しさも、怖ろしく感じていたのでした
しかし幼いとはとても都合のよいことで
私はそれゆえに今よりも遥かに
残酷でいられたのでした
偽り ....
あきらめたように
あなたは
横たわった
目を見開いたまま
この世の最後に
見つめる風景は
あなたの愛した場所かしら
それとも
思うほど
劇的な何かが
あったわけではなくて
....
ファミレスで
つきあってた男の子と
もうさめたコーヒーを飲んでたら
外は雨で
雨はいつから雨になるんだろうね
いつ空から落っこちるって
決めるのかなあ
そうゆうふうなことを
....
そこには誰もいない
そよ風の吹くガーデン
椅子と
テーブルと
お茶セット
バラの花びら
わたしは見ている
風なんか吹かない場所で
誰もいない場所を
見ている
毎朝決まって川沿いの遊歩道を散歩している
古びた 老人ロボットと
ほとんど毎日すれ違っている女子高生ロボットの側で
ガンジールックな哲学者が行ったり来たりしながら
何やら彼にとっては
非 ....
男は我ら女を侵略する
二つの山あいを 猛々しい手と舌で闊歩しながら
歯向かうものなら 優しいその抱擁を武器に沈めてしまう
……その腕の海に
我ら女のか細い理性を切り取ってしまう
……細い糸を ....
今まさに超人的に快感をおこすセックスロボットが立つ
ドロイドが悦を与える快感を覚え世界は少子化となる
百年後政府は少子化対策にASIMOの造精機能を研究
こどものころ
よく聞かれました
大きくなったらなんになりたい?
わたしはいつでも
お菓子屋さんと答えたけれど
ほんとうは
ちがうの
わたしは
大きくなっても
なんにもなり ....
貴方ともう一度だけ
最後に
ワルツを
『最後にワルツを』
教師生活で
一番長く努めた
其の学校の廃校が決まったのは
年の瀬を過ぎてすぐだった
....
終業時間後。
作業服を着替える為にロッカーを開けると。
そこは異国であった。
しかも見るからにガラの悪い連中が。
こちらを指差して訳の分らない言葉を発していたので。
なんだかとても恐ろし ....
青臭ささと
独特の朽ちた匂いに咽ながら
竹林の脇にあった
枇杷の木に登ろうとして
足を滑らせた時に
竹の葉っぱや
枝の柔らかな土に埋もれそうな
汚い水溜りが
ゆっくりと沸いていた
最 ....
当たりくじを引いて大笑い
外れくじを引いても大笑い
犬に吠えられても大笑い
石に躓いても大笑い
笑う門には福来たるって言うじゃない?
※
さぁ Everybody let's si ....
大丈夫、歩いていいよ。
真っ直ぐに、歩いていいよ。
そう言ってくれてるのは、青い光。
笑ったらいい
空虚のなかに立ち尽くし 何も掴めない僕を
好きなだけ笑ったらいい
怒りなんて覚えないから
笑ったらいい
暗闇の中を彷徨い 何も見つけられない ....
{引用=
一、擬人法
かなしむこころではなくて
かなしみという言葉を覚えなさい
よろこぶこころではなくて
よろこびの色彩に詳しくなりなさい
問うことはよそ ....
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