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夜のほつれ ほとつのあいだ
横に走るいなびかり
音もかたちもないいなびかり


森に隠れた生きものの息
道にあふれ 坂を流れ
滝のように崖から落ちる


すぎるもの す ....
ちらつかず
そ、と留まっている、あれは
振り払えぬ外灯を振り払わず
硝子に帯びたままの、あれは
蛾だよ
その在り処では
既にひとつの夏が締めくくられている
夏ではない今となっ ....
あ、あ、あ、剥がれ落ちる、私の細胞(たち)。
表面から落ちて、汚物(のようなもの)とし
て扱われて、泥の只中に乾いた破片として落
ちる。夏は天動説。私をめぐるうつし世がぐ
るぐると回る。醤油じ ....
指先で爪
らしい
爪 らしく
きちり

、血のうずく)。不安定な水晶時計(、
の公転にはなじまないけれど
今日のような雨天では
暗雲にさらされて
爪を)紅くぬる

さっと泳ぐのは ....
一.

戦争を俺は知らないんだと はじめて思い知ったのは
キプロス島に ある朝突然逃げ帰った妻が いつか話した
占領の話 地下室の話 息を殺して
あいつが真似た マシンガンの ....


西野は佐川透あてに手紙を書いていた。佐川は西野の年来の友人である。

「……先日はお招きいただきありがとうございました。佐川君の知的刺激にあふれた話を聞けてとても楽しかったです……私はと ....
たとえば
地下鉄のホームにゆらめく陽炎を見ることができたり
たとえば
街中の吸い殻捨ての汚れが気になったり
そういう人だけが
私と出会えるのよ
そういう人だけが
私といても大丈夫で
そ ....
あわく光の閉じられた
空のもとを
一羽の紋白蝶が舞っていた
しばしそれは
重い熱風のあわいを
ちらりちらりと映えて
切れ切れに風を読んでいたが
霊園の奥深くへ とけていった

さて
 ....
壁には緑十字。
せわしなく響く電子音、明滅するランプ。
工場で人を動かすものは。言葉以前の。

  *

あぶらぎったシニフィエが
タンクになみなみと揺れ。
それは銀色の極太チューブに ....
草合歓の葉陰から
かすかにもえる月を見た
藍青の波間にひかるものは
あれは はるかな昔
指から落ちた曹長石のかけら
青みをおびた涙の石の粒


もしも
月の淵から水音がしても
蠍が ....
引越をした日は、
青空だった。
近所の空き地の、
壁に、ボールをぶつけ、
グローブで受けとる。
ひとりで遊ぶわたしに、
アキラとリョウが、
笑みを浮かべ、声をかけてきた。

初登校の ....
海を眺望するために
首筋の汗をタオルで拭き、
どこまでも蝉の声に染まる山道を、
ふたり まだすこし歩く。

水気を含んだ草の色にさわぐ虫たち
土の匂いの蒸す、マテバシイの並木がつづくと
 ....
「機械ってね」
「ああそうですか」
「小動物の骨の無数の結合からできていると思っていたんです」
「ほうらやっぱり……」
「易しい感じがしませんか、ほら、こう……」
「むしろなまぬるいと」
 ....
沈む深海の星は
{ルビ蠢=うごめ}く
ただ{ルビ蠢=うごめ}く

お前も星ならば
夜の星たちと同じように
輝やこうとはしないのか

ぐにゃり


{ルビ海星=ヒトデ}は{ルビ蠢= ....
右手を
高く突き上げ
あなたは
手術室に消えていったけれど

ぼくは
あなたの
笑顔が
いつまでも
そう
いつまでも
必ず
戻ってくると
信じていたけれど


宇宙の闇 ....
この国の果ての防波堤で
めしりめしりときみをやぶいた
静寂だけがある中で
落ちてゆくきみは
なみにぬれて
やわらかくなってやがて

とうめいに

この海を超えれないわけじゃない
こ ....
まま! まま!
僕のテレビが壊れちゃった!
がーがーという音がやまなくて
シロクロの崩れた映像が歪んだり途切れたり
ちょうどウェスタン映画をやっていてね
でもカウボーイの顔がきちんと映らない ....
まっすぐな姿勢で、書きなさい。

こんな忠告とともに、身体の歪みを矯正して
くれる機械があったら、私はそれに従うだろ
うか。椅子の背もたれの部分に備えつけられ
たセンサーが、座っている者を背 ....
{引用=〜スヌーピーの漫画に出てくる、黒髪の少女に〜 }


ルーシィ
わたしいま
あなたについて考えている

ルーシィ
わがままで
高慢ちきで
知ったかぶりで騒々しくて
野球だ ....
      潮風にのって白髪が
      飛散するのを
      じっと 
      唇をかみ締めて
      耐えていた、
      (藤壺を舐める舌の痺れ)
     ....
ふりつもる夜の殻が
ふみしめるたび
かわいた音を立てて
砕ける
名前を思い出せない花の香りが
密度を増した湿度となって呼吸を
奪う
夜の果てにたどりつく
手っ取り早い方法は
眠りなの ....
この道、小道
ゆっくりと
滑り出す



よく晴れて
いない日を
休日に選んで
毎日の余韻で
痺れている右手を
左手でそっとさすりながら
寝転がっている、この場所

四角い ....
深夜、男友達から『お前のことずっと上海してた』と電話。ひどく
驚き、『ごめんなさい』とだけ応えて電話を切る。自分の言動を振
り返り、しばらく彼には会わないでおこうと決める。図らずも点と
点 ....
たろうが好き
たろうが好き
好き
好き
一番好き
何よりも好き
好き

たろうの癖も
たろうの嘘も
すべてを知って
いるつもり
つもり

つもり
つもり
 ....
tomoaki.tさんの自由詩おすすめリスト(84)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜のほつれ- 木立 悟自由詩306-9-14
輪郭期- A道化自由詩1206-9-14
細胞(たち)の夜明け- 岡部淳太 ...自由詩6+*06-9-10
再生- こしごえ自由詩16*06-9-10
白樺とキャラバンと夏の予定と- 水在らあ ...自由詩44*06-8-28
荒絵- 葉leaf自由詩7+*06-8-28
castaway- いとう自由詩14*06-8-24
寡黙な霊前- こしごえ自由詩16*06-8-6
工場安全週間- 佐々宝砂自由詩606-8-6
緑の月- 石瀬琳々自由詩17*06-7-24
転校生- 光冨郁也自由詩1606-7-13
入道雲_★- atsuchan69自由詩7*06-7-9
柔らかい機械- 今唯ケン ...自由詩5*06-3-23
海星(ヒトデ)- 北乃ゆき自由詩206-2-16
植物人間という概念- 草野大悟自由詩4*05-12-15
忘却に至る情景- 北乃ゆき自由詩1*05-12-11
ゲロまみれ- 北乃ゆき自由詩1*05-12-2
優しい機械- 岡部淳太 ...自由詩10*05-11-15
ルーシィ- 汐見ハル自由詩13*05-10-29
こころみ__3- るか自由詩2505-9-1
星のうまれるところ- 汐見ハル自由詩1505-7-30
この道、小道- 霜天自由詩304-9-24
上海された- 石畑由紀 ...自由詩57*04-5-3
ふゆの女- 容子自由詩14*04-3-18

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