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立ち止まるひと
立ち止まらないひと
その違いってなんなんだろうね
わたしなんか立ち止まらないひとだと思ってたのに
こんなとこに5年間も立ち止まってしまっていて
指先器用でギターと ....
過ぎてゆく時間に
恨みさえ覚えて
「焦らないで」
君の言葉に耳も貸さずに
駅のプラットホームから
飛び降りるチャンスを伺っていた
こんな夜空が
あったんだ
月の出る
星の夜が
....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
勤め先近くに珍しい衣装を扱う洋服屋さんがある
どんなのかっていうとお笑いの人とかが舞台で着るようなやつ
スパンコールちりばめられた真っ赤なベストが店頭に飾られていて
開店直後らしい午前中の早 ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった
ベッドのなかでもブーツ脱が ....
蝸牛のうちで反響する叫びを
押し寄せてくる旋律を
海馬に刻もうと
目を塞ぎ
親指を噛んで
何もかも消えてしまえと
布団にくるまり
瞼の裏の黒い染みを
じっと
足元で
まどろ ....
ねぇ、知ってる?
あの空も
この言葉も
本当は何もかもパプリカなのよ
私の創り出した世界
(レプリカ、と言いたい?
な、なに言ってんのよっ
パプリカよ
決まってるぢゃないっ
....
ひだまり食べてほっぺた膨らまし
オイラも妊娠5ヶ月になったお腹をぽんぽこぽん
メタボメタボとお騒がせも
そよぐ風が気にするわけでもなし
河川敷は川の流れに追いつけ追い越せと
ジョッギング ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる
たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る
轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど
....
このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする
元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに
具合 ....
{引用=死ぬ気になれば何でもできる…
それは瀬戸際に立たされたことの無い人間の言葉}
新地に棲んでいた頃の母を良く知っているといって
狐目の男が自宅を訪れることがあった
その度 ....
1
恋にはあなたが必要だ
あなたは僕を和ませる
愛にはあなたがかかせない
あなたのために僕は苦しむ
2
あなたがいくつ歳を重ねようと
ぼくはあなたの若い歳しか覚えてい ....
月にいるなんて嘘だけど
月に行きたいとは、おもうのよ
でこぼこの地面の上で
みんなに見られながら、お餅つき。
なんて、素敵じゃない?
寂しいと死ぬなんて嘘だけど
寂しいとは ....
僕が女になっても好きでいてくれますか
女に生まれていても 好きになってくれましたか
姉に生まれていても 好きになってくれましたか
僕の肌が黒くなっても好きでいてくれますか
日本人じゃなくて ....
全天の半分が
この太陽の光で圧倒されて
青空の透明感が増す
枯れ枝に太陽光は懸かり
直視できぬ もどかしさ
潮のごとく逆巻く直射光
日差しは小さな部屋を満たし始めて
また静かな一 ....
夜ふらふら歩くあなた
いっぱい傷が見えるよ
それでも必死な笑顔
それはいらない
涙を貸すよ
思いっきり泣いてごらん
あなたの涙で種から芽が出るよ
朝よたよた歩くあなた
そんなに涙を ....
やめてけろ
ひと恋しさにちゃちゃ入れた
わたしの思いを
やんわりと断つように
春の兆しは白い肩口の奥へと隠れた
厳しさだけではない冬の素顔を知ってから
流されるのとは異なる
自ら ....
「死んでしまいたい」が口癖な君に
「生きていれば良いことあるよ」
と言いかけて言い切ることができなかった
それを時代のせいにしたところで何になるのだろう
夢とか希望を持ち難いこんなとき ....
ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて
久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった
それでも ....
せ、み、ま、る
せみまる
SE・MI・MA・RU
SEMIMARU
{引用=
SEMIMARU SEMIMARU 悪魔の化身 SE・MI・MA・RU
SEMIMARU ....
一日が終わっていく
きょうは
1/150億年の一日
ちいさな一日
僕の一日は乾いていた
びしょ濡れだった人もいるだろう
途中で息絶えた人もいるだろう
寝過して飛ばしてしまった
....
さようなら、
がこぼれたときに
ついた足跡が泣いている様で
ダンボールから、のぞく
空の目は
ただ無色の息を吐いていた
寄ってらっしゃい
見てらっしゃい
時間に置い ....
人間すなおじゃないとね
と
あのひとは言った
あなただって…
と
言い返そうとして
こ
としはまだ蝉の鳴き声を聞いていないことに気付いた
あのガード下へ行けば
聞く
....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた
手術自体はあっと言う間ですから
こころにメスを入れる ....
きみの一日を 僕は知らない
きみが毎朝買っているパンの味も
きみが気にして飲んでいる健康ドリンクのことも
きみが僕に隠れて嬉しそうに読んでいる新聞の四コマ漫画のことも
きみが髪を無造作 ....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する
君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり
洗剤は合 ....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる
どうやら使えそうだな
アルミパイプの椅子まで組み立て ....
「 もしもし 」
犯人「 おまえのとこの息子は預かった。返して欲しくば2000万円用意しろ! 」
{引用=
(イタズラ電話か?! もしかしたら誰かに試されてるのか? 誘拐ネタか とりあえず ....
また後で携帯にメールでも入れるから
あなたの去った
バスルーム
鏡に映るのは恋に疲れたひとりのおんな
乱れきった髪が物語る
しがみつこうとしてしがみきれなかったものへの思い
シャワ ....
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