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立ち止まるひと
立ち止まらないひと

その違いってなんなんだろうね

わたしなんか立ち止まらないひとだと思ってたのに
こんなとこに5年間も立ち止まってしまっていて

指先器用でギターと ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている

ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
勤め先近くに珍しい衣装を扱う洋服屋さんがある
どんなのかっていうとお笑いの人とかが舞台で着るようなやつ
スパンコールちりばめられた真っ赤なベストが店頭に飾られていて

開店直後らしい午前中の早 ....
ジュリアーノ・ジェンマって俳優が好きだった
目深にカウボーイハット被り腰のコルトに手をやる刹那
呼ばれてもないくせしてサボテンの根元に転がる根無し蓬がわたしだった

ベッドのなかでもブーツ脱が ....
口喧嘩したとしても
仲直りの機会とか窺うでも無く
当たり前のように手を貸してくれる

たとえばそれは
洗濯物でふさがった両手のかわりになってくれたり
ちんちん鳴り出したやかんをコンロから下 ....
良く晴れた多摩川沿いに走る二車線の都道
歩行者用信号機は青へ変わっているに右見て左見て
みーちゃんの手を引きながら急いで渡る

轢けるもんなら轢いてみなよ…いつもならそんな気概なんだけど

 ....
このところちょっと体調悪くて
なんにしても
弱気がちな自分に気付いてみたりする

元気なときなら
生になんて執着しなくて
潔い
そんなことばの良く似合う心模様だったはずなのに

具合 ....
{引用=死ぬ気になれば何でもできる…

それは瀬戸際に立たされたことの無い人間の言葉}


新地に棲んでいた頃の母を良く知っているといって
狐目の男が自宅を訪れることがあった

その度 ....
やめてけろ

ひと恋しさにちゃちゃ入れた
わたしの思いを
やんわりと断つように
春の兆しは白い肩口の奥へと隠れた

厳しさだけではない冬の素顔を知ってから
流されるのとは異なる
自ら ....
「死んでしまいたい」が口癖な君に
「生きていれば良いことあるよ」
と言いかけて言い切ることができなかった

それを時代のせいにしたところで何になるのだろう

夢とか希望を持ち難いこんなとき ....
ねえねえと肩を揺すっても
寝たふりしてたはずの
あいつは
いつの間にか深い眠りに落ちていて

久しぶりに触れ合いたかったのに
わたしのこころは
ちょびっと傷ついてしまった

それでも ....
人間すなおじゃないとね


あのひとは言った

あなただって…


言い返そうとして

としはまだ蝉の鳴き声を聞いていないことに気付いた

あのガード下へ行けば
聞く
 ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....
先週末に桜が散ったばかりなのに
あなたは
物置から引っ張り出したビーチパラソル
具合を見たいからと
これ見よがしに拡げてみせる

どうやら使えそうだな

アルミパイプの椅子まで組み立て ....
また後で携帯にメールでも入れるから

あなたの去った
バスルーム
鏡に映るのは恋に疲れたひとりのおんな
乱れきった髪が物語る
しがみつこうとしてしがみきれなかったものへの思い

シャワ ....
who

おまえは誰だって問われても
わたしって誰なのかな
今のわたしがわたしなのか
ほんとうのわたしは他にいるのか
自分探しの旅路
だなんて聞き飽きた科白だけど
わたしってやつは
 ....
{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}

あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
生きている限り湧き上がってくる
もう駄目だと諦めかけた思いを
励ますかのように

五体のひとつひとつが
出口を求めようとさざめきだすのを知覚し

もうひとつの確かな意思
本能だとか呼ば ....
はじめてラブと出逢ったのは
新宿歌舞伎町にあるペットショップ
狭い檻のなかで怯えるように震えていた

あなたの瞳をみつめた瞬間から
ラブ
わたしたちはあなたの虜になってしまう

思わず ....
こんなときだから
あなたのこと
思い出してみる

洗いざらしのティーシャツ
良く似合ってた

防波堤にふたり
たたずみ
いつまでも夕陽を眺めてた

はにかみ屋さんで
口下手で
 ....
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの

グラデュエーション

今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる

北の国よ ....
たましい…だなんて
古臭いことばを
ミルクパン
で。どろどろに溶かしたら
ハートの型に流し込む

いつから
だった
かな

球体関節人形の
股間から
生まれてきた。わたし
だ ....
あなたが通り抜けた改札で
何故か
わたしは置いてけぼり

あなたが買えた切符
何故か
わたしには買えなかった

人生には幾つもの
改札があって

選ばれたひとと
そうでは無いひ ....
背後から抱きしめられる気配が
して
「だぁれだ?」
そんなのあなたに決まっているのに
他のだれかを想像してみる

雪の降らなかった今年の冬を
ひとりで歩いてみた
行き先なんか
決めた ....
ああ。やっぱしね
唐組のエンディングって
こうじゃなくっちゃ
唐組第38回公演「透明人間」千秋楽
ぽっかりと開いた夜の闇に
石灯籠の怪しい灯火
唐さんのおはこだよね
花園神社でも鬼子母神 ....
素に戻ると
大勢の人の前に立たされた
わたしが
いる
深々と頭を下げて
何を謝っているのだろう

  トナカイのそりに乗り
  飽きることなく
  眺めた
  白夜の物語

あ ....
この季節になれば
川幅いっぱいに押し寄せる銀鱗
浮ぶ屋形船を押し退け
向う岸まで
命をかけ
届けようとするもの
人生の在り様
私の意思
立会川の岸辺には
あなたへ
手渡そうとした手 ....
チャーリーブラウンは後退なんかしない
あの頃に踏みとどまっているだけ
英語の勉強になるならと
無理して読んでみたけれど
やっぱし後退なんてしてくれなかった
それがリアルってやつ
細い線で描 ....
お昼時しか食べられない
よし牛の牛丼
なんだか
味が変わったような気がする
不思議だよね
東京タワーは郵便ポストより真っ赤だし
飯倉の交差点には
いつも機動隊の車両がとまっている
交差 ....
それって秘密だよ
思わせぶりに微笑んだ
あなた
ドラえもんじゃないくせに
ポケットから何やら取り出しては
桜の木に振りまきはじめ
(まだまだ寒いよと眠ったままなのに
まだかまだかと貧乏揺 ....
ウデラコウさんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(48)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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がらんどう- 恋月 ぴ ...自由詩34+*08-12-18
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