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命に{ルビ値=あたい}はつけられない
つまりものすごく高価な値って訳だ
生きる値もない奴だって
持っている命の値は計り知れないお宝さ
故に人は高価で尊い
かけがえのない命というものが
こん ....
くぐるのか
こえるのか
あたりまえに
たのしげに
なわの向こうへ
消えてしまった

きっと時代や風にも乗れるのでしょう
できない者にはいつまでも不思議

なわは蛇のようにうねり
 ....
スイッチだ日常の点けて弄ぶ消しても眠らない
壁を這いまわる夜にふやけた未発声の《》は過呼吸のまま乳房を求め
夏の光に目隠しされた幼い逢引と声の影法師
皮膚下の水脈を辿る山椒魚のふるえ蔓草が覆う戦 ....
太陽が低く輝いている
濡れたアスファルトがそれを照り返し
わたしは目を細めた
光の針がどこまでも伸びて
小さな瞳孔から苦も無く入り
網膜を火の海にした
百メートルほど先を
炭のように黒い ....
あなたの瞳は
地球ほど小さい
渦巻く星の雲浮かべ
光に濡れる黒い華

――めぐすり ひとしずく

恩恵とは湧き上る涙
乾いた世界に満ちて溢れるもの 

柔らかく羽ばたいた
ひとつ ....
雪のような歌がある
静かにふってきて
いつのまにか景色を一変する
真新しい一面の白紙を前に
こころ躍らせる者
昨日を忘れてしまい
ペンのように立ち尽くす者
雪のような歌がある


 ....
むすう 雨のひとみ むすう
ひとみ むすう 雨のひとみ
カラダジュウ盗ミダシ 
セカイジュウ目隠シ 死 テイル
そらしろに朱鷺は繋がれ
止めどなく開き未知は流出 {ルビ視=シ} て
縫い付 ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
魂の境を越えた交わりだった
わたしたちは一羽の大きな鳥になって
暁に輝く大河の遥か上空を
風を切り 大きく弧を描きながら
深く埋もれたまま錆びて膨れた散弾
思考に敷かれた玩具の電車の閉鎖回路 ....
狡猾であり
幼稚でもある
すべては悲しく美しい
そう
狡猾であり
幼稚なのだ

幾日も 
幾年もかけて
日が沈む
その終末の真っ赤な空を
眺めては小さな飴を頬張るように
感慨に ....
秋と冬の境目の
限りなく冬に寄り添う秋だから
ならべてみたくもなる
あったかいものをしこたまに
{ルビ炬燵=こたつ} 湯たんぽ 綿入れ{ルビ袢纏=はんてん}
焼き芋 甘酒 鍋料理
{ルビ熱 ....
「自分に味方しないものは敵だ」
という考え方と

「自分に敵対しないものは味方だ」
という考え方は

同じようでいて ずいぶん違う

生まれつきの敵も味方もいやしない

パレスチナ ....
今朝はやけにすずめが気にかかる
あまり明るくない雨上がりの湿った土の上を
ちいさくなにかついばんで
むくっとしたり首をかしげたり
尾羽を振ったりして
手のひらにすっぽり収まりそうなすずめが  ....
新聞の死亡欄に小さく載りたい
葬儀の予定など一切無しで
ほんの数えるほどの文字
ひとつの死 ひとつの終わり
シンプルで飾りのない
わたしの死 わたしの終わり
事実だけが落ちている


 ....
月は満面の白い笑み ピリッとして
私の耳 桜色でしょう
このままいつまでも夜道を辿って行きたい
ふたりの息が白く 交じり合う
それだって 初めてだから
私は精一杯 お人形のようにいい顔して  ....
誰かを磔にしたまま錨は静かに沈む
 泥めく夢の奥深く月の眼裏火星の臓腑まで
黒々と千切られた花嫁が吹かぬ風に嬲られる
 カモメたちは歓喜と嘆きをただ一節で歌った
私刑による死刑のための詩形おま ....
銀杏の葉が落ちる
一葉 また一葉
かすかな気配がする(するはずだ)
木との繋がりを絶たれる
そっと地に触れ横たわる
――オト

わたしには聞き分ける耳もなく
世界は喧噪に満ちていた
 ....
祈るようにサイコロを振る
嫌な予感は的中した
すでにホテルの建った銀座 わたしの靴は落ちた 
このままでは残りの土地を売却しても破産してしまう
なんとか逃れたくて 頭が高速回転を始める

 ....
 モダンな詩   Modern
 ダ   語   Modern
 ン   か   Modern
 な詩集かモダンは死   Modern
     ダ   語   Modern
     ン  ....
覚め切らない皮膚 あまおとの影ふみ
ギターはたどる言葉のない遺言を

心から剥離した音は捨て猫のように理由を探さない
薄物のヒューマニズムを着せてはまた脱がす
週末の脈略は絶たれどこか乾いた ....
ナイフを手に入れろ
くすんだ景色を切り裂くために
ほら こんなに青く 世界は
青く燃えて たゆたい――

ナイフで胸をえぐれ
にぶい痛みを消し去るために
ほら こんなに紅く おまえは
 ....
政府はよく骨太の方針を出すが
ぬけぬけと骨抜きにもする
新しく入った男は肉厚の女が好きだと言った
肉だって赤身と脂身で違うだろう
体脂肪率は見た目では解らないさ
マグロに関して言えば赤身が一 ....
強盗が脅迫と力で奪いとった「それ」を
詐欺師は嘘と手管でまんまと横取りした
だが翌朝には消えている泥棒に入られて
泥棒は「それ」を盗品ブローカーの処へ持って行くが 
二束三文の代物だと言うブロ ....
 純 粋
  雨   あらゆるけがれ つ つ み こ ん で
 粋 純


    光◇◇光を◇通す
          ◇曲
           ◇     ◇
          ....
さあ お菓子を持っていきなさい
ぜんぶ持っていきなさい
キャンディーにチョコレート
クッキー マシュマロ おせんべい
袋いっぱいにつめて
ほらポケットにもまだ入るから

これは魔法のキャ ....
十月の空 軽やかに
抜け落ちた天使の羽根
青へ青へと沈んで往った
解かれながら天の淵へと

いっせいに湧きかえる小さな羽虫たち
凝縮された生と死が充満した宇宙 裂くように
歩いて往く 衣 ....
黒曜石は砕かれた
もうずっと昔のこと
何もかも失ってちっぽけな存在だ
もとの自分がどんな形をしていたか
思い出すこともできない
以来 変わらず尖ったまま
今も誰かの指が血を流している

 ....
文句があるかとムンクが叫ぶ

天狗になるなとコングが応じ

透明ゴングが鳴り響く

ガンガン玩具でやり合って

「レフリー チョークだろチョーク!

「何がジョークだ さっさと絶句 ....
旅にでよう
おれは空っぽの植木鉢
枯れた川底の石っころ
風の一筆書きなのさ
蜃気楼から現れた古代人が
すべてで触れて 無知のまま
時を違えた恋人を追うように
たった一人 旅をしよう
帰 ....
フェイスブック
ライン
メール
電話も
手紙ですら
もう つながることはない
遠い人

色づくことの葉 散り積もり
掻いて 集めて 徒然に
燃やしてみる その 煙の
立ち振る舞い ....
北大路京介さんのただのみきやさんおすすめリスト(400)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
命と塵の話- ただのみ ...自由詩11*15-12-23
なわとびあそび- ただのみ ...自由詩20*15-12-19
スイッチ- ただのみ ...自由詩16*15-12-16
マジック- ただのみ ...自由詩12*15-12-12
めぐすり- ただのみ ...自由詩18*15-12-9
歌が聞えてくる- ただのみ ...自由詩21*15-12-5
閃輝暗点コレクション- ただのみ ...自由詩13*15-12-2
ひとしれずゆくえしれず- ただのみ ...自由詩18*15-11-28
一瞬確かにわたしたちは- ただのみ ...自由詩16*15-11-25
笹船に乗った自己愛- ただのみ ...自由詩13*15-11-23
扉の隙間から- ただのみ ...自由詩21*15-11-21
どっちにもなる気はない- ただのみ ...自由詩19*15-11-18
偏心痛- ただのみ ...自由詩20*15-11-14
死亡欄- ただのみ ...自由詩23*15-11-11
愛は実体- ただのみ ...自由詩16*15-11-7
あんぐれら- ただのみ ...自由詩19*15-11-4
沈黙へ捧げる秒針- ただのみ ...自由詩15*15-10-31
モノポリー- ただのみ ...自由詩8*15-10-28
Modern怪談- ただのみ ...自由詩10*15-10-25
理由のない虹- ただのみ ...自由詩12*15-10-24
旧・青少年非行団の歌- ただのみ ...自由詩18*15-10-21
人生万歳- ただのみ ...自由詩15*15-10-17
黒幕- ただのみ ...自由詩14*15-10-14
ひとつぶの雨に欹てる- ただのみ ...自由詩14*15-10-11
老いた魔女の歌- ただのみ ...自由詩18*15-10-10
秋・反羽化- ただのみ ...自由詩17*15-10-7
記憶の怪- ただのみ ...自由詩14+*15-10-3
大人の玩具箱- ただのみ ...自由詩11*15-9-30
いざなう声がする- ただのみ ...自由詩15*15-9-27
つながらないあなたへ- ただのみ ...自由詩23*15-9-26

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