ことばの姿(的な)
乾 加津也

また冬か、たしかに
冬にはだれかの炬燵の生活(くらし)がある
それでも重心は、大都会のビルディングの隙間から
「6億円、買わなきゃ当たらない」という
電車のキャッチコピーにサラリーマンまみれだから
ほんとうの姿(ことのは)が見え隠れする

 おまえか
 それともおまえか

背後の敵を撃ち抜くヒーローならいいのに
ペンを磨いては
宙吊りの、的へ
(自立など、ないない)

まてよ、ほんとう
もともと姿などないのに
ぼくという生き物の脳から、感性が厄介にも(それもいくつも)目覚めて
あゝ、すてきな朝
ぼくの存在がそれを証明する唯一の手がかり、もう
闇夜を返して、とは言えない
ポリシー(雄)とかエモーション(雌)とかを
身振り手振りして

 ポリシー? いいそれ
 エモーション! それそれ

と姿らしき「象り」を共有して、見せる
増殖したヒト類に
きかせる
(・・・的なって常套句、らしくていいよね、)
らしく、もいいよね
比喩だし



むむ
やばいよ、やばいよ
橋がなくても
ポリとエモとは、とある辺縁系
出会うべくしてとっくに出会ったよ、やっぱりいつしか
生まれる
(DNA的に)しあわせなことに、透明ポエムに、昭和歌謡デュエット風で

(ぼく) ぼく〜は侵略
(きみ) され〜たぁのさ〜
(ぼく) ぼく〜は侵略
(きみ) するん〜だよ〜









(注釈) ポリシー  「思想」的な意味で・・・てき〜な


自由詩 ことばの姿(的な) Copyright 乾 加津也 2013-10-26 10:43:57
notebook Home 戻る