月とあおい春
こしごえ

わたくしは、
そ知らぬ仕種で
かおる紅茶をなめる。
風に頁がめくれようとも
見果てぬ大空が翻ろうとも
わたくしは、
そ知らぬ
今日に
ほころび
いつかあえる
光子の微笑む
丘の上でランチをしながら
あなたとふたりで
さようならと
永訣のあわい光にそよぐ黒髪の星夜の茂みに
からだをうずめて
雪解けの水の流れを想い
できる限り
ながく息を吸いこめば
みたされる肺は
静かな時のおとずれで
青ざめた
月のよこがおが
銀色にさびしい
あなたがいなくては
輝けないわたくし
なんて残酷な関係だろう
いっそ影まで燃やしてくれないかしら
あぁ あおい春へ









自由詩 月とあおい春 Copyright こしごえ 2007-02-27 09:19:55
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