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俺とお前は見えない糸で繋がっていたけれど
魂をみせあいながら
涙をおさえて
嘘の歌をうたった
勝利の先が見えない
歌を高らかに
深海に沈んだ涙をともに呑み
レクイエムをくちず ....
霧の彼方に映る影
父母の面影が遠くなる
夭折した妹と弟の面影が遠くなる
そこに近づけるのは何時のことだろう
やがては逢えると信じている
輪廻の果てに
きっと逢えるだろう
そうした ....
スピカーケブルや電源ケーブル
そしてRCAケーブルがのたうちまわり
うちはまるでラーメン屋のようになってしまった
大型スピーカーが十二台
まるで家具屋のようだ
CDの山が崩れゆく夢も ....
痩せてしまった身体を探り
骨を確かめる
筋肉は細く
骨だけは頑丈だ
骨格標本になれば幸いかもしれない
医者から言われたのは良い骨をしていますね
ということ
骨格標本になっても ....
独り旅立つ
生まれた命は
皆
ただ死刑を待っている
素直に受け入れないジレンマに慄く
あたりまえなのを受け入れたがらない
あの手術から十五年
ぼくに何の使命が在るのか解らない ....
ローマへの路はとても遠い
果てしないシルクロードをたどりながら
白骨の散らばった道を行く
ただ独り
呪文を唱えながらローマを目指す
青雲の志を胸に抱き
西の彼方を目指す
いまだ見たこ ....
誰もがみな死を用意していた
そして伝言だけが残ってゆく
ただ一言の言葉が残るだけ
残された者の涙がひとしずく
花をたむけるならいは
原始から
すでに三万年を過ぎている
....
最近は、ずうっとご飯を食べていない。
胃を失くしたぼくは
ご飯が苦手なんだ
病院に通う土曜日は
予約をしてから
松家の朝定食
安いのにとても美味いのだ
痩せた身体をひきずりな ....
貝のような耳をそばだてて
微かに
波の音をきく
貝は何処にいるのだろう
貝はどこに居ても家を持っているんだ
じっと蹲りながらも
家を持っている
波にさらわれたとしても ....
ジリジリと時が過ぎてゆく
届かない荷物を待っている
何かが邪魔している時間
絶えられない焦りとせめぎあいの中で
インターフォンが鳴るのを待っている
来るのか来ないのか
ぎりぎりの時間だ ....
サワラ 甘やかなピアノのメロディ
赤貝 血潮の香り鼻を刺す
はた 深く広がるハーモニー
つぶ貝 彼方を噛みしめる
えんがわ 脳内麻薬
シンコ ....
みどりの螺旋をみていた夏の真昼がすぎてゆく
これからは静かに
密やかになくなってゆく
寂しい
ヒグラシもすでに鳴きやみました
あの夏のヒマワリとダリア
入道 ....
心と頭脳と身体を駆使して
バッハを聴け
底に何が密んでいるのだろう
構造物と繊細と巨大な挑戦の鬩ぎ合いのさなかに
かいま見た天国と地獄
彼はその指先と耳の神経を旋律のなかにあるものを ....
天国と地獄の門は開かれた
今と未来の狭間に漂う中に突き付けられた
そのナイフ
鋭く胸を抉るのは
君にだけ
与えられた手法であり
思想であった
僕はあの日のように
ひとしずくの水に戻った
水の精に魅了されたピア二ストは健在だった
瀧のごとく
怒涛のごとく
自由に偏在し
現れては消える
彼の日は今に
今は彼の日に
打ち寄 ....
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