すべてのおすすめ
ずっと夢みていたの
赤いバラのアーチの下で
いつかあなたと恋におちる
凛とした香りにそまって

あたしは目を閉じて
ふるえながら待つだろう
あなたのしなやかな指が
 ....
葉桜を揺らす風
自然に毛虫は落ちて
あたしの腕に赤い斑点を作る
毛虫は落ちる,自然に

薄暗い図書室の奥
自然科学の歴史書が
埃に埋もれて死にかけている

母の胎内であたしは
 ....
スーパーの棚で
一年中,姿を見かける
外は夏日だというのに
エアコンかけて,鶏の水炊き

あなたは嬉しそうに
年中売られているダイコンを
すりおろしている

あたしは,なんとなく ....
ソースが汚ならしく
白い皿に残っている
綺麗に盛り付けたけど
終わってみるとこんなもんだ

しゃしゃっと水で流して
網かごにセットする
ナイフもフォークもお箸も
「汚れ物」になって ....
魚臭い市場の雑踏で迷子になった
US MarineのGIがこわくて泣き出した
東シナ海をわたってくる風に明日をゆめみた
ジェット戦闘機の爆音に空を見上げた

悲しくつらい過ぎた時代は
 ....
しあわせな瞬間を
こっそり切りとって
あわいブルーのアルバムに
貼りつけてほっとする

あとから眺めるわけでもないのに
夢中でレイアウトを考えたりして
だれに見せるわけでもないのに
 ....
お水を待ってるの
大きなトラックで
お水をくれるから
ずっと待ってるんだよ

水瓶はこわれちゃったし
鍋はぺちゃんこだから
こんなタライしかないの
ちゃんと持って帰れるか不安

 ....
あたしは舟を漕ぐ
薄紅色にぼんやり光る水
空には忘れ物をしてきた月


待ち続けていると
ガラス窓に張り付いた
ヤモリの手までかわいく見える


むかしの歌は
遠ざかり行く駅 ....
枯れ葉色の服を着た
不思議な顔の人が
あたしの家の前で
ばたりとたおれる

空気を切り裂く
やかましい音
不思議な言葉の叫び声
うちの犬が走りまわって吠える

町で見かけるおじさん ....
悲しい夢のなかにひたって
目覚めた後も
ムードだけは引きずっている
今朝もあなたはいないんだから

窓から流れこんできそうな
ミルク色の霧
ディテールをおおい隠す魔術
今朝もあたし ....
子猫を拾った公園
子猫といっしょに
風を切って揺られた

おなかと片手にやわらかさ
ねむくなった子猫
あたしも目を閉じる

上がって下がって
上がりきって下がる瞬間に
子猫が爪 ....
エルニーニョで死んだ
イグアナの尾
きみは追いかける

ぼくは受け容れることができない

魚は
タンパク質と脂肪を
全世界に提供する

電流の仕事は熱するだけではないばずだ
 ....
赤血球のヘモグロビンが
その炭素原子を吐き出す
特別な意味を持った炭素原子

見知らぬ酸素原子にまとわりつかれて
二酸化炭素になって出て行ってしまった
あたしの炭素原子

どうして ....
月が満ちた午前零時
引力は拮抗する

三角関数が
どうして重要なのかを
知りたくないですか?

月のひかりは
海底までとどかないから

微弱な引力の波動を
感じているしかない
 ....
なにかに取りつかれたように
テレビの画面を見つめつづけて
何も伝わってこない低級な映像を
ハンストみたいな気持ちで眺める

罰を受けているのかも知れない
ふとそんな気にさせる巧妙な仕組み
 ....
なんか そっけないなあ
いま
なに考えてるの?
あたしのこと…
じゃないよね

「ねえねえ
こんなふうに
まとわりついたら
うざったいよね」
ってたずねたら
それまで
‘うーっ ....
シッポを切って逃げる
簡単…でも必死

自発的な変化
エントロピーは常に増大する
生き延びるのだから場合の数は増える…
当たり前のこと

こわい夢/現実から
すんでのところで逃げ出せ ....
告げ鳥が庭の木にとまった
今年は厳冬で数が少ない
近くの湖でエサをあげている団体が
心配しているとローカルニュースが伝えた

「大変な旅をして来るんだから
みんなで大切にしてあげましょう」 ....
べつのことを考えながら
言うときのセリフは
「きみだけを愛してるよ」

このあいだ
そのセリフを口にしたとき
電話のむこうにあやしい気配

サファイアのピアス
あなたは気付かない
 ....
もしも
今朝飲んだのが
カフェオレじゃなくて
ミルクティーだったら
今 あたしはどうなってたかな

気が遠くなるほど
たくさんの分かれ道で
そのたびに立ち止まって
迷いながら選んでき ....
少女だった
遠い夏の日の
手のなかにあった
きらめく夢を
なにかべつの
ほんとうは
必要じゃないものに
すこしずつ
すりかえて
軽くなった肩に
安堵する後ろめたさを
かくすた ....
息を詰めてTVを見た
息を詰めて
TVを見るなんて
子供の頃のアニメ以来

演技は完璧だった
涙がぽろぽろ零れた
深夜のソファの上に
ティッシュの山ができた

TVの画面から
 ....
青年は腰布一枚で
十字架にかけられてそこにいた

大聖堂のうす闇が荘厳する
巡礼の密やかなざわめき
ミサの開始を告げる旋律は
共鳴して窓を震わす

そのとき 見よ
高い丸天井に憩いし ....
冬の陽の
頼りなげなひと筋ふた筋
枯れ草に寝そべって
融け残る雪はナフタリン

女王蟻はせっせと
ナフタリンを袋に詰める
春に生まれてくる子へ
衣装箪笥の虫除けにする

見回せ ....
ひとまわり大きくなった太陽が
西の水平線に沈んでいく

この海はどこへでも繋がっている
海岸には奇妙な文字が氾濫している
塩化ナトリウム水溶液で繋がっている
巨大な電池だって作れる

 ....
ホームセンターの駐車場が真っ白になった
マンホールの蓋の上だけは真っ黒い
空からは ぽってりした雪がまだ落ちてくる
やがて ぽっかりと蓋が開いて
隣のおばさんが上気した顔を出す

「こ ....
「ああ,嫌だ」
彼女は台所の隅でぬか床を愛撫しながら言う
手を入れるたびに 「さくっ,さくっ」と音がする
重みに耐えかねた雪が どさっと落ちる
たまの大雪くらいで大騒ぎできるほど平和だ

 ....
きみの旅が終わる時
黒ずんだザックの中には
通り過ぎてきた街の悲しみが
薄汚れた上着のポケットには
誰にも見せたくない たからもの
それはきっと
今のきみにとって
おおい隠 ....
きみが見る夢のはかなきうたかたの
まぼろし追いぬ夏のつとめて


あおによしならの都に鳴く虫の
声こそかなしきみが面影


西風にいかなるいろのこへ聞かむ
ひぐらしかまし ....
硝子板の上の小さな池で
草履虫が草履虫を食べる

部屋には誰もいない
かすかに染み付いた酢酸臭がする
壁には飛び散った硝酸銀の痕跡
古代の半島を描いている

午前11時の憂鬱
あたし ....
北大路京介さんの藤原絵理子さんおすすめリスト(174)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
バラの見る夢- 藤原絵理 ...自由詩10*14-5-19
自然- 藤原絵理 ...自由詩514-5-17
春菊- 藤原絵理 ...自由詩8*14-5-12
食洗機- 藤原絵理 ...自由詩12*14-5-7
Naha- 藤原絵理 ...自由詩2*14-4-22
アルバム- 藤原絵理 ...自由詩3*14-4-17
シリアの水- 藤原絵理 ...自由詩10*14-4-14
ふね- 藤原絵理 ...自由詩3*14-4-9
不思議な顔- 藤原絵理 ...自由詩3*14-4-7
ある霧の朝- 藤原絵理 ...自由詩2*14-3-28
ぶらんこ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-26
イグアナ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-24
循環- 藤原絵理 ...自由詩4*14-3-23
サンゴ- 藤原絵理 ...自由詩714-3-21
TV_boy- 藤原絵理 ...自由詩414-3-12
ネコのフリ- 藤原絵理 ...自由詩3*14-3-11
トカゲ- 藤原絵理 ...自由詩6*14-3-8
厳冬- 藤原絵理 ...自由詩3*14-3-1
What_you_said- 藤原絵理 ...自由詩1*14-2-28
Ifs- 藤原絵理 ...自由詩4*14-2-25
自覚症状- 藤原絵理 ...自由詩514-2-22
往復ビンタ- 藤原絵理 ...自由詩414-2-21
Santiago_de_Compostela- 藤原絵理 ...自由詩214-2-20
想春- 藤原絵理 ...自由詩314-2-20
温泉旅行- 藤原絵理 ...自由詩714-2-18
大雪- 藤原絵理 ...自由詩3*14-2-16
雪の日- 藤原絵理 ...自由詩9*14-2-14
マリア- 藤原絵理 ...自由詩4*14-2-13
閑話三首- 藤原絵理 ...短歌2*14-2-13
パラサイト- 藤原絵理 ...自由詩10*14-2-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する