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蛹の中で身じろぎする幼生の
息遣いほどの微雨
清流に屹立する山岳の岩は
主たる寡黙な黙想に耽り
棲みつく生物たちの呼吸を内包する

母を疎う駄々としてか
広野に下りた者は口々に囁く
懐 ....
宇宙の底から重力が持ち上がる
月は半身の影武者
その肩が抱く光を受けて
私達は夜の深淵を歩くことが出来る
亀裂を伴った果実は秘匿を香らせ
罪の熟成を誘う

勝ち得た絆は
染まらない無垢 ....
人の営みの狭間を縫って
悠久の経を信条とした河に
明かりの灯った小さな神輿が流れ
そのひとつひとつに
幼子が蹲っている
世界の何たるかを知らず
それでこそそべてを悟ったような面持ちで
も ....
クリスタルの薄い壁が
行く先を果てしなく延長させる
感情を腹に宿した目のない純白の生き物が
吐息と共にあらゆる喜怒哀楽を吐き出すから
辺りには雪のように言葉が舞い
その中に、かつての恋人に ....
あなたの表情が澄み渡るような青天から
薄暮れの黄色へと変遷する様を
手の平から零れ落ちる砂を見るような非力さで見届け
伏せた瞼に抱き留めていた

もし心臓の代わりに
胸の内に地球が瞬いてい ....
透明な柵の中を回り続ける鼠には
幻覚的な麻酔の恍惚が必要
生態系を逸脱した個体を繋ぐ夢は
遥かなる進化の虹を跨ぐのだろうか

水を与えれば開く鑑賞物のように
出窓に愛でられること自体が存在 ....
高く 高く 
昇っていく
あなたが光体であるほどに
私は透過する重力となろう
相容れない時間軸が
現在(いま)ここで触れ合うなら
蜥蜴は月に首をもたげ
大地を揺らす露草はその皮膚を潤 ....
価値を洗う

匿われた秘め事に添えられて
命の枝葉を派生させてきた
夜の露の中でしか満たされない静寂を
静かに土中へと引き寄せる

裏切りの奥を問い詰めれば
逃れられない渇望と
分か ....
あなたの腕と私の脚が 
幾何学的に重なって
ミルフィーユ様態の発熱体となる
右腕の先から頭を伸ばせば
男の背中ごし 悠々と輝る月が見えた
まるでこの土から派生して生い茂った多肉植物のよう
 ....
遥か遠い地からやってきたという
鳥は上空に弧を描き
ここが大地の中心だと{ルビ鳴く=さけぶ}
指先に集約された生命は懺悔と熟慮を束ね
折り込めば人間の象を司る

{ルビ坩堝=るつぼ}のよう ....
夜の瓶の底を叩いて
がんらんどうの静けさだ
木々は枝分かれした懐に鳥達をいだき
近づく黎明を覆い隠すように
小さな寝息を慰撫している

今日という日に、起こるべくして起きたとして
その内 ....
森羅万象の奥行きを潜り
泡立つ呼吸音に身を委ねる
壊さなければ訪れない静寂に
あてがった指 時間を悔やんで
包まれた喪服の相容れない微粒の黒
引き千切って 逃げ出すのもいい

やがて更新 ....
闇が黒鳥のように 優しさを覆っていく
逃げる魂は英知の木陰に救いを求め
聖母の衣袂に口づけする

粉々に割れた一枚氷が 涙のもやを隠し
理性の囁きは事切れた罪悪を慰安する
飛ばされるままに ....
手なずける

胸を押し開き、雪崩となって溢れ出す
小鳥 薔薇の棘 北極星 壊れたピアニカ
みんな開口一番に聞いてくる
「この世の生血を味わってるか」

破壊したもの
手の平で包んで、か ....
苔生した岩が目覚めの胸を押し潰す
浅瀬では精霊の呼び声がまだ響いているので
安らかに泉に潜り込む
カーテンの隙間から立ち昇る朝が角度を傾け
夢の泡を貫いてくる
惜しみながら深部を反転したのち ....
左耳が嗤ってる そんな時は
真鍮の針を心臓に突き刺して
鼓動の波で全身を海にする
皮膚という皮膚に群がる蟻が
感情の熱で蒸し焼きになるまで
ただ立ち尽くして真理の老木を{ルビ凝視=みつめ}て ....
微笑みを恐れて泣くなど愚かなこと
胸腔を吹きすさぶつむじ風は微熱をうばい
からころと鳴る胃が律動を求める

乾燥した真昼の道は
縄に括られた首を一心に手繰り
点々と続く血の跡を浮き上がらせ ....
あなたの重心が蛍のように揺れ動く度
私は喉の渇きを覚え、疾駆しては立ち止まる

世界が傾き星空は額縁を脱ぎ捨てる
遠い地平から、心臓を灯火に祈りを捧ぐ一群が
集合無意識の亀裂を修復しようと{ ....
餞(手なずける、価値を洗う)

掛けねを外せば、
誓った小指の奔流がしぶきをあげて
耳の浜辺に打ち寄せてくるのなら
瘡蓋も指輪も剥がしてむせび泣こう

信頼が断罪されるさまを
私秘の傍 ....
私の指先から金貨がこぼれ
あなたの乾いた唇を潤せたら
頑健な牡牛が黒いつむじ風となり
私の魂を運んでくれたら
世界は午睡のまどろみの狭間、神秘の唾液を垂らす
こめかみを濡らすその体温にあやさ ....
混み合った雑踏を、お腹を庇いながらゆっくりと進む
おくるみに包まれた雛の存在に人々が気付いたら
群集は我先にと手を伸ばすだろう

雛は知を持たず、それでいて神秘に通じる鍵を持つので
その血は ....
長針が短針を抱くカチリ、という音
瞬間に{ルビ羽包=はぐく}まれる世界の潮騒
すべて洗い落とした裸の鼓膜が
時の生誕に身震いする

今は何も知らなくて良いと
優しく目を覆う慈悲の手は
記 ....
目は開くが光が差さない
肩は動くが負うべき荷がない
節くれ立つ指はしなるが絡めるべき手がない

そのように漠々と日々は吹き過ぎ
引きずった片足は轍を伸ばす
山頂を目指す人々は皆
片足 ....
生命の断崖絶壁を一息に飛び越えて
数千のむく鳥の叫ぶ警鳴のさなかうずもれる
お前たちの眠りを食べてしまいたいんだ
膝を抱えて耐えている君へは海風の接吻を

夜の最深部、平野の大動脈が鼓動 ....
そのポジション こころもち傾いだ肩
だがその奇妙な天秤は正確に示していた
数冊の詩集は巨大なOEDよりも重いと
あるいは野の中の一本の大木
その美しい縞模様の幹と いろとりどりの葉よ
だ ....
あざやかな鮮血に染まったこの手でも
掴みとれるものがある

君の心臓を手の平に乗せ
その重みの振れる速さで
鼓動を聴く

とくんとくんと脈打つそれは
揺るぎない強さで君の感覚を支配 ....
両の眼の平行線が二人を射抜き 行きつ戻りつ 
熱を持った細胞が身体を離れて蒸留する

新たに生まれる神秘性を持つ、そのものは幽かな産声をあげる

どちらの魂に矢を射るのか

射られた ....
両の手の平に抱かれる宇宙
手からはそれを引きつけ、また離す力が充てられるから
楕円形をした宇宙は落ちることなく、ふわふわと手の間をおよぐ

頭(こうべ)から髪が抜け落ちるように
 ....
長い旅路だった
絶望の灯火を燃やさねば
死すら受け入れがたい道を
ただ歩いて

私は太陽に触れる
命の限界を超えて愛するは
その代償も大きく

喜びと苦痛は何処で結ばれ輪になるの ....
秋の夜の先端が月に届き
丸い円の中心から滴り落ちる雨粒が枝葉を揺する

遠く近く震わせる鈴虫の唱和に
一際大きく腹をこする一匹の独唱
寒気にさらされ弱りゆく命を一心に鳴らし
鈴虫は何を ....
北大路京介さんの由木名緒美さんおすすめリスト(30)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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◎獏の夢- 由木名緒 ...自由詩14*15-11-8
◎地球の代数- 由木名緒 ...自由詩8*15-11-3
◎瞑想- 由木名緒 ...自由詩15*15-10-18
◎モザイク画- 由木名緒 ...自由詩14*15-9-25
◎価値を洗う- 由木名緒 ...自由詩11*15-6-27
◎影合わせ- 由木名緒 ...自由詩1415-6-4
◎合図の朝- 由木名緒 ...自由詩8*15-4-2
瓶の行き先- 由木名緒 ...自由詩12*15-3-24
◎ほうずき- 由木名緒 ...自由詩11*14-10-3
◎ほころび- 由木名緒 ...自由詩10*14-6-9
◎手なずける- 由木名緒 ...自由詩9*14-5-31
◎ある日- 由木名緒 ...自由詩13+*14-4-12
ランドスケープ- 由木名緒 ...自由詩13*14-4-3
◎あぶく- 由木名緒 ...自由詩1014-3-31
◎インソムニア- 由木名緒 ...自由詩9*14-3-25
◎餞- 由木名緒 ...自由詩10*14-3-16
◎小指の約束- 由木名緒 ...自由詩12*14-3-2
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◎繭- 由木名緒 ...自由詩5*14-2-9
同伴者- 由木名緒 ...自由詩11*14-2-1
夜明け- 由木名緒 ...自由詩6*14-1-16
詩人の庭・松田幸雄- 由木名緒 ...自由詩6*14-1-15
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胎動- 由木名緒 ...自由詩10*13-10-6
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