どうにか起きた
朝5時前
闇には 冬がまだ居座る
動きたくない
温もっていたい
そんな心を 叱りとばして
私の今日が始まる
辛いなあ
眠いなあ
だ ....
昔、読んだ本にこういう話がありました。駅で一人の男が迷子の女の子に出会いました。彼女に母親の特徴を尋ねると「わたしのママはとってもきれいでやさしいの」と言うので、男はとにかくきれいな女性を探しました ....
しめった狭路を抜けたところにある
大きな踏切の前で
排気ガスを吐き出す車たちが
なめらかな陽射しを掻き回しているのを見た
なんとなく 無性にスキップしたくなったから
ゆるゆるしたアスファルト ....
春一番が吹いて
次の日 二番が吹いて
日をおって 次つぎ ....
どこで弁当をひろげよう
昼ちかく たどりついた街の
日なたという日なたは
こども連れの若い主婦たちと
近所の猫どもで占められ
太陽の塔のしたの
とっておきの日だまりには
ホームレスがひと ....
地下鉄で インフルエンザ うつされた
気づかずに 6じかんめ 受けていた
帰ったら 寝てめし食って 飲んで寝て
翌日に 起きたら体温 40℃…
彼の生家へ行った
仏壇のある部屋に通された
彼の寝ていた部屋だ
私の寝ていた部屋には 通されなかった
彼の母の母に 手を合わせる
「最近髪がよく抜けます」と報告
彼の母が
「疲れ ....
一人で旅する人を見ると
寂しそうだと人は言う
そうかな
俺は少しうつむいて
黒いマフラーを巻きなおす
港から小さな船が見える
波に揺れて揉まれる
どんなにしが ....
うまれた時に にぎっていたのは
青いちいさな さみし石
てのひらからもぐりこんだそれは
ぼくの ひざっこぞうになった
ときどき いたいの
とっちゃいたいと おもう ....
「お先に失礼します」
の言葉を交わしあう金曜の夜
今週もなんとか無事に働けた自分に
「おつかれさん」と一人つぶやいても いい
自分の肉を
飢えた{ルビ乞食=こじき}に食べさせ ....
空を見上げたら青い渦の底にいる、
ことに気づいた。目だ。
背を押されて飛ぶように駆けつづけて来た僕、は
たたらを踏む
水色の傘につかまっていた指も楽になって
水たまりの端を踏むス ....
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