あたたかい子宮の忘却(兵士たちの白目)、
膿んだ地の、下の、徹っていった水、その痕
育った果実の潰れる、幻聴鳴り渡るのは怖いものだ
若葉の匂いたつ木立、なぎたおすどくろの群れ
命知らず ....
夏が眩しい

溺れ谷に潜む
怪人二十面相
小林少年
少年探偵団
明智小五郎
それらを束ねる
江戸川乱歩
奇々怪々という名の
イベントを衒って
処せられる
コールタールの羽 ....
無人の教室の窓際の席の

机に腰掛けて 足を投げ出している

君は夏の子 

白い横顔


幼い頃の誰かに似て

生まれる前の恋人に似て

小さな爪跡を僕に残す

君は夏 ....
部屋に明かりを灯す人もない
窓から西日が差し込むだけ
夜更かしを誰も咎めない
そんなひとりの週末はただ
遠いあの日の記憶をたどる

不器用な子どもをあやすよう
怖がらないでと小さな声で
 ....
ぼくは詩人

彷徨うほど不安は生まれ
不安は彷徨を生む

今日もまた

夜の散歩をしていると
夜と光に出会いました

あてもなく夜を彷徨う

時と直線が交差するその道は
ぼく ....
旅先で
必ず訪れる旅館があって
其の庭には
花をつけない
見事な桜が佇んでいた



  花をつけないのは
  私のせいなんですよ



其処の女将は笑う


彼女は ....
波打ち際に立つホテルで
あなたをただ待っていたい
薄暗いバーのカウンターで
透ける尾を揺らす熱帯魚と
ピアノが奏でるゆるやかな旋律と

ガラス張りの大きな窓からは
海とまたた ....
薄暗い理科室には真っ黒な机が並んでいて
白衣の教師は訥々と…
橙の柔らかい光を放つ豆電球を見つめる
とても明るく
少女と目が合わぬように
見つめる
そして思い出す
暗い部屋にポツンと浮か ....
昼間の学舎から見える
土の校庭に一人の少年が鉄棒に
跳んでは回って空中で止まった
入道雲の眩しく飛んで
彼は青い空に吸い込まれて消えた

壊れたラジオの蝉の鳴く
汗に滲む目が二重に響く
 ....
どんな蝶でも蜜を求める花に
好き嫌いがあるように
あなたの望む花と
わたしのなりたい花には
どうしても相容れないものが
あるのかも知れない
たとえば地味目なおんなのひとがいて
百人のおと ....
{引用=

一、漕ぎゆく者へ


  明るいうたは明るくうたおう
  明るくないうたも明るくうたおう
  そうすれば
  必ず
  いつかどこかが壊れてゆくよ
  治すというのはそ ....
夏少年の、硝子の{ルビ背=せな}に
せせらぐ
ピアニシモ

白い{ルビ喉=のど}の、滑るシトラスに
透けてゆく
アダージョ

戸惑う爪先の、細い苦悶
ふるえてゆく
アレグロ

 ....
 かくて固有名詞を神のごとくあがめたり。男は包丁を台所で研ぎ、暗闇の光にひとつの時計を指し示したり。
 「う」の列の文字をなぞり、必殺キックで敵を爆破しワニ革の靴で天をうつしたり。富み栄えたり、人の ....
薔薇葡萄の里に帰りなさいと 初めて逢った妖精に囁かれ
甘く酸っぱい果実は 瑞々しさを放ちながら 小さくなった
雨滴したたり落ちる これは恵みの雨ですか
果実の素肌を滑る水
薔薇葡萄の甘く艶やか ....
夏の風が苦しくて しゃがみ込んで目を伏せた
風が止んでふいに目を開けると
波の上で躍ってる銀色の光が 近づいてくる様な気がした
その風は優しかった 気付いたのは日が暮れてからだった
夜空を歩いて
辿り着けない世界へ連れて行ってよ

「夢は夢のままでいるほうが幸せなんだよ」なんて
もっともらしくいい加減な返事を
待ってたわけじゃない

だって僕らは
激動の時 ....
ぼくは詩を書きたい

自分との戦いは
自分だけの戦いではない

今日もまた

朝の散歩をしていると
農家の人に出会いました

もぎたてのとうもろこしを3本
ぼくに渡してくれました ....
流星群のようなどしゃぶりの下

みるく色の傘のおんなと

革靴を濡らして駆け寄るおとこを

われらはまるで永遠のように見た
さてせっかく七夕になったので
何かお願いをしようと思うのですが

あの子に願いが届きますようになんて
かわいらしい事を願うのもなんだかあれなので
他に何かないかしらんなどと考えましたら
不 ....
ブルーチップの青いリスは
目を離すと、すぐに増殖して
ガマ口をはみ出してしまうから
台紙にきちんと貼りつけなければいけなかった
母は台紙をもらってくれると約束をしたのに
永遠と立ち話をやめや ....
?.

ああ
オルテンシアがほんと楽しそうだ

あんなの日本語だとね、てんこ盛りって言うんだよ。
ひひ、てんこ盛りだって、おかしいね。
まあ、要するに、昨日の俺たちのパスタだ。あれが ....
さざなみが月を潤ませて
消してゆく二人の名前
ゆうなぎは心の糸まで
もつらせて切ってゆくのか

灯台も暮れ馴ずめば影にまみれ
境をなくす浜辺と海

こわれた砂の城に波が
さよならを塗 ....
妄想は猫が食らひて

たうたう肥えはじめた
「わたし、ヨーデルが好きなの。」

それがぼくたちの出会いだった
未知の在庫が減少していることは
それなりに聴いていたけれど
まさかここまで及ぶとは

通行人は誰一人として興味を示してい ....
弟が二人いる姉など
子供の頃は 子守りをさせられ
遊べるくらい育ったら
キャッチボールなど 男同士だし

大人になっても
たまにラーメン食べにいくとか
うちで 飲むとか
まず 誘われな ....
オールトの雲:オランダの天文学者オールトが提唱した、彗星の巣・領域


『オールトの歌』



最愛の娘へ


作りかけの宇宙ステーションからこんばんは
もうそっちはオハヨウの時 ....
時々この臭いが大地に移ってしまっているんじゃないかと思っている
羊への慈悲は必要ないとあなたが言う
世界がこの臭いを知っているんじゃないかと思っている
私は羊の鎖を外す気は無い 四六時中 握って ....
今年も古い母屋の軒先に
つがいの燕が巣作りしました
生まれたての可愛い雛たちは
親鳥の帰りをひたすら待っていて
精一杯の幼い首を伸ばして
甘えたような鳴き声あげている
(なんだか可愛いな
 ....
わたしは感じてしまう
小綺麗に片付けられた部屋の
飾り棚の上で
あなたは仲間達と腕を組み
屈託の無い笑顔をこちらへ向けて
壁際に吊るしたドライスーツからは
泡立つ潮騒の音色がする
そんな ....
プルトニウムに 蟻んこが
たくさん つながっています

わたしは
K氏に せかされて
夢の中でも
詩を ひねっている

魔女狩りパフォーマンスは
もういいかげんにしたらいいのに
世 ....
チェザーレさんのおすすめリスト(121)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
戦慄と地球- 古河 セ ...自由詩5*06-7-19
溺れていく夏の- あおば未詩・独白5*06-7-17
夏の子- 八布自由詩106-7-17
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百合の花のように- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-7-16
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「夜空を歩いて」- ベンジャ ...自由詩5*06-7-7
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雲上の何気ない日常- 知風自由詩5*06-7-7
ねがいごと。- プル式自由詩8*06-7-7
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お茶目なゴリラはヨーデルがお好き- 千波 一 ...自由詩10*06-7-4
いってらっしゃい- 砂木自由詩10*06-7-4
オールトの歌- 蒸発王自由詩4*06-7-3
羊の匂い- 1040自由詩406-7-3
スワローテイル- 恋月 ぴ ...自由詩28*06-6-28
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- 天野 碧自由詩706-6-21

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