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たとえば、きみに好きだよと
囁くときでも
ぼくはきみの、
背中を見つめたまま
きみがぼくに決して
そういう言葉を言わないのを知っているから
きみの白い猫背に囁く
ぼくは、たぶん、 ....
去年庭に埋めた
枇杷の種の、
芽が出るのを見れなかったこと
家に帰ると、
朝、家を出たときと
何一つ変わっていないこと
揃いのコ−ヒ−カップが
片方だけ古びていくこと
「バ ....
芝生の上に横たわると
青が見えた 鳥が見えた 飛行機が見えた
ふと影が差したと思ったら
白いシャツが落ちてきた
二階の窓から母さんがごめんと言った
ああ 天使かと思ったのに
地平線を隠してしまうときの
きみのつま先が好きだよ
肩甲骨を両手でまさぐりながら
そう 僕は小鳥も気がつかぬほどに
ちいさくつぶやいた
地平線が見えないなんて
くだらない永遠なんか ....
けはい
が、まず私を脅かし
におい
が、とりまく空気を包みこむ
たいおん
は、右腕から波のように
かんしょく
は、夢の中の現実
侵される 私
交じり合う のは
そば ....
とけるのは唇
あふれるのは 生温かい水
零れないよう
太い針で縫いつけて
不器用に 笑う
染み出す膿で
舌が焼ける
目を瞑り、
笑う
溜まった水は
まだ温かい
私 ....
月に手を伸ばして
閉じた指を開くの
そうら 見えるでしょう?
指の隙間から
あなたの瞳を刺す色が
薄ら白い色が
小さく歪んだ円が
背を向けたら
伸ばした手も空を切って
細 ....
フュ−シャピンクの海を
ティ−スプ−ンで掬う
小匙1パイの海と、二つの地平線
いらない?
そうなの。
エメラルドグリ−ンの海、
痩せた指の隙間から零れ落ちる砂
でもね
私に ....