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座るところが空いていなくて
仕方なくしゃがんだ
光る突起をさわれば
流れるみたいだ
壁一面に十一桁ずつの
番号が書いてあって
お呪いかと思ったらそれは
悪戯なのだった
なめくじが這ったみたいに淡い ....
電車は学芸大学を過ぎた
橙の薄日が
くすくす眼を射り
わたしは数年前に
逃がしてしまった犬の事を
茫洋と考えていた
毛並みの良い犬だった
ルクスと云う名で呼んでいた
或る日鎖をひき ....
十月の昼下がり
ガードレールに寄りかかって
ゆっくり喫煙をすると
内側にある熱いものが
とろけるように放出されてゆく
確か理科の時間に習った
高温のものと低温のものを並べると
熱 ....
母が二階で
掃除機をかけている
天井が振動
する度に埃が落ちる
右側の窓を
あけておくのを忘れてしまった
閉めっぱなしでは祖母が
家の中に入ってこられないのに
....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
大きい声を出すと
ずぼんがゆるくなって困る
とお兄ちゃんは言う
あたりまえだ
大きい声を出しても何にもならないと
承知の上でまだ怒鳴るから
そういう羽目になるのだ
お兄ちゃんは
人 ....
日を追う毎に
わたしの頭は
軽くなってゆくようです
わすれていくのだろうか
こんなにも容易く
赤信号が青に変わり
裏路地は繁華街になり
たった今あったものが
次々と消えてゆき
....
・
ひとあし歩くごとに
わたしの身体からは石が落ちます
からからに乾いた石は
薄い色をしています
わたしはそれを
さらさらかちかち と踏みしだき
疲労し続けましょう
名 ....
+
雨のような音がしていた
始終ずっと
雨のような音がしていた
よくよく考えてみると
それは雨の音ではなくて
誰かの足音だったのかもしれない
雨の音は段々近づいてき ....
目覚まし時計の電池を抜いて
針を止めてはみたものの
時間が止まるわけでは無くて
時間が戻るわけでも無くて
ぴかぴか光る文字盤を見ている
わたしはきっと
何かを後悔してるのかもし ....
*
最近
妻が出来た
嫁を娶ったのではない
わたしは女であるから
正確にいえば
嫁の方から勝手に来たんである
或る夜のことだった
四百円を手にちゃらちゃらさせながら
....
国営放送の請求書が
ひらり
と郵便箱に滑り込む頃
誰かの忘れ物が
公園の隅で
しゅか、しゅか
光る
睫毛に引っ掛かる
砕けた陽射しはもう
夏のように
貪欲ではなくて
握り締めた領収書は
たまし ....
・
曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった
・
フォークを持つと
人 ....
遠い国から
のろいに満ちた手紙が届いた
開くと燃えてしまったから
何と書いてあったかは知らない
遠い国から
いかりに満ちた電話がきた
電波状態が悪いらしく
途切れ途 ....
空は何時か
還る人の為に在りますから
行き詰まって
流れるしか無い雲の
あんなにも柔らかそうな姿態
曼珠沙華は
意味を見失っている
紅くしか咲けないから
間接は曲が ....
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日付
駅構内の、
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吉田ぐん ...
携帯写真+ ...
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06-10-15
『ルクス、』
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吉田ぐん ...
自由詩
10
06-10-15
熱移動
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吉田ぐん ...
自由詩
5
06-10-13
深層心理の怪物
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吉田ぐん ...
自由詩
7
06-10-13
洗濯物と海
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吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-12
単純な留守番
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吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-12
きつねつき
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吉田ぐん ...
自由詩
7
06-10-11
わすれていくこと
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吉田ぐん ...
自由詩
14
06-10-8
石と旅する
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吉田ぐん ...
自由詩
12
06-10-8
音と言葉
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吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-7
めざましとけい
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吉田ぐん ...
自由詩
7
06-10-7
妻の話
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吉田ぐん ...
自由詩
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06-10-6
ひかり
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吉田ぐん ...
携帯写真+ ...
6
06-10-5
びょ、ーき
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吉田ぐん ...
自由詩
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06-10-4
遠い国
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吉田ぐん ...
自由詩
7
06-10-4
独り言
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吉田ぐん ...
自由詩
15
06-10-4
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