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真っ青に透き徹る海が恋しい
真っ白に焼けた砂浜が恋しい。

湿気の多いべたべたする嫌な日
何でも有り余る肥大した無慈悲。

何故か連続して襲い来る不幸
大地は割れ火を吹く山 ....
「 ひとりで寝るのは
寝るのじゃないよ
まくら抱えて
横に立つ。」

生きていた時
おやじが謡った
都都逸だ。

習い性になって
毎夜長い枕を抱えて
眠りに就く。
 ....
ぼんやり 新聞コラム 眺めてたら
女は 存在 男は 現象
つまり 全ての基本は女 だから
はじめに女ありき との文章

これはもう 現代常識である
聖書の記述は 間違えたのだ
好きに ....
いつもそこに見えている すぐ目の前にだ
共同幻想でもあるぞ 南無阿弥陀仏
現実の世間でも至極あたりまえの
他動説 信じて生きてきた果報者

石の上にも三年 その三年間
近づくと逃げてゆ ....
ほとんど辞めるつもりでいる。
あつい夏がやってきて
はっきりしない出張予定にふりまわされて
一泊二日の大島釣り旅行もキャンセル

年に一度の光晴忌までみおくりである。
浮世の稼業をつづ ....
念願の停年まであと一年
のんびりと言い暮してきたのに
いまごろになって。

このプロジェクト
あと一仕事おねがいします。

ちょっと待ってください
このところずうっと指折り数えてきたの ....
十八歳か六十歳まで四十二年イコール五〇四月
あと十七月
のこり3パーセント消費税なみの忍耐だ
どうか5パーセントなどになりませんように
デジタル化してゆく世界に
しだいに稀薄になりつつあ ....
生きることに真面目になれない
いい加減ないい気な人生
時間ばかりが流れても治らない痔
慢性的な麻痺が全身にはびこり襲い来る睡魔
こんな筈ではなかったのに糸の切れた凧
うんざりして眺める世 ....
遠い日の雪ふる夜あなたの瞳の中にみた海辺の足跡
理知のかがやきをひめて波間にただようほのあかり
やるせない吐息にうっすらとくもったガラスの部屋
窓に貼りついた蛾の群れが突如としてまっさかさま ....
ひかりかがやく風のとうめいな冷気が頬をなでる
この都会にもあかるい季節がめぐってきた
まつわりつく悪夢にまたしても人々はさわぎたてる
真夏のように感情をたかぶらせみえてこない{ルビ明日=あした} ....
あかるい街の季節風
最寄駅の女の脚
スカートの奥の巻封
ひめられたかえらぬ昔

あわてふためいてる尼僧
おちてくる白い襟足
目配せしている名僧
みうごきならぬ猿まわし

おろお ....
くもり空のおもたい朝
欠伸をしている川獺
頭にかぶっている笠
ぷんと鼻にかおる野糞

きみの眼のまぶしい若さ
よれよれになっている裾
てのひらにあふれる乳房
白い毛の犬がのそのそ
 ....
風まじりの雨模様に海はのんびりひろがる
はてもなくさわがしい世間をのがれて
ぬれた花崗岩に足をすべらせおもしろがる
生きてきたそれぞれの体型に目がなれて
だまっていてもあたたかい空気にふれ ....
ガラス窓に黄色い熊
緑の幕ゆれる昼間
なんとおおきな図体だ
夏の青空にうかんだ

「全員参加で施設の点検
 一人一人の五分間
  始業前点検 
  終業前片付け復旧」

三ヵ月 ....
目からとおくなれば心からもとおくなる
そんなことははなから知っていた
日毎の天災やら人災やらのセンセーショナル
めまぐるしい張り子の国で半年すぎた
乱読につぐ乱読で本ばかり読んですぎた
 ....
ちょっとあんたまた買ったのむやみやたら
よめもしない本ばかりあふれて気がしれない
バルザック? 二十六冊だって、そこいら
にあったじゃない『従妹ベット』やら『純愛』
荷風やら菊池寛やら小林秀雄 ....
パーサータイ(タイ語)では、
海のことをタレーと発音する。
この道をまっすぐ行くとタレーに達する。
椰子林と湿地帯の交互につづく道の果てには、

佛暦二五三六年の浪のしわ
まんまんとた ....
タイ南東にうかぶコ・サムイ
サムイ島の 常夏の夜はすずしい。

海の微風に椰子の葉葉がおおきくゆれる
ヤーという女とふたりで満月をみあげる。

風にのるあかるい会話
耳に心地よい片言の童 ....
ウオルト・ホイットマンは世界にひとり
一八一九年 ニューヨーク州ロング・アイランドにうまれた
四歳の時ブルックリンにうつり 五五年 突如 火の鳥
三十六歳のホイットマンにより『草の葉』第一版は書 ....
一八五四年十月二十日 
北仏アルデンヌ県シャルルヴィルに生まれ     
南仏ブウシュデュローヌ県マルセーユに倒れ
空遠く消え去ったのは一八九一年十一月十日

一九九一年 ランボー没後一 ....
あつい陽射しの中にいつのまにか
とうめいな光がましてきて空は青い
『ジッドの日記』新刊本の表紙の白い
色に金と黒と朱の印刷文字があざやか

世紀末から新世紀をのぞむ思想家
にじみだすイ ....
雨が好きという小説を読んだことがある
雨が嫌いというのはあまり聞いたことがない
やらずの雨は都都逸にもあり乙なものである
城ヶ島の磯にふるなみだ雨はせつない  

雨よふれふれも悩みをながす ....
あなたも五十すぎたら定年になる
ささやかれてから 今年でちょうど 四年
第二の職場 わたりに舟と観念
世間には 不景気の風 吹きはじめてる

まだ浅い春の 山にきて ふと見上げる     
 ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考

電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて   

宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
あ ら るしぇるしゅ でゅ たん ぺるでゅ 
ア ラ ルシェルシュ デュ タン ペルデュ 

呪文のように くりかえす 音声 
円環のように くりかえす 人生

探し求めて 時 失われた  ....
あ あんこ
い いんこ
う うんこ
え えんこ
お おんこ 

母音たちよ
ぼくらの言葉についてまわる
たった五つのわが母音にまじわる
子音たちよ

あ あかさたなはまやらわ
 ....
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
秋霖 というのでしょうか 長い雨でした
三年 という歳月は 忍耐の最小単位
きみが家を出て一年ほどは手紙のやりとりが盛んでした
やっと抜けるような青空がひろがり快い
晴天がつづいているのだけれ ....
病院でリハビリの担当医がもっと歩かないと駄目だという
せめて一日四〇分は連続して歩けという
テストの結果あなたは潜在体力に比べ現実体力が劣るから
このままでいくとあと十年で歩けなくなりますよ
 ....
まんぼうさんの狸亭さんおすすめリスト(39)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海賊- 狸亭自由詩1604-6-4
抱き枕- 狸亭自由詩1304-3-25
存在と現象- 狸亭自由詩1804-3-20
逃げ水- 狸亭自由詩604-3-15
あと八カ月- 狸亭自由詩304-2-26
あと一年- 狸亭自由詩504-2-23
あと十七月- 狸亭自由詩604-2-19
十二月のバラッド- 狸亭自由詩204-1-31
十月のバラッド- 狸亭自由詩404-1-29
九月のバラッド- 狸亭自由詩304-1-28
セクハラ- 狸亭自由詩204-1-26
ぼくの童話 - 狸亭自由詩504-1-24
六月のバラッド - 狸亭自由詩304-1-23
黄色い熊 - 狸亭自由詩304-1-22
酔い醒めのバラッド- 狸亭自由詩104-1-19
悪妻のバラッド- 狸亭自由詩304-1-18
タレー- 狸亭自由詩204-1-9
コ・サムイ- 狸亭自由詩204-1-5
ホイットマンは世界にひとり- 狸亭自由詩203-12-27
ランボー讚歌- 狸亭自由詩303-12-26
夏休み - 狸亭自由詩203-12-25
雨が怖い- 狸亭自由詩503-12-24
定年- 狸亭自由詩103-12-22
歩行による思考の試行_- 狸亭自由詩403-12-17
インドの魔術師- 狸亭自由詩403-12-16
失われた時を求めて- 狸亭自由詩203-12-15
わが母音- 狸亭自由詩303-12-14
自己の言語回路からの自由へー九鬼周造著『日本詩の押韻』私解ー- 狸亭散文(批評 ...1803-12-12
手紙- 狸亭自由詩303-12-9
歩く- 狸亭自由詩203-12-7

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