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1 誰にも言えない秘密

誰にも言えない秘密なんて誰にでもあるよねと思うけど、これは困った。「俺誰にも言えない秘密があってさ」と壁ドンされつつ体育館裏で言われるとか嬉しくない。しかもそのあと「俺、 ....
1 また明日

また明日、と言って彼女は顔を伏せた。また明日、明日はいつくるのかと聞いたらまた明日なんだから明日来るに決まってるだろうと笑われたがここは明日が明日来るかわからない土地なのだ。みんな ....
蛇が布団の上で死んでいる。いつから死んでいたのか知らない。腐ってはいないが干からび始めている。とても大きな蝿が一匹ぶんぶんと飛んでいる。開け放しの窓から風が激しくて臭いを感じることができない。反故紙が .... 遠ざかる星々に追いつこうとして
ポケットの中の薄い板が
震えてうめく

きらめくきつね雨のまひる
広場を歩けば
宝石がふってくる

こどもたちは争って宝石を拾い
笑いさざめきながらそ ....
日差しの刃に斬られ
だらしなく溶けてゆくかき氷の
まだ冷たいスプーンをなめながら
またひとつ星がおちたのに気づく

小豆とぎと河童と
座敷わらしとあと誰だっけ
訃報を連絡するために
黴 ....
かたつむりの王は
水辺で嘆息する

今回も失敗であった
ヒトに寄生することは容易だが
操ることも難しくはないが

あやつらは海に帰って来ぬ

一方、地上では
一人のマッドサイエンテ ....
恐竜は鳥になってしまった
大空を羽ばたくかわりに
偉大さをなくした

朝 にわとりが声をあげる
恐竜の飛べない子孫が
景気よく声をあげる

より大きなものを知るためには
偉大であって ....
夏至の夜なのに
どこかでバンシーがすすり泣いている
火のように赤いときくあの瞳は
いま誰のために濡れるのだろう

夏至の夜なのに
不安が両肩におちてくる

夏至の夜
神さまにお祈りし ....
舞えよ振袖 振袖よ舞え
舞わねば紅蓮に焼きまする

三畳の座敷牢で狂女は歌い踊る。
小女が運んできた膳は手つかず。
ただひたすらに歌い踊る。
母の嘆きも父の憤りも知らず。
寝食も知らず。 ....
リスカする少女は
美しい海鼠を生むだろうか

海は流産ばかりしていて
今夜も凪いでいる
荒れる波の記憶はもはや遠い彼方
リスカする少女の腕は今夜も乾く

悲しい歌を名づけるもの悲しい行 ....
伊栖郡の話なら法月君に聞いた。◆ナニ伊栖郡は太平洋沿岸に位置する極当たり前の田舎であつて、とりたてて特徴が有る訳でない。只伊栖之湖という稍々大きめの塩水湖が一つあり、湖の周りには柞が沢山茂つてゐる。柞 .... 駱駝は人手に渡してしまった。
少しの水と、一日分の糧と引き替えに。
だから二人の娘は手をつないで歩いた、
月下の沙漠は、
はろばろと二人の前に広がっていた。

邪恋の娘ども、と囃し立てられ ....
{引用=(私の砂男に)}

描いたようなみどりの草原、青い空、
白い雲がにじむのはカメラの曇りのせい、
すべて出来合のうるわしい風景、
できる限り倍率をあげてみよう、
くるくるまわる水素原 ....
指はいりませんか?
イキのいい天然物の指です
指はいりませんか?

いまどき流しの指売りとは珍しい、と
呼び止めてみたらごく幼い少女だった

どの指を売るのかい、と
訊ねてみたら箱を差 ....
atsuchan69さんの佐々宝砂さんおすすめリスト(14)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
閃篇5_そのに- 佐々宝砂自由詩324-6-7
閃篇5_そのいち- 佐々宝砂自由詩424-6-7
- 佐々宝砂自由詩11*24-5-27
ポケットの中の薄い板- 佐々宝砂自由詩724-5-7
失う夏のソネット- 佐々宝砂自由詩6*23-7-28
ル・カルコル- 佐々宝砂自由詩2*23-6-18
恐竜は鳥になってしまった- 佐々宝砂自由詩6+*10-9-3
夏至の夜- 佐々宝砂自由詩4*10-6-18
振袖舞え舞え- 佐々宝砂自由詩508-7-25
海鼠の味- 佐々宝砂自由詩7*08-6-19
伊栖之湖周辺の伝説に就いて- 佐々宝砂散文(批評 ...4*08-6-15
影さやかな月のもと- 佐々宝砂自由詩16*08-4-18
みどりの草原、青い空- 佐々宝砂自由詩408-1-21
指売りの少女- 佐々宝砂自由詩6+*07-11-25

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