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僕は生きている
その事自体が罪なのか
道造は二十四歳で逝った
中也は三十歳で逝った
祐三も同い歳で逝ってしまったよ
だのに
僕は未だに生きている
罪の上塗り
恥の掻き捨て
僕が愛し損 ....
「パリーへ二人で行こう」
あの頃は佐伯祐三に焦がれていて
寝物語に囁いた僕の言葉を
君は黙って受けとめてくれた
僕に離婚歴があることを
君は問わないでいてくれた
僕が夢見たパリーの空は
 ....
仮面


産まれたての
あの頃に
戻りたくて人は被る








他人を欺きとおせても
おのれの顔だけは

欺けない





頭蓋骨


そ ....
あなたとおそろの夫婦箸
いまはもう使う気にもなれない
あの頃は愛の姿を信じていた
同じ季節の同じ日々
それでも、素肌に感じる感触は
あの頃とは確かに違っていて
ひとり台所に立てば
化学の ....
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わた ....
会社


会社の顔を汚すなと
上司に言われた
僕に顔は

いらない





未来


40年後の
僕の顔
今のこころが作り出す





レジェ

 ....
家族


焼け跡から一枚の写真
楽しかったあの頃
親を殺した顔が笑っていた
子を殴り続けた顔が笑っていた






ひとのこころ


クルマに顔があるように
ひとの ....
当て所無い片道切符の遠い駅
尿意に立ち寄ったトイレは
蟋蟀らしき秋虫の音が木霊する
あれは便所蟋蟀だろうか
所業に耐え無為と生きる便所蟋蟀
然し秋虫の類では無いような
さりとて確かめたりは ....
額の汗を無造作に拭うあいつより
きれいに畳んだハンカチで汗を拭う
そんな男のひとに憧れてしまう
えっと…そんなひとなら
細い指先に挟んだボールペンを
くるくる器用に回したりして
わたしのこ ....
「この花きれいだね」


あなたは美しさの形を指先でなぞると
風の誘うままに微笑み


未だ慣れぬ白い感触を確かめながら
おぼつかない足取りで
わたしの半歩先をゆっくりと歩む

 ....
狂おしく 狂おしきままに
待ちわびて
結ぶ太鼓に散る花は
夢見の果てとあおぎみて


流れゆく 流るるままに
時すぎて
契りし思いに散る花は
あれは逢瀬とかえりみる


帰らぬ ....
atsuchan69さんの恋月 ぴのさんおすすめリスト(311)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
(百九十九番目の詩)- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-9-29
パリーの空と街と- 恋月 ぴ ...自由詩19*06-9-28
顔_その4- 恋月 ぴ ...自由詩20*06-9-26
夫婦箸- 恋月 ぴ ...自由詩15*06-9-23
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