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 小さく硬ばった花片を
 朝風に震わせる白菊が霜に打たれて
 紫色にうち伏した
 
 昨夜
 把えられないあなたの
 おぼろな姿が身近く訪れた
 手を差し伸べて
 髪を撫でようとすると ....
 小顔で整ったお顔立ち
 吸い込まれてしまいそうなブルーの瞳
 それは友人宅を訪問した日、
 初対面だった彼女

 リビングテーブルの空いた椅子で
 貴婦人の如くポーズをとり
 私たちの ....
 
 夜のしじまに浮かんでいる
 朧月の
 のどやかな微笑
 
 (お疲れさまでした)
 あなたからスマホへ届く
 おやすみなさいの短いメッセージ  
 いちにちの流動の
 しずかさ ....
 
 肌にヒリヒリとした
 痛みこそ忘れ去られた闇は
 東の、明けきらぬ雲の幕に覆われている

 耳にのこるICUの輸液ポンプのモータ音
 蛍光灯で煌々と照らされる空間は
 ただ白っぽく ....
 
 氷鳴る
 グラスの縁に刺さっている
 大きめなカットレモン
 摘み上げて絞れば
 目にもこまやかに射しこんでくる
 濃度を増す酸っぱさ

 其処は尾道の坂の途中にある喫茶店
  ....
 京都三条大橋の側にあった
 六階建の大きな旅館
 非常階段の踊り場から見下ろす
 起き抜けの街の静けさが好きだった

 あの頃は赤のマールボロを一日半箱吸っていた

 廊下の重い鉄扉が ....
 西陽とたわむれる
 噴水の水の音は
 子どものようにまるくなってかけまわり
 わたしへ小さく手を振って
 「またね」
 …… 、

 鈴懸の樹が葉を落とす風に鎮もる

 涼風にのっ ....
 遠くにいるあなた
 遠くにいても
 息づかいを感じる程には一緒に居ない
 あこがれのような
 かなしみのような
 その境目で
 私が寂しがっていようなどとは
 思っていないかも知れない ....
 
 窓の外は雨あがりの道端に
 もう夏が振り向きもせず
 透けた背中をみせている

 昨晩干した洗濯物の柔軟剤が香る室内で
 好きな音楽を聴きながら
 刻み始めるキャベツ

 レッ ....
 昨日の夕方
 毛虫が落っこちてきたら嫌だなと思って
 茂る枝の下を避けて立ち
 青信号を待った 
 公園の桜の木

 毎年春に花雲を愛でて
 木は すっかり街中で溶け込んだ住人
 だ ....
 
 パサパサの餌をたべて
 噛み砕けども詩にはならず

 烏輪の光を受ける郷も今宵、雲裏から出ぬ草はらで
 落ちてるひらがなを拾いあつめて
 ぴん とお耳を立ててみる
 霧が匂う
 隠された風景の先を見ている
 霧はたえず
 その気配でただようしかなく
 歩み出れば崖っぷちに咲く野の花の細い茎を
 つかむような愛ならば

 もはや私に 
 緑なき ....
 雲よりも
 高いところの虚ろな光
 欠けた兎影に 目を凝らす
 背後で、製紙工場の正門から細い通りへ出る
 大型トラックのタイヤが路面に擦れる

 緑色の金網が張られたフェンス越しに ....
 午後の熱にうだる 
 れんが道
 口から舌を出したまま
 首をうなだれる小さな犬を抱く
 中年の女性とすれ違う

 植え込みには等間隔で咲く
 枯れ色になったミニヒマワリ
 まちは夢 ....
 衣装ケースの底に今も蔵って有る
 レトログリーンに白ドット柄の
 スカート付き水着

 もう 着れる歳でなくなってからも
 ずっと処分せずにいた
 これが一枚の写真の様だから

 眩 ....
 
 クスノキのそば
 芒漠としたまひるまの陽光に
 蝉の ヒビキ

 離れて住まう年老いた父の声が、
 聞きたくなって
 
 
 冷蔵庫から取り出した
 ガラス小鉢の紅茶ゼリー
 ノンシュガーのルベウスに
 ちょっと多めにのせる生クリーム

 リビングには尖った葉を上向きに茂らせる
 アンスリウムが、柘榴石のような ....
 岬に立つと
 陽の輝きが急に増す
 気がつけば波間に閃めく舟も
 ずいぶん遠かった

 入道雲のわき立っている水平線 
 みづ色の{ルビ礫=こいし}のように光る舟のそばで
 一羽のかも ....
 激しく降った雨で
 低い土手の生い繁る雑木は
 いっそう緑濃くなり

 駐車場の水溜りをよけながら
 歩くスカートの裾が
 まつわりつく

 建屋の脇には短い竹林の小径
 聳り立つ ....
 日照りつけて
 前方に霞む百日紅には
 二匹のクマンバチ

 ふと足もとを
 蜻蛉のちぎれた一枚羽が
 微風に 晒される
 
 古道の低い石積みの傍、
 生い茂る樹木の根元で
  ....
 喉滑る夜半の冷茶

 温くなった保冷枕を取り替えて

 寝間へ戻れば 扇風機の寂風が、

 モザイクかかる途切れた夢の

 あなたを白い紙屑にした
 サワサワと吹く松の風
 ふと目をあげたら
 海に迫る山肌に
 薄い雪

 尽きる事のない様に見える
 波のたゆたいは
 その胎内に微生物の死骸がまっしろく
 降りつづけるのを感じてい ....
 字をかく
 筆先の弾力が
 未知の世界に突入する

 柔らかくしなりながら
 墨は、
 濃く薄く線を描く
{引用=ヴァイブレーションに充ちた 
小さな愛の告白を
嘲笑うべきではなか ....
 嵐の夜
 いく本かの北山杉が
 悲鳴もあげずに倒れた

 十四歳だった私が
 暗い峠を越えた山間地の
 北山杉は
 鋭く尖ってざわめいて
 無垢な翼を持った時代のおもいで

 嵐 ....
 山林をそっくり買い取って
 吉兵衛は死んだ

 つながり眉毛の吉兵衛は
 めったに笑いもしなかった
 そんな彼を、秋さんは怖れながら暮らした
 有り金をはたいて
 犀川上流の山林を買う ....
 畳の間、煙立つ
 半分に折ったお線香
 母へ挨拶する私を
 初夏の陽が
 ただ ゆるゆるといたわって
 夕立の雲が垂れ込めているのに
 ふりそうにない{引用=まだ降らない
まだ降らない
まだ降らない} その短いようで限りなく不穏な時
 
 夏草の背の高い奥庭
 開かれた窓に
 夕顔が、何 ....
 ひそやかに
 風 渡りすぐ音のする
 竹の飾りは夏をむかえて

 ショッピングモールで
 友人に勧められて買ったマーメイドスカート
 そのレモンイエローに、つい気持ちがはしゃいで
 揃 ....
 青いそらに
 一本の縄バシゴをかけて
 一人で昇って行くのだ

 小さくなってゆく姿を
 地上の人々は
 誰も気付かないままに

 陽に憧れてのぼって行くのではない
 高い塔か ....
 昔 暗い電柱の蔭に
 鮮やかな口紅を咲かせていた女と
 細くしまった腰をもった男との
 悲しい抱擁を見た時
 思わず浮かび出た詩は
 美しかったけれど

 月が厳しい弧を描く
 夏の ....
atsuchan69さんのリリーさんおすすめリスト(241)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
白菊- リリー自由詩5*24-10-24
シーちゃん- リリー自由詩7*24-10-21
夜しずかに- リリー自由詩5*24-10-19
Heart_beat- リリー自由詩7*24-10-13
レモンスカッシュ- リリー自由詩5*24-10-12
喫煙所- リリー自由詩12*24-10-8
秋うらら- リリー自由詩9*24-10-6
零時- リリー自由詩7*24-10-2
The__Holiday_- リリー自由詩10*24-9-29
帰り路- リリー自由詩6*24-9-28
五行歌_うさぎ- リリー自由詩7*24-9-23
Reason- リリー自由詩13*24-9-20
炎昼- リリー自由詩12*24-9-17
雪の幻- リリー自由詩6*24-8-10
波の思い出- リリー自由詩8*24-8-4
五行歌_一首「烈夏のこえ」- リリー自由詩6*24-7-31
灼夏のいろ- リリー自由詩11*24-7-30
みづ色の舟- リリー自由詩6*24-7-26
通り雨- リリー自由詩7*24-7-25
陽炎- リリー自由詩15*24-7-23
五行歌_一首「熱帯夜」- リリー自由詩10*24-7-21
朱夏のなぎさ- リリー自由詩10*24-7-15
砂の橋- リリー自由詩5*24-7-15
北山杉- リリー自由詩9*24-7-14
秋さん- リリー自由詩5*24-7-12
五行歌_一首「花琳」- リリー自由詩5*24-7-12
雲居の空- リリー自由詩12+*24-7-10
たなばた- リリー自由詩9*24-7-7
夢、- リリー自由詩8*24-7-7
赤い髪- リリー自由詩6+*24-7-5

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