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 きっと 
 さむい朝だった
 口もとを曲げてぐずぐずしてる私は
 母に手を引かれ一軒家の自宅を出ます

 庭の垣根に糸の付いたミノムシが一匹

 若い母は指先で糸を摘み
 「ほら」
 ....
 山裾の丘陵地
 総合病院の裏出口から
 人通りすくない小道を往くと
 閑静な民家の中にログハウスも立ち並ぶ

 金網張られる路端に
 あかるんできた雨空をあおぐ朝顔が
 緩い風の懐であ ....
 冬の石畳みの
 陽だまりを愛しながら
 時計の針で刻めない
 とおい未来から届く昨日を
 思い起こしてみる

 追いもしない記憶に追われもせず
 そこに立ち止まって
 年齢を重ねる自 ....
 冴ゆる風にこぼれて舞う
 レモン色した木の葉のひと翳り
 そういうもので
 詩を書きたいとおもう

 心に満ちる平穏な日常は、
 わたしの気付きもしない情景のなかで
 なにものとも く ....
 今でも時たま
 わたしを誘いに来るお月さま
 凍てつきはじめた冬空で
 消えいるような音符を奏でます

 かつて紅い原野から湧いた
 孤独なアンサンブル
 じぶんの柔らかかった下腹部か ....
 古い白い花の蔭に
 恋の嘆きをみていたむかし
 チョコレートの銀紙を
 折り畳みながら過ごした夜

 なつかしい想い出は
 楽しく稚い愛の物語
 その震えも忘れてはいないけれど
 ....
 
 さっき山の端に消えてしまった冬茜
 建ち並ぶ商業施設の脇を流れる
 堂の川
 吹きつける風でこまかい波紋が
 わずかな灯りを掬って沈み

 並木の枯枝にとりのこされた
 烏のひと ....
 あれは欲求の充足が阻止されたことの
 一時的な怒りだったのか
 なんにも知ってはいなかった幼女の
 ヒステリックが沸点に至り

 あの時、
 一軒家の玄関ドアに嵌め込まれた
 デザ ....
 風が散っていった
 ウイスキーの琥珀に酔った天地に

 男と女が愛し合い
 いつの日か又
 他人の様にそっけなく
 だが にこやかにすれ違う
 それが何なのだろう

 ふと逢った人 ....
 閉じたビニール傘から飛び散る
 雨滴
 会社の広大な敷地内を車と自転車が往来する
 東の正門で守衛室に社員証を提示しても
 配属先の建屋へは延々と
 アーケードの歩道を歩き続ける
 
 ....
 急な傾斜の小径をのぼり切れば
 大きな旧居の横手に広がる
 段々畑が見えてくる

 金網のフェンス越し、
 至近距離で咲いているアザミへ
 iPadのカメラを向けてみる
 うつし世の碧 ....
 
 鈍色の民家の瓦と重なって見えた
 黒味帯びる朱をのこすだけの
 散り落ちぬ大輪のバラ

 秋立つ日
 貴女はうつむいて想いに耽り
 天蓋の星たちが数回瞬く間の短い夜を
 すごして ....
 小さく硬ばった花片を
 朝風に震わせる白菊が霜に打たれて
 紫色にうち伏した
 
 昨夜
 把えられないあなたの
 おぼろな姿が身近く訪れた
 手を差し伸べて
 髪を撫でようとすると ....
 小顔で整ったお顔立ち
 吸い込まれてしまいそうなブルーの瞳
 それは友人宅を訪問した日、
 初対面だった彼女

 リビングテーブルの空いた椅子で
 貴婦人の如くポーズをとり
 私たちの ....
 
 夜のしじまに浮かんでいる
 朧月の
 のどやかな微笑
 
 (お疲れさまでした)
 あなたからスマホへ届く
 おやすみなさいの短いメッセージ  
 いちにちの流動の
 しずかさ ....
 
 肌にヒリヒリとした
 痛みこそ忘れ去られた闇は
 東の、明けきらぬ雲の幕に覆われている

 耳にのこるICUの輸液ポンプのモータ音
 蛍光灯で煌々と照らされる空間は
 ただ白っぽく ....
 
 氷鳴る
 グラスの縁に刺さっている
 大きめなカットレモン
 摘み上げて絞れば
 目にもこまやかに射しこんでくる
 濃度を増す酸っぱさ

 其処は尾道の坂の途中にある喫茶店
  ....
 京都三条大橋の側にあった
 六階建の大きな旅館
 非常階段の踊り場から見下ろす
 起き抜けの街の静けさが好きだった

 あの頃は赤のマールボロを一日半箱吸っていた

 廊下の重い鉄扉が ....
 西陽とたわむれる
 噴水の水の音は
 子どものようにまるくなってかけまわり
 わたしへ小さく手を振って
 「またね」
 …… 、

 鈴懸の樹が葉を落とす風に鎮もる

 涼風にのっ ....
 遠くにいるあなた
 遠くにいても
 息づかいを感じる程には一緒に居ない
 あこがれのような
 かなしみのような
 その境目で
 私が寂しがっていようなどとは
 思っていないかも知れない ....
 
 窓の外は雨あがりの道端に
 もう夏が振り向きもせず
 透けた背中をみせている

 昨晩干した洗濯物の柔軟剤が香る室内で
 好きな音楽を聴きながら
 刻み始めるキャベツ

 レッ ....
 昨日の夕方
 毛虫が落っこちてきたら嫌だなと思って
 茂る枝の下を避けて立ち
 青信号を待った 
 公園の桜の木

 毎年春に花雲を愛でて
 木は すっかり街中で溶け込んだ住人
 だ ....
 
 パサパサの餌をたべて
 噛み砕けども詩にはならず

 烏輪の光を受ける郷も今宵、雲裏から出ぬ草はらで
 落ちてるひらがなを拾いあつめて
 ぴん とお耳を立ててみる
 霧が匂う
 隠された風景の先を見ている
 霧はたえず
 その気配でただようしかなく
 歩み出れば崖っぷちに咲く野の花の細い茎を
 つかむような愛ならば

 もはや私に 
 緑なき ....
 雲よりも
 高いところの虚ろな光
 欠けた兎影に 目を凝らす
 背後で、製紙工場の正門から細い通りへ出る
 大型トラックのタイヤが路面に擦れる

 緑色の金網が張られたフェンス越しに ....
 午後の熱にうだる 
 れんが道
 口から舌を出したまま
 首をうなだれる小さな犬を抱く
 中年の女性とすれ違う

 植え込みには等間隔で咲く
 枯れ色になったミニヒマワリ
 まちは夢 ....
 衣装ケースの底に今も蔵って有る
 レトログリーンに白ドット柄の
 スカート付き水着

 もう 着れる歳でなくなってからも
 ずっと処分せずにいた
 これが一枚の写真の様だから

 眩 ....
 
 クスノキのそば
 芒漠としたまひるまの陽光に
 蝉の ヒビキ

 離れて住まう年老いた父の声が、
 聞きたくなって
 
 
 冷蔵庫から取り出した
 ガラス小鉢の紅茶ゼリー
 ノンシュガーのルベウスに
 ちょっと多めにのせる生クリーム

 リビングには尖った葉を上向きに茂らせる
 アンスリウムが、柘榴石のような ....
 岬に立つと
 陽の輝きが急に増す
 気がつけば波間に閃めく舟も
 ずいぶん遠かった

 入道雲のわき立っている水平線 
 みづ色の{ルビ礫=こいし}のように光る舟のそばで
 一羽のかも ....
atsuchan69さんのリリーさんおすすめリスト(223)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬の垣根- リリー自由詩4*24-12-5
吐息- リリー自由詩6*24-12-4
刃物- リリー自由詩11*24-12-1
プロフィール- リリー自由詩9*24-11-29
女の湾- リリー自由詩5*24-11-26
北窓- リリー自由詩9*24-11-23
廃ガラス- リリー自由詩5*24-11-21
- リリー自由詩7*24-11-18
女よ- リリー自由詩5*24-11-13
赦されて__- リリー自由詩10*24-11-9
秋あざみ- リリー自由詩8*24-11-4
落日- リリー自由詩6*24-11-2
白菊- リリー自由詩5*24-10-24
シーちゃん- リリー自由詩7*24-10-21
夜しずかに- リリー自由詩5*24-10-19
Heart_beat- リリー自由詩7*24-10-13
レモンスカッシュ- リリー自由詩5*24-10-12
喫煙所- リリー自由詩12*24-10-8
秋うらら- リリー自由詩9*24-10-6
零時- リリー自由詩7*24-10-2
The__Holiday_- リリー自由詩10*24-9-29
帰り路- リリー自由詩6*24-9-28
五行歌_うさぎ- リリー自由詩7*24-9-23
Reason- リリー自由詩13*24-9-20
炎昼- リリー自由詩12*24-9-17
雪の幻- リリー自由詩6*24-8-10
波の思い出- リリー自由詩8*24-8-4
五行歌_一首「烈夏のこえ」- リリー自由詩6*24-7-31
灼夏のいろ- リリー自由詩11*24-7-30
みづ色の舟- リリー自由詩6*24-7-26

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