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雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です

星を頼りに渡る鳥は ....
雪霧の向こう、鳥取放牧場で
三連風車のまわる気配がしている
でも、それは僕の呼吸とは関係ない

せかいを信じるためには
僕は小さすぎて、小さすぎる世界に
食われた鳩の羽毛のような
雪 ....
そらを切り取る限界線
雲のはじまりとおわり
みえていることだけが
ほんとうのように
ほんとうのような青空

バックライトで透過され
綺麗なレースがひかれ
いくつもの鍵で守られ
夜に自 ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで

  ラッシュアワーに平気で押しのける
  普通に見 ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける

  焚き ....
出口だらけの迷路で
みんな迷子です
終電が出発したら
それでも全部、扉を閉ざして

新宿駅の外観を知りません
面影すら忘れてしまったひとの
忘れもしない言葉
普通でいるために、目を閉じ ....
   波の音が誰かの悪口に聞こえるなら
   わたしはもうダメだろうね
   そのむこうにあるうねりを聞かなければ
   わたしはもうダメだろうね

河口の土手でススキが揺れているのを見ると ....
空に平行線をさがしてみます
飛行機雲も虹も
いつか山の端と交差して
対角は等しいのです
さっき雲の切れ目から
幾筋もの平行線がさしていましたが
やはり水平線と交差して
錯角は等しいの ....
押し入れの奥からスパイセット
何十年も忘れていた宝物
指先から煙を出したり
会員バッチがあったり
どこがスパイなんだか

水に消える紙に
鉛筆で名前が書かれていた
小学校2年で引っ越す ....
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて

空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
海から流れてくる雲を
ぼんやりとながめていると
失われた呪文を思い出します
焼き締めた土人形を
たたき割るときに
病んだひとの名を呟く
あの、呪文

  鳥取の冬空は
  ほんとうの ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
(暗い、くらいと
 ペットボトルを噛みつぶす響き)

クリック感の強い部分を
組み合わせて伝えようとする
瞬く、赤い
待機電灯の暗がりで
水槽のような
窓に浮かび上がるのは
存在 ....
月を遠ざけるものを捜して
迷い込んだ森

薄紙で封印された
わたしを引き裂いて
生まれてくるものがある
皮膚がわたしを押さえつけていた
だから、だ

破りとられて流し続ける
温かい ....
携帯電話を右手に持って
駅に向かってる

携帯電話をズボンの左ポケットに入れて
噴水の横で待っている

ストラップを短く持って
くるくる回してみたりする
居心地が悪いね今日は
ど ....
今夜の月は
半分しかないのに
風力発電の三枚羽根に
砕かれている
居場所がなくて
ぐるぐると、さまようものも
照らし出されれば美しいのだろう
今日も祈っている

風車越しに月を掴もう ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ

小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。

消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが

どうして
美しくないと
思っていたのだろう

  みんなの中に居るか
  「だれ ....
  かなしくてもしあわせでも
  かぜはいつかあめになってしまう

僕の知らないところでも
発電風車をすり抜け
ロウソク工場の煙をながし
ビルの隙間で口笛を響かせ
千切れた段ボールを蹴飛 ....
鏡で色を盗むと
空は気圏のように薄らいでいく
ひかりだけで染められたセロファン
退色した虹がいろどる夜
沈黙ではない静かな
月光の耳鳴り

声は聞こえるものだろうか
それとも伝えるもの ....
本当はあなたが生まれたときに
おめでとうと言いたかった
私の知らないあなたの時間に
こんなにも嫉妬しながら

また季節を一巡りして
出会えた感謝を伝えたい
公園のブランコの影がのびて
 ....
行き先も知らない船から
紙テープを投げて
わたしは今日、生まれよう
別れを告げるために投げるのではなく
離れるために切れるのでもない
風に大きなループを描き
旅立つために

    ....
歯ぎしりをしながら
指先に体重を預ける
命綱もつけずに
会いに行く、クライム

すこし、愛することのよう
好きとかって感情じゃなく
歯ぎしりをしながら
名前も呼ばずに

後悔しない ....
さかなになって
星を見つめる夢を見る
波打つ界面のもっと上に
潜る深海を見る

手をのばすと
満たされない世界を掴む
息苦しい自由と屈折率
さかなのうちゅうに
虹はない

夜 ....
木漏れ日を、流星だと言う
夜空だけのものではないよと
青空に引く、軌跡を追い
それはいつのまにか笑顔に重なる

視線
漏れ出した輝きは燃え尽きる星じゃない
鍵盤を叩いたときにできる段差が ....
世界が生まれて消えるまで
それをはかる時ならばいらない
、どこまでいっても自分
それを刻む鼓動の美しい機械に

     {ルビ内燃機関=エンジン}
    {ルビ回転速度計=タコメーター ....
楽器を操る人から
音楽が聞こえてくる
ジャンルを語る人から
うたが聞こえない
欲しいものはなにかの名前
なんかじゃない

   百科事典が世界を壊していく
   たとえば民族
    ....
弾けもしないのに
ギターを手に入れたのは
歌いたかったわけじゃない
きりりと張られた弦を
掻き切りたかっただけ

切る、
鋭く傷つくだろう
僕たちは

   その境界はほんとうです ....
atsuchan69さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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いちばん遠い朝- たりぽん ...自由詩7*08-12-30
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
雨は名前をくれない- たりぽん ...自由詩12*08-12-16
駅・新宿- たりぽん ...自由詩6+*08-12-11
遠く、さがしにいくと- たりぽん ...自由詩8*08-12-8
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あの街についたら- たりぽん ...自由詩6*08-11-26
土偶- たりぽん ...自由詩8*08-11-20
さかなのよる- たりぽん ...自由詩32*08-11-15
橋、滝に続く小径で- たりぽん ...自由詩7*08-11-13
いらだつ祝日の、- たりぽん ...自由詩608-11-4
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まちあわせ- たりぽん ...自由詩608-10-12
胸の前で祈るように携帯を- たりぽん ...自由詩22*08-9-27
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ろうそくのための- たりぽん ...自由詩808-8-24
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クライム- たりぽん ...自由詩408-7-14
波打ちぎわで眠れない夜に- たりぽん ...自由詩708-6-29
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Tourbillon_Escapement- たりぽん ...自由詩7*08-6-18
あなたは分類、されてしまった- たりぽん ...自由詩16*08-6-8
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