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誰にも見ることのない深淵で
それは気づくこともない隠された場所で
寿命を終えた星の残骸を探すと言うことだ
望遠鏡をのぞくものには
とても美しく、そして寂しく思えても
それはとっても遠くにあっ ....
昨日は三川町の小料理屋で待っていました
結局、あなたは来られなかったけど
ずっと想っていられたその時間だけが
私に届けられた贈り物だったのだと
そう思うのです。

去ると決めたら懐かしくな ....
いまだに焼かれている
真夏の紫外線に焼かれている
皮膚を失ったその石積みが
角質化した褐色のコンクリートが
汗ばむのは
放射熱、反射光
白いテントで防げないその閃光に
遠く台風雲を浮かば ....
また夏が近づいて
文字だけになってしまったあいつが
梅雨が穿った水溜まりで
湿った革靴に弾かれる
激しく、なにかにあこがれて
そう信じて為すことの結末を嘘とはいわないけど
積乱雲越しの ....
いつかうみに流れつく
地下水を求める根のよう
暗闇の先に
冷たい潤いを求めても
指先、未完成のまま
そらに手を伸ばす枝
遠いひかりをからめて(雲に内緒で)
無性に全部、欠けてしまったら
 ....
雨や雪やもしくは火山灰
降り積もるものに閉ざされるとき
あおぞらに解き放たれた高層雲が眩しいとき
それら、数え切れない
ゆえに無限に近いものを見上げるとき
からだは静かな楽器になるのです
 ....
ちーちゃんの誕生日の朝
いつものように洗濯機のスイッチを入れる
昼前には電話をしよう
生まれてきたことをお祝いする日だ。


  ぽかんと夏空がおおいかぶさり
  蝉は式典に関係なく鳴き ....
密やかに正体を薄らげる
かすかな雲に七色のにじみ
月はいつもひとまかせで
美しい虹色の夜景を照らす
ネイルを数えるように
なにもかもを数える声
それらすべての合計は
生まれた数に等しい
 ....
あなたへ宛てた私の言葉は
文字になってしまったせいで
ひどく真ふたつに折られて
ポストの暗闇にゆだねられる

会えないひととの
こだまではかる、距離

夜半、玄関先の物音を待つ
 ....
寂しかった日のように
ひと晩で降り積もった雪が
きれいな景色だけを水銀灯に貼り付ける
夜明けすら凍らせようと
港では恐ろしいものが渦巻いている
(賀露の蟹漁船は眠りにつくころ)
わたしを捕 ....
夜明け前の街に出ようと
ドアを開けると
遠くでクラクションが
冷え切った空気をカサカサにします
なにかに溶けていく夢を
見終わる前に目覚めたようです
夜明け前の街に出ようと思ったのは
こ ....
口笛についての十箇条
という本を手に取る
森は今日も図書館だ
また迷い込んでしまう
薬研堀の夜景は夜飛ぶ鳥たち、の巣
漏れ出したようなかすかな星空よりも
営みの湿気をまとった森の夜光虫 ....
汗ばむいつもの朝
あの夏の積乱雲
輝く輪郭に隠された
いくつかの胸騒ぎ
終わるのでも始まるのでもない
そんなめまいだけの朝に
散りばめられた笑顔の
なんと残酷なことだろう
いらだつ夏は ....
静かに蒸発するためには
まず、皮膚を脱ぐことが必要らしい
触れることが楽しいのは
まだ溶け込むことを知らないから
お互いの、もっと内側に近いところで
それでもふれあっているだけの

傍に ....
散っていく桜の花びらが
冬の雨に運ばれて
道端の排水孔に吸い込まれ
川面にひとすじ
春の航路を開く

桜の花びらはそらを見上げて流れるのだろうか
それとも、みなそこを見つめてすすむのだろ ....
叶わなくてもけして
忘れられない
行方を失ったものばかり
歩道のコンクリートブロックに
しみこむ、缶コーヒーのこぼれた汚れ
途中で読みあきた文庫本にいくつも挟まれたしおりの
とどかない、そ ....
そこに左手を添えるために
アスファルトの途切れる場所を探している
私のからだを投げ出す場所は
小さなムシたちのわずかに湿った住処の
その上でありたい、そして
右腕が支えきれなくなった
 ....
真昼のソファーで目を閉じると
いつだったか、夜を待った日の
高原の風を思い出します
肩の高さほどの草むらを抜けて
尾根にむかう踏跡をたどり
軽く息を切らしながら
ずっと星に近いところにたど ....
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」

ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
つばめの描いた空の季節を
きりりとつま弾いた爪痕が
胸の奥で道程をたどってゆきます
命あるものの、ほのかな光が
湿った夏草の先で揺られています

  防波堤で砕ける波が
  どれほどのう ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで

湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って

生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
  この季節に居たくない夜
  どこか、向こうがわを見ようとする
  すべり台の天文台に寝そべって

どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
{引用=桜の咲く春が嫌いとつぶやいたひとの
手鏡に映したそら、霞のようにたなびく
僕は戦うだろうあなたのために
僕は祈るだろうみんなのために}

満開の花は汚れたあおを覆いつくして
春とい ....
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そん ....
電波時計のみっつの針が
ぐるぐるっと回り始めて
また今日が初期化されたね
いずれ始まる秒読みのために
まぶたのような夜を閉じるさ

  (じゅう、きゅう、はち)

朝のように目覚めれば ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
atsuchan69さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(65)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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