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つめたい万華鏡のまばたきが
角笛吹きの感傷を揺らし
梢のうへから、いやみな天使が
それを微笑つた。
琥珀いろの木洩れ陽と
昼下がりの回想が
共謀して、道化師を泣かせた。
腹立たし ....
春の水蒸気は何処に行つたのか
この空は{ルビ禊=みそ}ぎするものの色
永訣の色

地上は百色さんざめき
めざましくもゆたかである

いちめんの輝かしき生存
疾風は田園の暮色をよ ....
遠い話とほいはなし
ああそんなところだね
いまとなつては
大気は海の継子じみて
地中海色のタイルの
すました青磁のなかに透けてゐる
カラカラした浴場のなかで昼寝してたら
いつのまにやらお ....
{引用=   我が友、田中修子に}



時折西風が吹く
そして天使が笑ふ
するとさざ波が寄せ返し
沖を白い帆が行き過ぎる

砂に埋れた昨日の手紙を
まだ浅い春の陽ざしが淡く照らす ....
  静かさ


静かさ、といふ音があると思ひます。

秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。



{引用=(二〇一八年十一月八日)}



 ....
色画用紙をひろげて
影をうつす
木炭でなぞる
しばらく眺める
笑いがこみあげてくる
なんと へんなかたちなのだ
俺といふやつは
俺は笑つた
笑つて 笑つて
笑ひ尽くした
 ....
  けだもの


ひとの声がする

空がなく
土もない
紙の色の月がうすく照らす
このわづかな世界に

やさしく
神々しく
いつくしみ深く
ひとの声がする

《祈りなさい ....
  或る秋


切り取られた空が

造り酒屋の軒先にひつかかつて

はたはた ゆれてゐる

おかつぱの姉さんと

坊主頭の弟が

口をまんまるにして

それを見つ ....
atsuchan69さんの石村さんおすすめリスト(8)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
絵本_(旧作)- 石村自由詩5*23-10-1
訣れ_(旧作)- 石村自由詩10*23-9-27
裸足_(旧作)- 石村自由詩11*23-9-26
告別- 石村自由詩28*21-11-10
静かさ/窓/祈り- 石村自由詩23*18-11-25
少々早い辞世の歌- 石村自由詩17*18-11-6
けだもの・部屋- 石村自由詩29*18-10-29
或る秋・連絡船- 石村自由詩20*18-10-6

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