再生
影法師

白い街に灰が積り
君の姿を見失ってしまった

壊れた棚の中にある
透明な器に君が映り

追いかけても追いかけても
君には追いつけない


息を切らせて顔をあげると

鏡に映った君が笑い
「もう来ないで」と
冷たい言葉を吐いて消えてしまった


街の真ん中に倒れ込む僕の体に
灰達は笑いながら積りに積って

僕は目を閉じる
闇の中に入る


目を開けると
いつもの汚い街に帰り
汚い街は白い雪に埋もれ
知らない世界になっていた


そういえば
今日で君がいなくなって1年だね

君に会いたいよ

そう思い
真っ赤な腕を見て
僕は雪の中に体を埋める


目を覚ますと
白い街に灰が積っていた

僕はまた君を探し始める



自由詩 再生 Copyright 影法師 2011-02-19 15:40:33
notebook Home 戻る