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あなたなど何処にもいないまぶしさの闇あびるとき微笑む真昼




いくつかの空のなかからひとつだけ溶けゆく青に造られし道




海と空むすぶ羽音の舞の輪に青の魚の名を ....
降りつもる首しめるよに降りつもる信じることのできぬしあわせ



ひとつまみふたつまみして倒れゆく小さな夜の集まりの塔



家の背にあふれはばたき打ち寄せる星に至る火 ....
しあわせに触れたら次はふしあわせお手玉の唄うなじ香らせ




あやとりの糸たぐるうちたどりつくふたつの胸のはざまのひかり




遠くをば見つめることすらでき ....
名を忘れ鴉にもらう夜明けかな



戸惑えど戸惑えどただつづく道



灰と種そのどちらにもなれぬ我



けだものに寄り添いて笑む夜風かな



終わりへ ....
雪原の風たぐり舞う銀髪にあるはずもない笑みを見ていた




くりかえし光の行方追いつづけ雪の背骨を駆けてゆく子ら




道に棲む{ルビ静寂=しじま}に映る水の笑 ....
離れてもなお離れ得ぬ漠鬼かな



つむる目にひとつこぼれるななかまど



つむる目の光のなかを去りゆく背



己れから己れあふれる獅子頭



さ ....
午後に吠え夜に己れの洞に哭く肉の{ルビ葛=かずら}に囚われし我




消えてゆくひとりの時間ゆうるりと道に{ルビ描=か}かれた雨音のよに




午後に墜ち静かに ....
羽が
風を巻いている
葉から 黒から
生まれてはもどり
消えかけた輪を空に置く


折れた枝
弓なりの雪
空へかがやき
問いを放ち
誰も恨まぬ応えを浴びる


 ....
わたしのふたつ
かくりとまわる
わたしにつもる



くちびるがおもいだされる
くちびるがおもいだされる
そのおくをもとめたくなる



とどまらぬ冬
とどま ....
埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月



三月を折りたたむたび曇の声



吐息から吐息へわたる二月かな



ざらざらと白さ一月うたいけり



紅い背を ....
父去りて夏去りて今日ほどく紐



熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘



涼やかな花には寄らぬ鳥と虫



触れるほど水はすばやく風深く



誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
菩提樹の上で交わるけだものの系譜の果てに立ち尽くす我



吼えるものただ自らに背くもの震えるけもの響くけだもの



膨れては刃のごとく雪を斬る寒さ忘るるための憎しみ
 ....
めざめては指に生まれし水かきで午後の終わりを泳ぎゆくひと



ゆきずりの他人の家の軒下に丸く在るもの季を唱うもの



届かない遠い川原に届かない指の軌跡の光あおいで
 ....
空あおぎ覗き込まれる月夜かな



くりかえし夜を描き足す爪の蒼



水に浮く石を踏む道帰り道



目の生えた指が私になじみゆく



耳だけが曇と ....
あたたかい寝まきです
でも
あたたかいふとんです
おかあさん
頭のほうが寒くて
しんとします


眠ったとたん 朝でした
お昼を食べたら
もう夕ごはん
ふしぎです ....
まぶたのかたち なぞるたび
まなこのかたち なぞるたび
くちびるはすこし かるくなる
くちびるはすこし おもくなる
くちびるはすこし ひらきゆく






 ....
閉じられた
まぶたのうえに
のせるくちびる


まぶたのかたち
まなこのかたち
たしかめながら


ひとりだけの あなたの
ひとつだけを
たしかめながら

 ....
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜



通りすぎまた通りすぎ唱は降る



手をかすめ消える笑みたち金のいろ



生と死を斜めに飾る毒の花



天と地の ....
霧雨が運ぶは遠い音ばかり



我が水の薄さに萎える羽虫かな



触れるたび遠去かる音日々の音



ゆらぐ道ゆらぐ光の水の声



水もとめ{ルビ背=せ ....
自転車に乗った風と花
ラジオの道を駆けてゆく
季節は今日も手のひらに
微笑む水を遊ばせてゆく
し と
くちびるに露をあて
朝の光を遅らせる
草の根元の幽かな揺れに
応える静かな笑みがある


雨の日
葉を持ち
あふれるうたの指揮をする
道のうた 流れに映るうた
 ....
壁の花から落ちた花びら
雀たちがついばんでいる
ふちどりを想う
くちすいを想う


かがやく魔
飛び去る影を見つめるもの
四方を壁に囲まれた
庭という名の底にうたう

 ....
布の風が樹々を伝い
夜の空を見つめている
蜘蛛のかたちをした声が
枝をめぐり すれちがい
会話ではない会話を残し
夜の空を昇りゆく


雲に映る歪んだ輪から
光と言葉の鳥 ....
目のかたち光ではない光かな



澄むことを望めば遠い光かな



澱み澄み澱み澄むこそ光かな



白ひとつ午後に置き去る光かな



めざめては ....
蝶を見た朝
森から森へ
子はひとり織る
銀の声


緑をつらぬく小さな音
つらぬかれた跡の揺れる音
つらぬいたものが緑に染まり
水の底から空を見る音


銀が重なり ....
曇りの幌につつまれ
ふたたび生まれ ふたたびねむる
陰に刺さり
縦にかがやき


空のろくろ
空のふいご
枝々を巻き
高く きしむ


ひかりが動き
動きがひかり ....
激しい雨の音のなか
あなたとわたしが
ふたりきりでいるのですから


あやとりもするでしょう
すごろくもするでしょう
しりとりもするでしょう


じゃんけんもするで ....
ふたしかな季節を
灰の午後のかけらを
染まるようで染まらずにとおりぬけ
雲を燃す火はぽつぽつと
河口の浪を照らし出す
割れた岸を砂は流れ
夜の虫の光のように
浪の下へと沈 ....
空に流れては消えてゆく歌
冬の鼓動に
白の盲目に
他者を知らない目の奥に
銀の花は降りてくる


光の時計の前に立ち
影をつくり
針を止めても
流れは止まらず
星 ....
森は沈む
銀の花に
残響に
緋の笑みに
秋を穿つ泥まみれの羽に
森は沈む



鏡の乗りものに映る青空
死が飾られた街の隙間に
冬の色の海が見える
その鳥はとどろき ....
石瀬琳々さんの木立 悟さんおすすめリスト(66)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬呼(青)- 木立 悟短歌907-2-27
夜未記- 木立 悟短歌807-2-16
冬戯- 木立 悟短歌1107-1-30
冬鴉- 木立 悟俳句907-1-30
冬業- 木立 悟短歌1907-1-23
冬応- 木立 悟俳句907-1-11
灯夜へ- 木立 悟短歌1406-12-30
午後の息- 木立 悟自由詩506-12-7
ノート(43Y.12・6)- 木立 悟未詩・独白406-12-7
ノート(二季)- 木立 悟俳句606-11-17
ノート(風にあれ)- 木立 悟俳句9*06-10-18
系譜- 木立 悟短歌706-10-16
夜__こがね- 木立 悟短歌706-10-12
帰り道- 木立 悟俳句406-10-9
わたせない手鏡- 木立 悟自由詩906-9-29
ノート(まなすい_Ⅱ)- 木立 悟未詩・独白106-9-16
ノート(まなすい)- 木立 悟未詩・独白406-9-16
宝石夜- 木立 悟俳句706-9-15
飛水記- 木立 悟俳句706-8-10
ノート(43Y.7・28)- 木立 悟未詩・独白506-8-4
_し- 木立 悟自由詩806-8-4
くちすい- 木立 悟自由詩706-7-8
ひびき_ひびき- 木立 悟自由詩1206-6-23
光かな- 木立 悟俳句506-6-20
銀衣の子- 木立 悟自由詩506-6-20
午後とめぐり- 木立 悟自由詩406-6-13
ノート(43Y.6・10)- 木立 悟未詩・独白406-6-10
銀花_Ⅲ- 木立 悟自由詩706-5-28
銀花_Ⅱ- 木立 悟自由詩406-5-28
銀花_Ⅰ- 木立 悟自由詩606-5-27

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