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風が光っている
それを
瞼の裏で感じて


われに五月を


犯罪的なほどに
短いスカートをはいた
女子高生の耳元で
一編の詩を
ささやいてみたい

気が合えば
ふたりで ....
光る波が
微細な振動を伝えて
共鳴する和音が
朦朧とした調和に導く
覚めてゆく鼓動
光る波が
見渡す限りの一面に反響して
どこか遠くで死んだ音が
今ここで終わり
どこか遠くで生まれた ....
(いつだったかよく覚えていないけど
 まだ寒い季節のこと)

シャッターの下りた商店街を
手を繋いで歩いたね
ふたり

(生ビール×5杯
 芋焼酎ロック×4杯)

酔っ払って
お ....
塔のてっぺんにある
暗い部屋の
すみっこで泣いてる

よくわからない機械の
リモコンを握り締めて
ずっと泣いてる

何かが壊れるときの音を
上手に真似できる
それがぼくの特技

 ....
不安定な水面のように
流れていくテールランプの赤を
ゆらゆらと滲ませる
十一月の濡れたアスファルト

落ちた花びらが流され
下水道に呑みこまれていく

この都市の中には
すでにどこに ....
カップの中の恐怖が
蒸発しきってしまうまで
西日の当たる窓辺に置いて
忘れた頃に覗いて見ることにする
ガラス越しのプリズムが
灰色の壁にいびつな虹を映す
シーツとタオルケットの隙間から
 ....
底なしの真っ黒な空に
銀色の鳩が
ゆっくりと堕ちてゆくよ

小さな子どもたちは
遠くに旅立つ準備を済ませ
みんなで手をつないで
風に向かって立っている

大人たちは
かすれた口笛を ....
明日の話をしよう
終わってしまった明日の話を
訪れることのない明日の話を

遠いところから
前触れもなく届いた報せが
ひとしずくの雨粒のように
涙の源泉に落ちる

昨日の話をしよう
 ....
道端に乗り捨てられたセダンの
埃の積もったボンネットに
おまえを押し倒して
やりたい

ここで

すぐそばを特急列車が走っていく
サンダーバード
轟音を上げて
飛ぶように

い ....

永遠に
閉じる日が来ても

耳は
絶対に閉じないでいて
わたしの声を
受け容れていて

肩越しに過ぎてゆく
景色の速さに
その
狂おしいほどの
純粋さでしがみついて

 ....
宇宙が
ほんとうにあるとして


その一番果てに
宇宙の端から端まである
途方もなく巨大な滝が
流れ落ちているとして


そんな
宇宙の果ての滝を想像しながら
いま
おれはカ ....
虹がミドリで怖い
茶色がミドリで怖い
喉の奥がミドリで怖い
目を瞑るとミドリで怖い
近所の肉屋がミドリで怖い
ドアを開けるとミドリで怖い
黒塗りのベンツがミドリで怖い
彼女の浮気の言訳が ....
あの人が
死んだ
という報せを聞いて

青い河を小さな舟で
ゆっくりと
ゆったりと
流されるよに下ってゆく
あの人の姿が目に浮かんだ

櫂もなく
舵もなく
しかし
流れに
 ....
蝉の声降り注ぐ非常階段で
噛み千切るみたいにして

きっと
これでもう最後だから

甘い汗の匂いも
舌に残る塩辛い苦さも
肺から洩れる吐息も
腰を掴む指の強さも
腿の内側を撫でる風 ....
真昼の沖に浮かべた
大きな蓮の葉のうえで
みんなが寄り添って眠る

母のない子も
子のない母も
夢を見ることのない
安らかな眠りの底で
みんなが寄り添いあって眠る

涙よりもやさし ....
目を瞑る

暗闇のなかで目を瞑る

どこか遠い場所で
点と点を結ぶように
だれかとだれかの
唇と唇がゆっくりと触れあうと
それを合図に違うだれかが再生ボタンを押す

暗闇のなかに
 ....
ゆっくりとひらいてゆく 瞳の奥にある泉
深い水色の かなしみに似た 透明な水
ちいさな しかし 底の見えない泉

そのほとりで 小鳥たちは さえずります
悲鳴のような声で 切り裂くように
 ....
夕暮れの近づく音がするので
ポッキーを食べながらベランダに出てみたら
銀色の機体に夕日を反射させながら
巨大な鯉みたいな旅客機が
山の向こうにふわふわと飛んでいくのが見えた


あの山の ....
そう そこに意味はないんだよ

ソーダの泡 はじけて

いつか 消えてしまうように

あるがままに あり

消えるがままに 消えていく

だから 光 とろけるように

のみこん ....
乾いた枝を踏んで
分け入ってゆく

ひとり
黒い森へ

木漏れ日と見まごうほど
雨のよに降り注ぐ見知らぬ星座

足元の影
黒々と

獣の踏みならしたあとを
なぞってゆく

 ....
セブンスター


今夜はもう
誰の書いた詩も読みたくはないんだ


ピース


おれ自身が書いた詩さえも
読む気がしない
これって
どうかしてるかもしれないな


セブ ....
12月29日
今年最後の出勤の朝
玄関で飼い犬を抱きしめてやると
不思議そうな顔をして
それから頬を舐めてきた

ぬくもりというのは
無条件に愛しいもので
一度味わってしまうと
決し ....
昨日の夜はカレーを作って
玉ねぎをとてもたくさんみじん切りにしたから
左手が玉ねぎくさいんだ

この玉ねぎくさい左手で
きみの頬にやさしく触れてみたい

この玉ねぎくさい左手で
きみの ....
トミノ、
トミノ、
かわいいトミノ。
おまえの眼玉の裏側の
冷たい炎の燃えさかる
ちいさな地獄の真ん中で、
真っ朱な花がただ一輪
いまゆっくりと綻んだ。
トミノ、
トミノ、
かわい ....
黒犬が冬連れて来る稲光


落武者とロボット深夜感電死


君緩めるなかれスピード!スピード!


落ちてゆく背骨を走る重低音


手裏剣の尖ったところで指を切る


海 ....
ここ

からはじまって

そこ

に辿りつくまでの

永遠のような
一瞬

瞬きひとつよりも
ずっと短く
宇宙の歴史よりも
はるかに長い

ここ

からはじまって
 ....
E線の震え鳥肌一人の夜


水たまり鳩の屍骸の燃える音


朝焼けの重い銀色2号線


街路樹に木っ端微塵のメルセデス


これも毒あれもまた毒グミキャンディ


青 ....
どこか遠くの
名もない寒村の廃屋で
最後の詩人が
おしまいの言葉を
震える手で書き記そうとしている

彼の思考の荒野を
舐めるように滑っては消えてゆく
文字列

この世界の
あら ....
ちぎれ飛んでゆく

ちぎれ飛んでゆく
それぞれの痛みを

誰もがみな
語りうる限りの言葉を使って
それぞれがぶっ放しあう

あらゆる方法を試みたところで
結局は
痛みを分かち合う ....
夕方。

昼過ぎから降り続いた雨は思い出したように止み
濡れたアスファルトに朝日のような夕日が射すと、
ちょっとくたびれた世界は
透きとおった群青色と鮮やかなオレンジ色の輝きで覆われる。
 ....
石瀬琳々さんの大覚アキラさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
われに五月を- 大覚アキ ...自由詩1108-4-14
交感- 大覚アキ ...自由詩208-2-19
目をつぶるよりもかんたんな方法で- 大覚アキ ...自由詩308-2-8
詩亡遊戯- 大覚アキ ...自由詩608-1-23
レイン- 大覚アキ ...自由詩407-11-6
プレイ- 大覚アキ ...自由詩507-10-31
おやすみ- 大覚アキ ...自由詩5*07-10-5
regret- 大覚アキ ...未詩・独白407-8-27
サンダーバード- 大覚アキ ...自由詩207-8-2
pledge- 大覚アキ ...自由詩12*07-7-18
スペース・ヌードル- 大覚アキ ...自由詩507-7-9
ミドリ- 大覚アキ ...自由詩14*07-6-28
青い河- 大覚アキ ...自由詩2*07-6-11
おっぱい- 大覚アキ ...自由詩3*07-6-7
ひかりかがやく涎の海をこえて- 大覚アキ ...自由詩407-5-15
流れるままに- 大覚アキ ...自由詩307-4-27
spring- 大覚アキ ...自由詩307-4-10
カスミちゃん- 大覚アキ ...自由詩507-4-5
- 大覚アキ ...自由詩7*07-4-3
黒い森- 大覚アキ ...自由詩307-2-28
☆☆☆☆☆☆☆- 大覚アキ ...自由詩1007-1-31
遠いぬくもりを思い描きながら12月の空の下をゆく- 大覚アキ ...自由詩506-12-29
玉ねぎ畑でつかまえて- 大覚アキ ...自由詩4*06-12-11
トミノ- 大覚アキ ...自由詩606-11-29
ヘヴィメタリリック・2- 大覚アキ ...俳句506-11-24
永遠のうたたね- 大覚アキ ...自由詩506-11-17
ヘヴィメタリリック- 大覚アキ ...俳句806-11-15
beyond_the_words- 大覚アキ ...自由詩806-11-8
ちぎれ飛んでゆく- 大覚アキ ...未詩・独白506-10-18
表面張力- 大覚アキ ...自由詩706-10-12

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