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恋はもう忘れました
涙はもう忘れました
夕暮れ 野辺にぽっちりと
紅く咲く花は火を燃したようで
その火に触れたら焼かれてしまう
心も指先も あの日の記憶もすべて
恋は忘れました
....
海に来て月の遺骸を{ルビ面=も}に浮かべ
白貝割りて指先を切る
貝やぐら沖に燃え立ち{ルビ蒼蒼=そうそう}と
胸に巣食うは十三夜月
月葬に送り遣るのは{ルビ鸚鵡 ....
やがて
夕闇に閉ざされる海の
光る航跡を追いかけて
白い波間に漂う一人ぼっち
私の貝殻は声もなく
草合歓の葉陰から
かすかにもえる月を見た
藍青の波間にひかるものは
あれは はるかな昔
指から落ちた曹長石のかけら
青みをおびた涙の石の粒
もしも
月の淵から水音がしても
蠍が ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽
まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年
肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき
花火あがる綿菓 ....
さびしくなったら
花咲く野辺へゆこう
ごらん
{ルビ凌霄花=のうぜんかつら}に蝶がぶらさがる
通り雨がきらきら光り
僕の目に髪に肩に降りかかる
誰もいない薔薇園にひとり
堅く閉ざされた空を見つめていた
傘もささずに僕は
風に心をさらされたまま
果たされなかった約束は
いま ....
白い雲青らむ渚描いてく
心の色は自由自在
砂浜に続く足あと追いかける
麦わら帽子風のステップ
海の色変えてゆくまに一瞬の
楽章を見る{ルビ波濤=はとう ....
夏の野は風の{ルビ恋歌=マドリガル}
花摘みの少女は一心に
草のまにまに漂っていた
白い花ひとつ{ルビ挿頭=かざし}にして
赤い裳裾をしめらせながら
濃厚な夏の匂いがたちこめる
姫百合の花 ....
紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために
真珠とり
真珠とり
....
切ないものは
この胸の痛み
今朝一番に見た
青い空
Rin Kさんの石瀬琳々さんおすすめリスト
(41)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
恋忘れ草
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石瀬琳々
自由詩
12*
06-8-4
月葬
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石瀬琳々
短歌
18*
06-8-2
渚にて
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石瀬琳々
自由詩
18*
06-7-26
緑の月
-
石瀬琳々
自由詩
17*
06-7-24
【短歌祭参加作品】半裸少年
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石瀬琳々
短歌
24*
06-7-21
夏
-
石瀬琳々
自由詩
9*
06-7-18
恋の名残りに
-
石瀬琳々
自由詩
7*
06-7-13
海の画帳
-
石瀬琳々
短歌
9*
06-7-4
姫百合野
-
石瀬琳々
自由詩
12*
06-6-30
真珠とり
-
石瀬琳々
自由詩
15*
06-6-23
切ないものは
-
石瀬琳々
自由詩
6*
06-5-12
1
2
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