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祈りとは
神に語りかけること
畏怖と親愛と
そう相容れない想いが
ひとところにあるもの
空が砕かれて鳩が羽ばたくように
割れんばかりの祝福をください
もし私にその価値があるなら
そ ....
気になる
気にする
木になる
木にする
おなじ「キ」なのに、「木にする」はおかしい
何を木にするのだろう
あの人を木にすると魔法使い
ぼくが木になるとお友だち
知らない ....
本当はセリカがよかった
が、人気車には、やはり手が届かなくて
中古車屋のおやじに勧められるまま
同じエンジンだというコロナにした
家に帰ってよく見ると
左のドアが少しへこんでいた
―― ....
ぼくは詩を書きたい
生きとし生けるものの声
それは生物だけではない
今日もまた
朝の散歩をしていると
鼓動に出会いました
それは吹く風の音
または川のせせらぎの流れ
....
思い出だけで終わらないために
日々は刻まれて
小さく、はらりと落ちていきそうなものが
私の中で対流している
一番最後の麦藁帽子が
夏の見える丘の、少し西の辺りを
沈んでいった日のことを ....
コントラバスは 宇宙からできている
共鳴胴は スプルースやメイプルなど森の木々から、
弓は 草原を走る馬の尾の毛から
成り立っていて、
弓に琥珀色の松脂を塗り 弦に滑らせることによって ....
無言のまま階段を上がる
放課後。
誰もいない校舎でひっそりと息をしてる僕ら
先生が来るといけないから、と
なるべく音をたてないように
階段を一段一段
手だけを繋いで
まるで心臓がそこ ....
#01
心臓が
とまっちゃうほど
うれしい
なんて
恥ずかしくって
心臓が
とまりそうだよ
#02
いつかはこの魔法が
解けると思ったら
....
ぼくは詩を書きたい
自分の過去が幼く拙く思うのは
自分が成長しているからである
今日もまた
朝の散歩をしていると
小鳥に出会いました
まだ幼い
飛び立とうとするも
飛ぶ ....
ここ数日波がない
今朝も七時前に降りて
朝焼けをちょうど見逃したぐらいだったが
水平線は透明で
空も海もやさしい
海辺のディスコの
アフロのカマレラがモップかけてるが
その動作もやさしい ....
夏の気配と湿気とが
充満するこの部屋で、
私は思う
六月は麻痺している、と。
ベッドの上で横になっていると、
爪先や指先や腹筋、
恥骨までもが渇いた息吹に
やられてしまう。
どうしよう ....
暗い人をみたら
いつも尊敬しなさい。
父さんはいつもそう言っていた。
南の島へライオンを助けにいったきり、
かえってこなかった父さん。
明るい人がぼくは好きだ。
明るい人はなんてすてき ....
中央病院の受付は今日も患者で溢れていた
松葉杖をつく若者 車椅子の老婆 妊婦 マスクをした中年・・・
街にはスーツを着て歩く人
キャンパスの木陰でひとり{ルビ俯=うつむ}いて立つ学生 ....
ぼくは詩を書きたい
たとえ小さなことであろとも
たとえ汚れた心があろうとも
今日があれば
明日は必ず来る
今日もまた
朝の散歩をしていると
汚れた石に出会いました
土ま ....
京都市立博物舘に
大絵巻展を彼女と見にいった
大盛況だ
2時間待ちだと聞いて止めることにした
暑い日中
初夏の日差し
休日の昼
バスに乗って四条にまで行った
....
石垣に肩を預けて戯れは
我が身を石に初夏の景色に
それは‥
季節で言えば
今頃の
濃さを増す
木々の緑も鮮やかに
天気で言えば
曇天とも
雨天とも
言えるような
....
*
いつまでも、
溶けそうにない
って、 思えてくるの。
この雪の 白い場所で
あなたは ぼくを。
大きな瞳の奥には、
雪の風景、と
ぼくたちが、
マッチングせ ....
男が
美しいものだという事を 知った
骨ばった手も
厚い胸も
大きな足も
上着のポケットに突っこんだ手
そのときの肩から背中が
恋人を待って人混みの中を探す視線
そのときの首すじが ....
目が覚めれば
病院と呼ばれる場所に寝ていて
(それでも私は他の人と話すことも許されない部屋の中で)
一番初めに想ったことといえば
あなたに電話しなきゃ
ということで、それはもう叶わない部屋の ....
夏にまだ
無防備な肌を
焦がして太陽は
隆起する分厚い雲に
たちまち覆われた
焼けたアスファルトに
水玉の模様を描き始めた
大粒の雨
それもまた
激しさを持て余し
にわかの ....
わたしとおっぱいと
いったいどっちが大事なのよ
って
きみに問い詰められて
じっくり考えてみたんだよ
ぼくがきみと手を繋いでいられない時も
きっときみの傍らには
その手を繋いでく ....
もっと言葉に まみれよう
ぼくらは いのちが
水から うまれた道を
混沌と清純をつらぬいて
原初の呼吸まで さかのぼる魚です
真夜中に
しろくまくんを食べました
しろくまくんは
練乳アイス
凍ったパインものってます
凍ったみかんものってます
真夜中
食べたしろくまくんで
すっかり身体が冷えました
ただ
....
すべてのたましいが
リンになって
夜を燃える
海は
黒く世界を閉じて
ちゃぽん
何処かで魚が跳ねる
私
泳げないから
たぶん沈んじゃいます
ずぶずぶ、って
そういって ....
ヒトラーの「わが闘争」を
いつもポケットに入れていた
まるでサリンジャーの小説の
脇役のようなH君から
十二年ぶりに電話がきたのは
二年まえのことだった
十二年前H君は中国人の留学生に ....
「狐つき」
こん と ないてはなりませぬ
こえをあげては なりませぬ
とられたくない だいじなものは
かくしておかねば なりませぬ
くらいよみちは こわいけど
ふきさすかぜは つら ....
ぼくは詩を書きたい
自分の創作は
自分が作るもの以上でもなければ
自分が作る以下のものでもない
今日もまた
朝の散歩をしていると
画家に出会いました
いつも綺麗な風景画を ....
矢車草が咲いた
どこに行くのか
よく判らない
この道の辺に咲いた
青い小さな草は
私の歩みにしたがって
くるくると
風を孕んで
ゆらゆらとゆれる
お前の白い太腿は
この
....
今夜 私には
逢いにゆく人がいない
孤独な夜の散歩者は
アスファルトに響く雨唄と
ビニール傘に滴る雨垂れの
二重奏に身を浸しながら
果て無い雨の夜道を{ルビ彷徨=さまよ}う ....
この空間を
時間が静かな音をたてて
崩れていく
なにもない
なにもない
僕は身体が空になり
想念だけの存在になる
ただ想うのは
月を追いかけること ....
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