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人を信じるなんてのはねぇ
まったく歯軋りするような喜劇よ
信じたら信じた分だけ
裏切られ搾り取られ見世物にされて殺されて
ええま ....
からからと鳴る空人形(カラニンギョウ)
血も、肉も、作り上げられなかったから
冷えた血の塊だけが、内側で響いて
からからと鳴る空人形
心臓も、眼差しも、与えられはしなかった ....
ほつれた糸はよるをゆく
いつか
余裕をうしなえば
たやすく降られてしまうから
どの肩も
つかれつかれて
しなだれてしまう
うらも
おもても
やわらかいのに
ひとつの ....
好きと言えたらいい
人も、自分も、現実もみんな
息を吸うように
息を吐くように
好きと
理想論ばかり捏ねても
この世界はきっと
誰も愛してはくれないだろう ....
身長、体重、性格、なにもかも違う人間ではあるけれど
人間が好きな人間でいたいね
文化、歴史、背景、なかなか分かり合えない人間ではあるけれど
人間が好き ....
ひとひらの思い出のカケラ
走馬灯のように右脳を走る
凍えてぬくもり求めて歩いた我が青春
過ちをするなとは言わないけど
繰り返さないこと
それこそ大事
絶え間なく続く命の鼓動
....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
闇に押し潰されて
ぺたんこのあたしと
黒猫いっぴき
三日月の下
『ねこ、ねこ』
ぺたんこのあたしはぺたんこの声
黒猫はにゃあと、
やけに現実でただいっぴき
おまえはあたしを愛し ....
僕らはみんな実は臆病で
まるでリスみたいだ
頬袋にたくさん幸せの種を
つめこんでいるのだけれど
人の悪口を一つ言うたびに
幸せの種を一つこぼしてしまう
そしてまた拾う
落 ....
仕事帰り
子猫一匹見つけた
ダンボールの中で凍えてた
子猫が僕に気づく
少しの間 一人と一匹は見つめあう
僕は手を差し出してみた
子猫が手をのせたと思ったら引っ掻かれた
子猫 ....
ちょっとでいいよね
ちょっと優しくしてもらえるだけで
それでいいよね
多くを求めちゃ欲求不満
幸せからは遠いよね
ちょっとでいいよね
ちょっと願いが叶うだけで
それ ....
太陽の当たらない裏庭の隅
名前も知らない花が
ひっそりと 咲いていた
「どうせすぐ枯れる」
その時 僕はそう思ったんだ
それから三日後
枯れているのを確かめに行ったのに
花はまだ 枯 ....
音を立てて 虹は崩れる
思い描いた理想が
心の弱さで 淡く消える
十字架は、貴方には背負えなかった
いつかの嘘は晒され
最後まで 隠せたなら、あるいは?
しかし背負えなかった十字架は
....
「心は繋がってる」なんて言われても
淋しさや 切なさや 胸の痛みは消えない
ホンマは あんたから逃げられへんように 繋がれてるんちゃうか?
逢いに来てくれない 触れてくれない 抱 ....
汚れた空気を吸い込んで
白く吐き出す
スーツを着た人たちは足早に
私を押しのけていく
こんなに人がいるのに孤独だよ
色を持たない水彩画のように
雨が。
数えてよ そのいくすじか
みつめてよ その息づかい
ふるふれ 雨の無表情
  
....
読みかけの雑誌を開いたまま あのひとが
透明なルリルになってしまった
笑みもそのまま ときめきもそのままに
ガラスのルリルになってしまった
うす青い 摩天楼の最上階
ここでは 音がこ ....
今日より、明日、明後日
舟が古びようと
櫂で水しぶきを描かずにいられない
来週より、来月、来年
からだの影が深まろうと
羅針盤の先を指差さずにいられない
蜃気楼を揺らして
永遠に届かない ....
ここ
からはじまって
そこ
に辿りつくまでの
永遠のような
一瞬
瞬きひとつよりも
ずっと短く
宇宙の歴史よりも
はるかに長い
ここ
からはじまって
....
陰影を それとも
明暗を、善悪を?
表すそれは すべからく
正反対? そう正反対
対照であり
しかし時に
それは混じりあい
グレースケールは、幻のように
コントラストで語り
....
一、
どうしますか、
白衣を纏った医師は無機質な言葉を落とした
無数のチューブで繋がれた身体
ベットの傍らで静かに音をたてる機械類
瞼を重く閉ざしたままのキミは
手を握っても握り返してきて ....
一人でいる寒い夜は
温かいミルクを飲みます
スプーンで雫を落とすと
ミルククラウンができるのですが
それがあまりに一瞬のことなので
私には何も見えません
あなたがそこに
いれくれ ....
お帰りなさい
心から待っていました
やっと帰ってきて
くれたのですね
あの人はもういません
赤い赤い波が押し寄せて
あの人は一瞬で
さらわれてしまったから
私はこの浜辺に残 ....
あなたは
あなたが思うより
よく切れる刃物を持っている
あるいは
あなたが思うほどは
やさしい表現を持ちあわせていない
モノ、コト、ヒトを
なじっておとしめることは簡単
讃えて ....
右の瞼を落として閉じた世界を観る
正方形に区切られた場所で
時折触れる温かさに怯え
地球儀にバラバラの心を溶かした
過去
....
汚れた言葉
かき集めて
この夜空に
放てば
汚れた言葉
よく噛んで
お腹の中で
消化すれば
僕の赤い舌を
ちょこんとだして
横にいる悪魔ちゃんに
....
いつかの 最も遠い昨日
空は霞み
遠雷は鳴り
燃えている その姿まさに暁
生まれいずる声を聞け
ありふれた誕生の発音ではなく
境界線を取り払え
そのものに 触れようと思うなら
....
大都会
夜を歩くよ
根無し草
ふわりふわふわ
漂うように
煙草の煙は真っ青で
空の彼方に消えてった
大都会
川辺を歩くよ
根無し草
ゆるりゆるゆる
漂うように
街の明かりは ....
地球は回る
くるくる と
世界は回る
くるくる と
社会は回る
くるくる と
大勢が目を回す
ぐるぐる と
くるくる に
嫌気がさして
ぐるぐる に
疲れ果て
なぜだか ....
色づいて 時は過ぎる
美しく この日ノ本は在れ
春は風のうちに花が咲き
夏は夜 空にうつろう光が儚く
秋は空の色を渡り鳥と眺め
冬は雪の下 種と共に待つ
生命はかたちを変え
ゆる ....
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