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ぼくはまた、
何も生せなくて水を求めるばかりか。

 水をください、舟を洗うから ぼくが
 飲むのではありません。ぼくは
 ほとんど飲まない。
 砂漠で生まれたからです。


    ....
しとしと
 しとしと

あめのなか
 めをとじて
  ことばをつむぐ

あなたの
 ことばは
  ひかりと
   やみをうむ

さむざむと
 みるてれび
  どこかにいたい ....
雪をひとすくいすると
そこには
南のきみたちの
あこがれが埋まっていた
冷たいぼくの手と
冷たくないきみの手

(手袋あげようか)
(いいよ、雪があたたかいから)

雪があたたかい ....
詩を読むようになってから
詩を書くようになりました

詩を書くようになってから
詩をもっと読むようになりました

詩をもっと読むようになって
愛が深まった気がします

でもわたしは丸 ....
渡し場で舟を待つ。
遠くから響く風に耳を遣ると
今しがた現れた
言葉がみんな消えてしまった。

残念なことだ、
水面の紋でさえ
こんなに早くは消えない。

渡し場に佇む。
風に運ば ....
いつもさいしょでさいごに
いまここにいる、

小石の投げこまれた池のように
よどんだ
時。わたし。

そうして飛び出した
時と時とをわたすはしごを
少しも休まずにわたる、
いつも時 ....
ウロボロス、

光のなか、虚の時間、
あなたたちは2匹ずつ笑って
互いの尾を噛み
楕円となって回り続ける
生成と消滅がくりかえされるそこで
それは生まれた
衣を破って
なにもないとこ ....
遠くに来ている。雨が降ってきた。
ぼくは黒い綿のパーカーを羽織って
霧雨の中を行く。
ふと見ると、砂粒のような、でも
うるおいのある水の粒が
からだいっぱいについている。
ぼくは水の粒をい ....
結婚指輪をなくした女に会った。
子どもがどうしても貸してほしいというので
貸したらなくされたのだという。

青い砂が、風に少しさらわれていった。

女は忙しいのだという、
子どもが騒ぐと ....
男の子は今のうちよ
ちょっと大きくなったら
なかなか話もしてくれないの
うんと大きくなった今は優しいけどね
うちの子にもこんな時期があったんだわ

なくした宝を
手の届かない場所に見つけ ....
沈んでた黄色い潜水艦で
深海魚が宇宙旅行に挑戦
マリンスノーに逆らって
ゆっくりとそらに向かう
ああ
こんなにまぶしい世界は初めて
体が軽くて
見知らぬ生きものがたくさん
ついに大気圏 ....
あなた方の先祖は
地図も持たずにこの地にやってきた
古老は語る
女王に出会った古老の声は
氷に響き
すべてのものを永久に循環させる
無限を与えられたものは
氷に封じ込められる
なべを火 ....
ぼくはまた青い砂漠にすわって
アルデバランを見ていた。
遠い星は焦点からうまく逃れる


ぼくはあきらめて少し横を見る、すると
たちまち機嫌を直したアルデバランが
現れる。
子どもの ....
おうい諏訪の兄ちゃん
どうした飲みすぎか
あーあ だから若い奴ぁだめなんだ
おいおまえら
そんなに元気なら
神輿担いでこい
こらこんなとこで止まんなよ
いやいや今から出てくるって
お茶 ....
地球をおおう大木に生るひとつの実としてのわたしは

わたしは?

わたしは
何を言おうとしたの?

地球をおおう大木に生るひとつの実
とはつぶやかれたので脳に録音されていた
それより ....
土星をめぐる氷に乗って
電車の中吊り見るように
星々を眺める
あの青いのが地球だね
とあなたが指さした

氷の中に一匹の虫
琥珀に囚われたよう
土星に住んでたの
なぜここにいるの
 ....
雨がやまない。青い砂にしみこんでいく。砂
漠の雨は一滴ずつ降る。砂の青は一粒ずつ深
まるばかり。

雨粒は壷にもたまる、そして壷のなかで波に
なる。粒でもあり波でもある光の雨。ぼくは
壷を ....
あなたは私の胎から出て
次にはベビーベッドから
そして部屋から出た
いずれ
家から
町から
島から
国から
そしてついには世から出るとき
私はどこで
あなたを迎えるんだろう
掃除夫は掃除する
私は挨拶しない
掃除夫はいなかった
私はいなかった
私はどこにもいなかった
掃除夫もどこにもいなかった
私はしばらくして
掃除夫の存在を消してしまったことを恥じ
なん ....
水在らあらあさんの下門鮎子さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
光と水、林檎- 下門鮎子自由詩7*07-3-2
あめのこえ- 下門鮎子自由詩2*07-1-27
- 下門鮎子自由詩5*06-12-22
- 下門鮎子自由詩3*06-11-6
渡し場- 下門鮎子自由詩10*06-10-22
時のはしご- 下門鮎子自由詩5*06-9-28
ウロボロス- 下門鮎子自由詩8*06-9-24
- 下門鮎子自由詩5*06-9-13
風と指輪- 下門鮎子自由詩4*06-9-7
男の子- 下門鮎子自由詩3*06-8-30
深海魚の宇宙旅行- 下門鮎子自由詩2*06-8-26
循環- 下門鮎子自由詩2*06-8-23
アルデバラン- 下門鮎子自由詩4*06-8-18
神輿- 下門鮎子自由詩4*06-8-7
誰のどこの細胞だろう、これは?- 下門鮎子自由詩2+*06-7-22
地球投げ- 下門鮎子自由詩5*06-7-17
砂漠に雨が- 下門鮎子自由詩5*06-7-8
あなたは私の胎から出て- 下門鮎子未詩・独白2*06-7-7
いる- 下門鮎子自由詩5*06-6-30

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