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南から暖かい風が吹く
北欧のラベルがついたブルーベリージャムの瓶
中身は残り少ない
ジャムは雲のパンにつけて食べた
洗ったシーツがもう乾いている
エスカルゴ、お前から風が吹く。
かわいらしい風が。
それは兎の足あと
恋人の名前
花火を見つめる子供のかお
エスカルゴ、お前の足あとは銀色で細い。
そんなお前は雨を呼ぶ。
たどたどし ....
サキスフォンを右に
極楽鳥を左に
閉じ込めている
晴れた夏の午後開けば
波は歌い始める
私は・・・・・
の後の言葉は全て
嘘
水鳥が銀に光る小さな魚を捕まえて
飲み込んだ
ぴちぴちと跳ねるそれを
雲はまつげを伏せて
泣こうとしている
飲み込んだ言葉と
涙
....
君のふっくらした胸を
見つめてばかりいる僕を
咎めない
薔薇の棘からまるままにまかせる
ほそい手すりのように
僕は右手でぎこちない
手で君の胸を
見つめてばかりいる
青い草 ....
眠くて山が降りて来ている
夕立の気配匂いがする
セミの鳴く声
寂しい方へ
通せない
トンボ
亡
雨の街は花園
ダリア・ヒマワリ・バラ
小菊・紫陽花・朝顔
花たちは楽器でもある
雨の細い指がそれを{ルビ弾=はじ}くと
八月ま近い青空の下
日に焼けた頬をつついただけで
オレンジ-ドレスの娘は笑う
太陽がお前の乳母だったのはもちろん
月は忠実な騎士のように守っただろう