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午後五時ちょうど
わたしは両足をひらきます
まぶたの向こう側で
色落ちた石壁に描いたあの人の姿が
ため息に吹きさらされて
薄れてゆくのを眺めます
そのたびに
西の空から一斉に
....
膨らんだ真っ赤な少女が綻べば真綿の雪に椿がぽとり
体内で春を待ちきれずに芽吹く血潮に染まった椿のつぼみ
花びらを散らさぬように雪の上そろりと歩くも染みが点々
赤い紅 ....
冷えきった繋いだ手と手を温泉で去年の炎暑を取り戻そうとす
耳元で優しく君が囁いたあの夏のさよならを海で泳がす
夢うつつ瞬時に散りゆく白昼夢、儚く消える思い出花火
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