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ミミという女の子がいて
今もどこかで生きています

彼女は
ゲームセンターのUFOキャッチャーで
お母さんにキャッチされ
取り出し口から生まれてきました

生まれたての彼女は
背 ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った

休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....

わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....

夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える


朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....


そろそろ着陸する
と云うので
五人の宇宙飛行士たちは
めいめい
色鉛筆や携帯電話や文庫本やマニキュアなどをしまい
いやいやながらも手をつないで
着陸に備えた

しかしそれ ....

どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
 ....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく

信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている

かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
生きるのは/疲れましたと祖母が言う/空に刺さった冬の三日月

死にたいと/言えてしまう程わたしは自由/くたばることの出来ない自由

黄昏る/冬の寂しい路地裏に/孕んだ放火魔が火を産み落とす
 ....
水曜日
僕は喫茶店のテーブルに座って
哲学者のように沈黙していた
ミミ子に別れを告げられたのは
先週のことだった

ミミ子は犬が好きだった
犬を飼うのでイサオとは別れる
 ....

今宵もまた
お父さん
あなたは咳をしていますね

青い毛布をかけましょう
それはあなたの首元で
小さな海となるでしょう


お父さん
わたしは
あなた ....

しゅんじゃく神社
と云う神社をみかけた
春寂神社と云う字である
煮過ぎた菜っ葉を
噛んだときの音みたいだ
と思った

神様も春は寂しいんだろうか


教習所の帰りに
落ち ....
受験を控えた少女が
堪えきれずに道端で
脱皮を始めた

その横をダックス・フントが通る
かれは短足を気にして
朝夕ぶら下がり健康器を
使っているのだけど
伸びてゆくのはもちろん
足じ ....

林檎は何時でも
小気味よい音を立てて
裸になってくれる
こんな女の人がいたらいいなと思う
十月の昼間は少し暑くて
隣家から
おもいっきりテレビの音声が聞こえる
シンクには
小腸み ....
秒針が/ちくともちくとも何かを刻む/焦燥をこぼす君の眼差し

自死を希う/君の髪からフレッシュベリー/毎晩シャンプーしている癖に

此の世には/奇跡もドラマも無いけれど/幻覚や妄想なら ....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる

隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....

雨のような音がしていた
始終ずっと
雨のような音がしていた

よくよく考えてみると
それは雨の音ではなくて
誰かの足音だったのかもしれない
雨の音は段々近づいてき ....


最近
妻が出来た
嫁を娶ったのではない
わたしは女であるから

正確にいえば
嫁の方から勝手に来たんである

或る夜のことだった
四百円を手にちゃらちゃらさせながら
 ....
国営放送の請求書が
ひらり
と郵便箱に滑り込む頃

誰かの忘れ物が
公園の隅で
しゅか、しゅか
光る

睫毛に引っ掛かる
砕けた陽射しはもう
夏のように
貪欲ではなくて

握り締めた領収書は
たまし ....

曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった


フォークを持つと
人 ....
アサリナさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(20)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
_ミ_ミ_- 吉田ぐん ...自由詩1908-7-21
未来ちゃん- 吉田ぐん ...自由詩2308-7-11
日常- 吉田ぐん ...自由詩1308-5-13
祈りに関する情景- 吉田ぐん ...自由詩19+07-1-16
家族制度(又は宇宙旅行)- 吉田ぐん ...自由詩1307-1-9
恋人とのわかれ- 吉田ぐん ...自由詩2706-12-19
かぶとむし- 吉田ぐん ...自由詩1206-12-4
考えるのは生死について、そればっかり- 吉田ぐん ...短歌2406-12-1
キリスト(創作)- 吉田ぐん ...自由詩1206-11-28
きえる—父へ、きれぎれに- 吉田ぐん ...未詩・独白1306-11-17
習作- 吉田ぐん ...自由詩806-11-15
或る平和の情景- 吉田ぐん ...自由詩1006-11-4
所感- 吉田ぐん ...自由詩1806-11-1
父やその他の皆の為に- 吉田ぐん ...短歌1606-10-22
洗濯物と海- 吉田ぐん ...自由詩906-10-12
単純な留守番- 吉田ぐん ...自由詩906-10-12
音と言葉- 吉田ぐん ...自由詩906-10-7
妻の話- 吉田ぐん ...自由詩2706-10-6
ひかり- 吉田ぐん ...携帯写真+ ...606-10-5
びょ、ーき- 吉田ぐん ...自由詩1306-10-4

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