すべてのおすすめ
ミミという女の子がいて
今もどこかで生きています
彼女は
ゲームセンターのUFOキャッチャーで
お母さんにキャッチされ
取り出し口から生まれてきました
生まれたての彼女は
背 ....
同級生はドラッグストアで働いていた
名前はみらいちゃん と云った
休みの日には呼び出されて
公園を匍匐前進させられたり
炎天下の坂道を延々往復させられたり
首を革紐で縛られたり
草を食 ....
・
わたしの家の郵便受けには
朝になるといつも
赤い花がいっぱいに届けられる
露を含んでぽったりと
流れ出しそうな赤い花だ
どこかにわたしを好きな人でもいるのだろうか
捨てるに捨てられな ....
・
夕暮れの遠くに霞む
四台のクレーン車は
輪を描くように向かい合って
なんだか
太古の昔に滅んだ恐竜の
弔いをしているように見える
・
朝に洗濯物を干す母親は
太陽に両腕を広げ ....
☆
そろそろ着陸する
と云うので
五人の宇宙飛行士たちは
めいめい
色鉛筆や携帯電話や文庫本やマニキュアなどをしまい
いやいやながらも手をつないで
着陸に備えた
しかしそれ ....
▽
どんなに長く電子メールを送信しても
恋人は七文字程度しか
返信してくれないのである
業を煮やしてメールを送信するのを止めると
次の日から
矢文が届くようになった
頬を掠めてすこん
....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく
信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている
かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
生きるのは/疲れましたと祖母が言う/空に刺さった冬の三日月
死にたいと/言えてしまう程わたしは自由/くたばることの出来ない自由
黄昏る/冬の寂しい路地裏に/孕んだ放火魔が火を産み落とす
....
水曜日
僕は喫茶店のテーブルに座って
哲学者のように沈黙していた
ミミ子に別れを告げられたのは
先週のことだった
ミミ子は犬が好きだった
犬を飼うのでイサオとは別れる
....
*
今宵もまた
お父さん
あなたは咳をしていますね
青い毛布をかけましょう
それはあなたの首元で
小さな海となるでしょう
*
お父さん
わたしは
あなた ....
・
しゅんじゃく神社
と云う神社をみかけた
春寂神社と云う字である
煮過ぎた菜っ葉を
噛んだときの音みたいだ
と思った
神様も春は寂しいんだろうか
・
教習所の帰りに
落ち ....
受験を控えた少女が
堪えきれずに道端で
脱皮を始めた
その横をダックス・フントが通る
かれは短足を気にして
朝夕ぶら下がり健康器を
使っているのだけど
伸びてゆくのはもちろん
足じ ....
・
林檎は何時でも
小気味よい音を立てて
裸になってくれる
こんな女の人がいたらいいなと思う
十月の昼間は少し暑くて
隣家から
おもいっきりテレビの音声が聞こえる
シンクには
小腸み ....
秒針が/ちくともちくとも何かを刻む/焦燥をこぼす君の眼差し
自死を希う/君の髪からフレッシュベリー/毎晩シャンプーしている癖に
此の世には/奇跡もドラマも無いけれど/幻覚や妄想なら ....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
りんごは優しく指を濡らし
珈琲は
のどぼとけを笑わせながら
そっとすべりこんでくる
隣のうちのベランダに
タオルケットが干してある
いつから干してあるのだろう
もうずっ ....
+
雨のような音がしていた
始終ずっと
雨のような音がしていた
よくよく考えてみると
それは雨の音ではなくて
誰かの足音だったのかもしれない
雨の音は段々近づいてき ....
*
最近
妻が出来た
嫁を娶ったのではない
わたしは女であるから
正確にいえば
嫁の方から勝手に来たんである
或る夜のことだった
四百円を手にちゃらちゃらさせながら
....
国営放送の請求書が
ひらり
と郵便箱に滑り込む頃
誰かの忘れ物が
公園の隅で
しゅか、しゅか
光る
睫毛に引っ掛かる
砕けた陽射しはもう
夏のように
貪欲ではなくて
握り締めた領収書は
たまし ....
・
曖昧に舌を含んで
ただ笑った
あなたの考えている事は解らないと
言われたから
悲しむだけの隙間も無くして
ただ笑った
薬は二週間分出たから良かった
・
フォークを持つと
人 ....
アサリナさんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト
(20)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
_ミ_ミ_
-
吉田ぐん ...
自由詩
19
08-7-21
未来ちゃん
-
吉田ぐん ...
自由詩
23
08-7-11
日常
-
吉田ぐん ...
自由詩
13
08-5-13
祈りに関する情景
-
吉田ぐん ...
自由詩
19+
07-1-16
家族制度(又は宇宙旅行)
-
吉田ぐん ...
自由詩
13
07-1-9
恋人とのわかれ
-
吉田ぐん ...
自由詩
27
06-12-19
かぶとむし
-
吉田ぐん ...
自由詩
12
06-12-4
考えるのは生死について、そればっかり
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吉田ぐん ...
短歌
24
06-12-1
キリスト(創作)
-
吉田ぐん ...
自由詩
12
06-11-28
きえる—父へ、きれぎれに
-
吉田ぐん ...
未詩・独白
13
06-11-17
習作
-
吉田ぐん ...
自由詩
8
06-11-15
或る平和の情景
-
吉田ぐん ...
自由詩
10
06-11-4
所感
-
吉田ぐん ...
自由詩
18
06-11-1
父やその他の皆の為に
-
吉田ぐん ...
短歌
16
06-10-22
洗濯物と海
-
吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-12
単純な留守番
-
吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-12
音と言葉
-
吉田ぐん ...
自由詩
9
06-10-7
妻の話
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吉田ぐん ...
自由詩
27
06-10-6
ひかり
-
吉田ぐん ...
携帯写真+ ...
6
06-10-5
びょ、ーき
-
吉田ぐん ...
自由詩
13
06-10-4
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