からっぽの家
小川 葉

天井から
雨が降る
からっぽの家よ
さようなら

涙の足音
思い出ばかり
見つけてしまう
わたしたちは
家族です

翌日
家は消えました

さみしさに
耐えられず
海でした
こころの深い
そこだけが

わたしは一緒に
暮らしたい

あの日から
家族の時間は
少しです
からっぽなのは
わたしです
天井が泣いている
家族でした

さようなら

もう
言いません
言えません

さようなら

まだ
言いたくは
ありません

傘があるのに
さしません


自由詩 からっぽの家 Copyright 小川 葉 2007-08-30 22:33:12
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