そんなの嘘よ と
ベッドに腰かけた少女は私の目の前で若草色のワンピースを腰まで
たくし上げ秘所を露わにする。不釣り合いな厚手のストッキングを
躊躇なく下ろしそして両大腿に咬み合わさった品質の悪そ ....
海へ倒れる曇を見ている
曇から生まれる鳥を見ている
降りそそぐかけらと水の柱と
波をついばむ音を見ている


道の上の羽と屍肉
夜になる曇
夜になる曇
羽と共に降りる曇
 ....
{引用=
(透明な感性とやらがほしくってそれは犬とか食べても安全?)




ビー玉が散らばる雪の校庭を裸足で乱そう(見つからないように)



息を吸って吐いて吸って吸って吸っ ....
黒板の日直欄は空っぽでもう聞こえない幼い号令



すみっこでカロリーメイトをかじってる後ろ姿に見覚えがある



段ボール製のアポロの操縦桿左に倒して難破しようよ

 ....
モノクロの額にうすく伸ばした極彩色をはめ込んでゆく
混じりあったあとにできた灰と銀だけがぶれ
ほの暗い海月の夢が姿をあらわす

ゆら、ゆら、ほてん、ふらほてん
きみを許す

砂漠と深い森 ....
こんな世界に眠れる夜なんかあらへん
目ぇ覚めんのか、覚めてへんのか、それとも冷めたんか
そんなこともわからへん
お前がおらんとあかんのや


山しかないようなとこやった
山の向こうに何あ ....
{引用=「序」


万華鏡に
甘い想い出だけを そっと詰めて

くるくるまわして のぞきこむ

金平糖のじゃれあうような
さらさらした音がはじけて

あまりの甘さに 歯を痛めて  ....
僕達は歩いてやってきた。
今日、この瞬間を共有するために。
ラジオからは素敵な音楽が流れていた。
ジョンレノンが歌ってる。imaginだ。
小さなポータブルラジオを囲んで、みんな泣いていた。
 ....
はしゃいで飛び込んだプールの底に顔面を泣けるほど打ったけど
涙をプールの水に紛らせ笑った夏でした

カルピスが痰みたいに絡んだけれど
白くて甘い夏でした

台風で傘が根元から折れたけど
 ....
この感度で

気絶するなんて嘘だろ

水浸しになったまま

君は

魚のような眼をして

石と石のあいだから

顔をあげた

触れられるとこんなにも

壊れやすい ここ ....
背の高いあの人の言葉は
いつだってやさしく降り注いだ
まるで霧雨みたいに
やさしく私を包み込んでいた

けれど滲んだ愛情は 蒸発してしまったんだ
今はもうあの人の言葉は
水溜りの上に浮か ....
目が覚めたら朝が来ました
目が覚めても朝が来ました

昨日と同じ今日が怖いので
今日と違う明日が恐ろしいので

僕はバリアを張って僕を弾いてしまいます
僕らはオーラを発して僕らを放してし ....
真面目ぶって受ける授業と
最低賃金のバイト

作り出した自分に囚われて
結局そこに生み出された
中途半端な疲労感

中途半端な疲れを癒すには
安い炭酸のチェリーコークと
見知らぬ男と ....
 その長方形の囲みから抜け出したくて。

 十九時半には、冷凍食品ばかりの飯とばあちゃんのしょっぱい蕪の漬けものを食い終わり、風呂で念入りに自らのそれまでの穢れを洗い流し、最近やっと再就職したばか ....
ツバメが
車庫を低く飛び
チチッ
チチチッ

ふるさとは
ツバメの里だ
雨上がりの透明なそらを
自在に

いつだったか
納屋の真ん中に
ツバメが巣をつけて


それも仕 ....
散弾で撃ち抜かれた無数を胸に見るや
目を瞑り落天してくる鳥々のこれ
演じる躯
燦とぶつけて
それが同じ軌跡を描けない
きみは風切りを整えられた渡り鳥
飛べない指が指に重なりまだの空を辿る
 ....
人差し指を強く噛んで
歯形を見るの 綺麗だわ

二日は消えない

この指であなたを指すの
幸せでしょ?

何も求めていない
何かを求めようなんて少しも
だってあなたも人ですもの
 ....
神哭きて
割れんばかりに
響いては
涙滴り
大地を濡らす


刻経りて
涙は尽きて
笑い出す
陽の優しさに
虹を返して
 僕は 僕は!!
 この粉をすべて掬いあげたい
 手から一つ一つが
 暗闇に吸い込まれていく
 僕は服を使って
 口も使って
 両手も使って
 全部残らず掬い上げる気持ちで
 かき ....
蛍光灯を一つだけつけた部屋にうずくまっていると
決まって、
片方の触角が無い油虫がわいてきて、
不規則に円運動を繰り返す。
 
俺も同じだ。
でもお前なんだか可哀想だから殺して良いか?
 ....
ああ、ぼくらは

なにを許せていないのだろう

平和とは理想なのか

大とでも付けて

この願い、大理想とでもしてしまおう


きみの悲しむ顔を

よろこぶその顔を

ぼく以外が作るよ


ああ、ぼく ....
昨日、親を殺しそうだった子が
今朝は美味しそうにみそ汁を飲みながら
学校の先生の話をしている

さっき、子どもを殺しそうだった親が
今は、愛に満ち足りた顔で
寝顔をじっと見つめている
 ....
風に体をあずけて
夜の海が見える場所で
れもんを浮かべた水を口にする
海から運ばれる潮風は体を少しだけ寂しくさせる
風に乗った冷たいしずくとれもんの香り
暗闇のむこうに何度も手招きをして
 ....
鼈甲色の
瞳孔を携えている
その眼は
 
暇潰しにと
塵を捕らえて
いたずらに、世界を白く
光らせている
 
 
塵と塵の狭間に
取り残された僕は
 
四方八方に飛散する
 ....
   ?

祭りが始まった
それは緑の旗をかかげ
歌うのは風ばかり
踊るのは風ばかり
萌え出た命の露を
しとどに湿らせ祭りは始まる

   ?

若葉揺れて 君の髪のように
や ....
 森の中の小さな家で僕は詩を書いて暮らしている
 昼間は材木会社で働いていて 僕の住んでいる森の遠い場所で伐採をしている
 暗闇が好きで蝋燭の炎だけを灯してパソコンに向かって詩を書いている
 僕 ....
さよなら、あなた

夏服をありがとう


けちで、やさしい、太めのあなた

眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね

忘れ物をしてごめんなさいね


あなたの部屋から ....
( 錆びた鉄筋を剥き出しにした、
 崩れかけた支柱が夕映えの空へと伸びる )

すでに蝕まれたコンクリートの構造物に滲みる、声

 絶間ない、呪いにも似たその響き )))
 おそらく、何ら ....
滴る血潮からは
羽を持つ馬と


赤い花が生まれた


『母の日のメデューサ』



母にとって
父の面影を落とす私は
恐怖の塊でした

父が何をしたのか
母がどんな目 ....
プロフィール読んだら
すごく嫌いなタイプだけれど
言葉の使い方が上手いんで
ポイントあげます

いままで
まったく
こっちの作品には
ポイントを入れてくれてないけれど
描かれてる情景 ....
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