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幼い空がなんの思惟もなく広がっていた
誰も見たことのない鳥の雛が巣のなかで育ち
その間も周囲は ぐるぐると回り
ぐわんぐわんと流れては 変化しつづけていた
いつの間にか光は強さを増していて
....
{引用=――いまだ見ぬ地をふるさとと名づけられ怒りのごときとまどいはあり
(佐藤よしみ歌集『風のうた』より)}
これからここで
生きてゆくのだと
なんとなく思 ....
暮れる
時のなかで
凍土の冷たさの下に
埋められた思惟を思う
それらの骸の無念を
思わずして時は暮れることはなく
それらの物語の無惨を
録せずして時は回ることはなく
それでも日は沈み
....
とどまる 1
{引用=ここに
とどまっていると
裁かれる
変化のない停滞に見えて
それは罪であると
見做される}
とどまる 2
{引用=ここになんとか
と ....
そよぐもの 1
{引用=風にそよぐものが
目に触れると
忘れていたことを
思い出しそうになる
幼い者も
風に吹かれて
そちらの方へ
届かない手を伸ばして}
そ ....
小さなものたちが
それぞれに
自らの場所で躓いている
その中に僕も君もいて
むすうの僕と君が
それぞれに
自らの小さく見える
けれどもほんとうはもっと大きい場所で
同じように躓いている ....
花がいままさに
ひらかれようとしていて
うたが人知れず
うたわれていても
読みかけの本の
頁がひらかれて
そのつづきが
つづかれてある言葉が
読まれようとしていても
なおもひ ....
ことしもまた春が来て
暖かくなって
やがては暑くなる
またしても
煩い季節になりつつある
驕れる者 久しからず
正しきも
疚しきも
また同じ
そんな世捨て人のようなことを
つぶやき ....
もうすぐ
九百九十九年になります
その頃には
ひまわりも咲いているでしょう
絶望から生き残った
藁のような人びとが
ゆらゆらとゆれているでしょう
咲いてしまうことに
罪はなくて
咲い ....
――Sに
すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
そのまっすぐな道を歩いているだけであった
だが
垂直に落ちる滝のようにひとつの感情が
....
AB(なかほど)さんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(10)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
遠出
-
岡部淳太 ...
自由詩
4
23-2-13
見知らぬ地
-
岡部淳太 ...
自由詩
4
23-2-8
暮れる
-
岡部淳太 ...
自由詩
3*
20-12-31
小詩集・とどまる
-
岡部淳太 ...
自由詩
8
20-6-14
小詩集・そよぐもの
-
岡部淳太 ...
自由詩
3
20-6-7
小さな君への挨拶
-
岡部淳太 ...
自由詩
17*
11-3-14
焚書
-
岡部淳太 ...
自由詩
10
09-4-28
必衰
-
岡部淳太 ...
自由詩
17*
07-6-4
九百九十九年
-
岡部淳太 ...
自由詩
16*
07-5-21
ポエティック・メランコリー・シンドローム
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
8*
06-8-21
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