弱いわたしは
記憶を心の奥底深くに仕舞い込み
雁字搦めの無茶苦茶に
厳重に厳重に鎖を巻いて鍵をかけた
時折壊れた個所から漏れてくる
記憶の欠片を見ない振りして
ただ強がって茶化 ....
無言のまま階段を上がる
放課後。
誰もいない校舎でひっそりと息をしてる僕ら
先生が来るといけないから、と
なるべく音をたてないように
階段を一段一段

手だけを繋いで
まるで心臓がそこ ....
ばあちゃんに先立たれたじいちゃんは、
僕の母さんの父さんである。
じいちゃんは、タバコを吸い、酒を飲み、
いつも母さんに怒られている。
それでもじいちゃんは健康に気を遣うことは ....
母さん、どうして僕を生んだの


あなたが僕を見るときの
怯えたような引きつった笑顔が嫌だった
だから家を出たんだ
十六歳のあの月の綺麗だった夜に

母さんはピンク色の花が好きだったね ....
 寝過ぎで頭がガガガガン
 少しずるいことをしてしまったような気になる
 歩いて2分の自売機に缶コーヒーを買いに出る

  しまったぁ!

 すばらしい天気じゃないか!
 こんな日に夕方 ....
帰らなくてはならなかった
ガード下の公園
オレンジと灰色の記憶
あれはいったい
どこだったか

ガムの包み紙の甘い香り
急すぎる石の滑り台
の冷たさ

風はどこからかやってきて
 ....
遠い昔
おさないときに
咲かせた一輪おぼえている
ブリキのジョウロ
みずのいれすぎで
西日がくらんで全部こぼした


花はあんまり鮮烈で
恍惚故に戦慄だった


こころは嘘をつ ....
荒い呼吸の中で
掴みとった紙切れには
はずれの文字

同じ紙切れが無数にばら撒かれた
この街で
静かに息をひきとる老人

あなたの一番の幸せは何でしたって
最後に聞いてみたい

 ....
悲しげな太陽が
「薄く遠い青」と「複雑に濁った白」が混ざる空に浮かんでいる



不透明な3月が
銀色の陽射しを避け
街路樹の陰の中に隠れている



季節が立体交差の真ん中 ....
厳かな表情は
白い和紙に包まれて
丁寧にしまわれていく
もうしばらくは
という
僕の意見は
宙に浮いたまま

ぐずっていた子供たちは
いつのまにか嬉々として
桃、橘と桐箱の中へ
 ....
初めての
煙草の味を
知ったのは
初めてキスした
あの娘の口から
テレビで馬鹿な女が愛想を振りまいている
簡単な漢字も読めず 明らかにウケ狙いだがウケているのが癪に障る

おれは今日も安い時給で顔に笑みを貼り付ける
心の中ではいつも 今日で辞めてやると思って ....
ねえ 君の窓の景色は
何を映しているの

どんなに想像しても
それだけが分からないんだ

ねえ 僕の街の景色は
君の瞳にどう映っているの

僕の窓の景色はガタガタと
風が吹き出した ....
たえられないたえられないと言いながら点を取り、
だめだよだめだよもうだめだよと言いながら偏差値を伸ばし、
わたしなんかわたしなんかと言いながら楽々レベルを上げていく。
そんな同級生に囲まれて私は ....
 心が迷う そんな時こそ
空は青いということを思い出そう

光が空気中のガスに反射して

 ウンタラ
     カンタラ

空は青い それでいい

ならば
心が迷う 当たり前じゃ ....
遠くにおいてきた時間を
一つ一つ取り出して
今の僕に重ねてみた
懐かしさと共に思い出す
未熟だったあの頃を

自立の為に選んだ道
自律を願って歩んだ道
幼さと若さの間で
ひたすらに足 ....
無くしちゃった青い傘
お気に入りだった青い傘
さがしに行くよ
雨に会えそな雲の下

風が頬にあたるのも
ポケットの中の手が
温まらないのも
気にしない
雨の降りそな雲の下

 み ....
口(紅は紅い)


          虚(無の虚空を覗く)





       を



         つ(罪の)        か(重ね)  な(夏、に、寝転ぶ) ....
雪が降りるかもしれない
そのくらい寒さで首をすくめた

今年初めての手袋をして
いつもの道 寒さを感じないよう
ゆっくりと歩く

足跡はまだつかないでいる

仕事が終わる頃には
も ....
朝、その一方で
コンクリートの階段を
冷たくなって滑り落ちる風
一段ずつ、無抵抗に落ちてゆく影


正しく、針が切る時を
間に合い続ける列車が貫通してゆく
プラットホー ....
本屋ですれ違ったひと

電車でとなりに座ったひと

走って目の前を通り過ぎて行ったひと

トイレで手を洗うとき横に居たひと

目の前で階段を上っているひと

自動販売機の横で立って ....
(下記の文章中には話の流れ上、性的な表現が多数含まれます。18歳未満の方はご遠慮頂いた方がいいかもしれません。)

 今から15年も前の話である。
 私はその頃、大阪の堺市にある大病院の研修医を ....
気になることの多い人
あの表情がなかなか見えない人
自分の頼りなさを悔やんでは
身の程知らずさにまたやられる

だんだん自分の問題に目がいくと
もう抜けだせなくなるだけ

これじゃこの ....
君が骨になる時 皆が嗚咽した
そんな中 私はポツンと立ち竦み
少し遠くの 違う人が骨になるのを少し見ていた
微かに
苦しかった

空が青く
冷たい風が吹く
何一つ 変わった事などなかっ ....
本当に誰かを好きになったなら
皆はどんな言葉にするのだろう

本当に伝えたい気持ちがあったなら
僕はどんな言葉にするのだろう

言葉に慣れた僕達が

あなたの隣にいる幸せや
闇に浮か ....
向日葵の花が燃えて
灰に変わるまでのあいだ
僕は目を閉じて
何を考えよう

銀の指輪をはめる役が
僕ではないと
シナリオの一頁で判っていた

舞台の隅で拍手をするだけの
小さい役ど ....
目をそらさないでください
鼓動が波つくる海の底から
危うい腰を{ルビ掬=すく}い上げて
一つの生きものになりましょう
吐息の泡を追って見上げる
金色の空はもう蔑まない

聞き漏らさないで ....
困ったようなその笑みで
私を見るのはもう止めにしてほしい

その微笑を私はもう
まっすぐに見ることは出来ないんだ

逸らした瞳には
少しの罪悪感とたくさんの圧迫感

君の純粋でないよ ....
今朝書き終えたばかりの
手紙を紙飛行機にして
あなたへと向かう
風を探している

雲ひとつない晴天の空は
太陽の傾きが眩しすぎて
方向を示すものが
見あたらない

そこへ向かう風は ....
月を想うように 君を想う。

こごえた空気に満たされた 閉塞空間に
一条の光が射す。

その光は 決して 
その こごえた空気を ぬくめることはなく
ただ そのさえざえとした空間に 朧な ....
海月さんのおすすめリスト(69)
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童心のかけら- 佐野権太自由詩11*06-5-7
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毎日、日記帳に天気だけ大きく書いて埋めていた- 田中眞人自由詩106-2-6
君の街- maumi未詩・独白2*06-2-3
クラスでえらびぬかれるためには、- むくげ自由詩406-1-26
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ソーメンライス- 松本 卓 ...自由詩10*06-1-22
傘をさがして- LEO自由詩9*06-1-22
嘘をつかないで- ふるる自由詩2*06-1-20
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