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水道の蛇口を軽く捻ると
中から水がポタポタ流れ出てくる
「それは涙だ」
と誰かが呟いた
言われなくても分かっている
これは涙だ

それは音を立てて溜まっていく
洗面器の上の鏡に男が映っ ....
澄み切った夜の
雪山の上を 峻坂を
流れていく ぼんやりと 光と

見上げた空に
張るような新雪の斜面を
僅かな反射が一瞬を煌き 銀色の月が白い地上を
流れていくのを見ていた とても広い ....
(僕を殺した声を殺す為に
 知る時計の音)

堅固なピラミッドの秩序が崩壊していく
不可視のラジオの雑音の中で目覚めて
無機質な時計の音が永遠に鳴っていたこと

記憶の朝、
白い光の電 ....
 斜陽。窓が次第に夕暮れになっていく
このところの自室の空気は 白いカーテンを覆っていて 収納棚の内側から大勢の女子供たちがガヤガヤと騒ぎ「はやく、はやく、」と叫んでいる。布団の上に倒れこみ目を瞑る ....
白紙のような夜には

目を瞑れば金色の旋律が細い糸をゆったりと垂らして
      時を止めたようにさらさらと揺れているので(・・・落ちていく)虹色の部屋に
  ハンモックを掛けよう
天井を ....
静かな

白い波打ち際の日
僕の息が風
少年は貝殻を探す
波と
鼓動が聞こえる
入道雲
笑いかけた日が
空を駆け抜ける

茜色の落ち葉を
歩道に叩きつけた日も
僕の息は枯葉を ....
薄暗い理科室には真っ黒な机が並んでいて
白衣の教師は訥々と…
橙の柔らかい光を放つ豆電球を見つめる
とても明るく
少女と目が合わぬように
見つめる
そして思い出す
暗い部屋にポツンと浮か ....
前田ふむふむさんの結城 森士さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
洗面所の出来事- 結城 森 ...自由詩10*07-1-12
雪上の滑車- 結城 森 ...自由詩3*07-1-7
知る銀色- 結城 森 ...自由詩6*06-12-14
第二外科壕より- 結城 森 ...自由詩3*06-11-24
眠れない夜、虹色の小鳥- 結城 森 ...自由詩6*06-11-21
風が記憶- 結城 森 ...自由詩10*06-11-19
水槽メランコリー- 結城 森 ...自由詩4*06-7-17

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