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高い塔がある
空を突き抜け街を{ルビ睥睨=へいげい}するように
その塔はそそり立っている
塔には一人の姫が住んでいた
囚われているのではない
自ら閉じこもっているのだ
目も耳も口も絹糸で縫 ....
押入に夕闇はつと隠れてる
「もういいかい」と「まあだだよ」とで
庭先にブランコだけがゆれていて
昼のサイレン明日はとおく
陽のひかり障子にさせば心痛み
....
{引用=───それは全宇宙での
些細な惑星衝突なのだ
おまえとわたし
という星の}
角を曲がったとたんに
猫と目があった
どこにでもいるような
ありふれた灰色猫 ....
いつの日の窓辺に聞いたとおい歌
盗んで消えるおもいでの耳
汽笛すぎ残されゆくは草鉄路
待つだけの駅呼ぶだけの風
なぐさめを知るか口笛おおぞらに
心を放 ....
あこがれは一番星の良きひかり
いかにはかなく夜が来ようと
人は行くランボオの詩を胸にだき
人いきれへと振り返りもせず
鳥は飛ぶただ啼きながらひたすらに
....
ノクターンそのたくらみに旅をする
まなざし揺れる夜の窓際
ささやきに似た腰つきでつぶやきに
似た足どりでダンスする{ルビ夜=よ}は
ガラス窓くちづけかわす夜の色 ....
(ヴァンサン)
窓の外に君の姿が見える
やわらかい草を裸の足裏で踏みしめて
君はこれから川へ泳ぎに行くという
もう透き通った水は冷たいというのに
君は白い歯を見せて
{ルビ銀葉=ぎ ....
燃える指くちびる含み恋をする
サルビアそれは紅い吐息に
ひそやかな風にするどき心こそ
コスモスふるう恋の歓び
咲き誇り頰よせたその黒百合に
....
かつてお前はあんなに
力強く 熱く燃える目をしていたのに
風のように自由で その歌声は若々しく
どこまでも駆けていけたのに
お前の炎はかくも色褪せ
かきならす竪琴は銀のささやき
お前は{ル ....
衰えて炎もいつか褪せゆくか
{ルビ終=つい}の火を燃せオルフェの夏よ
竪琴の{ルビ絃=いと}のふるえに夏は逝く
{ルビ全=また}き夜空に呼び声はるか
{ルビ初風 ....
ピアニストの繊細な指だ
白い鍵盤をすべってゆく
まるで水鳥の夢見る羽ばたきにも似た
あるいは
まだ見ぬ色彩を生み出す画家の
狂おしいまでにあざやかな指先
{ルビ天地=あめつち}を踊る風の曲 ....
海に来て月の遺骸を{ルビ面=も}に浮かべ
白貝割りて指先を切る
貝やぐら沖に燃え立ち{ルビ蒼蒼=そうそう}と
胸に巣食うは十三夜月
月葬に送り遣るのは{ルビ鸚鵡 ....
草合歓の葉陰から
かすかにもえる月を見た
藍青の波間にひかるものは
あれは はるかな昔
指から落ちた曹長石のかけら
青みをおびた涙の石の粒
もしも
月の淵から水音がしても
蠍が ....
放課後のプールサイドに一人きり石を投げれば割れる太陽
まだ細い腕もいつかはヘラクレス鏡にうつる半裸少年
肝だめし墓場を歩く君とぼく怖くないよと結ぶゆびさき
花火あがる綿菓 ....
水が
光のように満ちる
その上に折鶴を浮かべ
はるかなその波紋を数える
紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために
真珠とり
真珠とり
....
花ならば君を待つのも安きこと
ラベンダー蒼きこのうすにおい
この想い忘れてしまえマーガレット
花びら散らし涙にくれる
ローズマリーやさしい罪は思わせぶり
....
前田ふむふむさんの石瀬琳々さんおすすめリスト
(47)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
鳥籠あるいは高い塔
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石瀬琳々
自由詩
19*
06-11-28
押入の夕闇
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石瀬琳々
短歌
17*
06-11-24
灰色猫とわたし
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石瀬琳々
自由詩
20*
06-11-13
とおい歌
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石瀬琳々
短歌
18*
06-11-10
あこがれ
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石瀬琳々
短歌
15*
06-10-27
夜想曲
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石瀬琳々
短歌
11*
06-9-26
ヴァンサン、夏の終わり
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石瀬琳々
自由詩
13*
06-9-8
花言葉Ⅱ
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石瀬琳々
短歌
12*
06-9-5
オルフェの夏
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石瀬琳々
自由詩
12*
06-8-25
オルフェの夏
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石瀬琳々
短歌
9*
06-8-22
美しい指
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石瀬琳々
自由詩
18*
06-8-19
月葬
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石瀬琳々
短歌
18*
06-8-2
緑の月
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石瀬琳々
自由詩
17*
06-7-24
【短歌祭参加作品】半裸少年
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石瀬琳々
短歌
24*
06-7-21
静か
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石瀬琳々
自由詩
14*
06-7-2
真珠とり
-
石瀬琳々
自由詩
15*
06-6-23
花言葉
-
石瀬琳々
短歌
14*
06-6-16
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