真珠とり
石瀬琳々

紺碧の輝きの海に
許されぬ恋が眠っている
静かにそっと おののきながら
それは波間に漂う白い貝
だけど 今日は
海へ漕ぎ出した
その想いを摘みとるために

 真珠とり
 真珠とり
 私の恋は海に似て
 いつの日もまぶしくて
 きっと淋しい瞳をそらす


堅い外殻で守られた
私の恋は未熟な真珠
手のひらの中 ゆがんでゆく
蒼い月の光に形を変えて
だけど 今日は
それも愛しい形見
その想いを摘みとるための

 真珠とり
 真珠とり
 私の恋は涙に似て
 いつの日も切なくて
 きっと淋しい瞳をそらす


自由詩 真珠とり Copyright 石瀬琳々 2006-06-23 14:31:01
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