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写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく
通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出
岩 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日
どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ
ことばは、忘れないため ....
ダイコンの花がさいたよ
ニンジンもがんばれ
夜の街で闇をさがし
身を隠す暗がりにも
灯りを求めたりして
中途半端なままだね
いつもぼくらは
言葉の空白にふるえて
粋な単語たちをあつめ
草の実に糸を通すようにつ ....
風が吹き抜けるたびに
路地から空を見上げる
鳥の影、あの鳥がまた
飛び越えていくのかと
見上げた先の色は様々で
いつも、すぐ忘れてしまうから
黒い影だけは憶え続けるのか
鳥のかたちに ....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ
ロゼッタの刻印を
....
今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと
交わされることのない言葉
くちぐせのような夢 ....
合理的で清潔で、迷いがない
自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧
....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
お茶缶が気になる
どうしてこれはお茶缶なのだろう
素材や意匠は自由だ
そう、自由なんだ、自由すぎるぐらいに
ひとつだけ重要な事は
茶葉が入っている、と言うことだ
....
道の先をいつしか
岬と呼ぶのでしょうと
白い幾万もの手が
砕けては戻っていく
届かない場所に
北端という称号を与えて
みんな満足して
羅針盤の声を人は夢に見るのです
根無 ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
水平線が夕日を融かすというので
その仕組みを知りたいと
渡し船を探しに海岸づたいを
西に向かう、それが私たち
綺麗なものばかりを
追いかけてはいけないと
釣り人が忠告したが、僕たちは
綺 ....
そんな目でみるなよ
おいしく食べるからさ
終わる、と
ただ巡っていくだけのものに
あきらめにも似た終止符を
打ち続けて僕の数直線は
みっともない
姿をさらして
次の巡りを待てないほど急いで
どこに辿り着けた
....
洋光台から各駅停車の二両目に乗って
寝不足な頭は
昨夜の反省をする朝、七時十六分
このまま終着まで眠りたい
飲みなれない酒を勧めたせいか
君はとっても不機嫌で
なのに君のほんとうを見た ....
ビジネスホテルの一階の
回転寿司屋で黒人さんの握った
トロのしゃりがあまりにも真っ白くて
私は奥歯で笑いながら
虎を溶かして作ったバターを思い出す
たしか、色素の抜けた太めのコックが
伝統 ....
目をきつく閉じて
何度も何度も反芻する
あなたの姿
暗闇でも兵士が
銃の整備をするための
あの訓練だ
分解は簡単だ
合理的にできたあなたは
いくつかのホックをはずすだけで
そのす ....
眠りに落ちると
いつもそこは凍夜
誰にもじゃまされず
暗闇を独り占めする
外ではひどく激しい気流
雲で空に恨み言を描き付けて
あのころって、いつだ?
わたしたちって、 ....
虹が遠いね
暗がりのなかからは
遠すぎるね
ちょっと長めの旅行を終えて
ベランダに出てみると
大切な鉢植えのミカンの葉が
全部無くなって
大きなさなぎがぶら下がっていたのです
街ではもう、見かけることも少なくなった
アゲハチョウ ....
空が誰かのものであって欲しいと思う
できれば、あなたの
すすき すすき かぜのわだち のこして
あなたがいない世界に
意味がないのではなく
あなたが見捨てたこの世界に
あなたは ....
ゆうひは、みひつのこい
じゅんすいなものは、ざんこく
てらされる、すべて
まぶしいかげに、かくして
今夜はひとり、僕の手を取る君は
楽しそうに自販機のコーヒーを買う
立体駐車場の屋上に君は車をおいたという
スロープを二人、手を繋ぎながら
(君の子供は眠っている頃)
誰にも照らし出さ ....
紅葉が近づく{ルビ樗谿=おうちだに}は
とうめいなたくさんの蛍が
言葉だけつまった
名前だけの思い出を
夕暮れにかえそうとする
いろだけになってしまう
ぬくもりを失うと
とうめいにな ....
緩やかな曲率で
道は行き止まりまで続いていた
そこより遠い場所を
知らなかったので
墓標はその岬に、と決めていた
漁火の整列する底には
冷たい海流があって
行き止まりの
もっと向こ ....
月が消失点のようだ
描かれた風景は
オルゴール、オルゴォル
ピンの抜けたドラムの内側で
漏れる光を、星だと
僕たちはささやきあったね
モルモットの遊具のように
夜空をまわし
時計の ....
あなたのもとに
つながっているだろうかと
また海に来てしまった
彼方の水平に
上昇気流の痕跡が偏西風に流れて
波間に姿も映さず高く飛ぶ
渡る鳥、それよりもずっと星のそばで
焼かれる今 ....
夜の長い季節がめぐって
今年もまた
潤んだ果実の薄皮が
あなたの細い指先ではじけて
枯色の穂の律動
その春のようなくちびるに
すべり込むのです
かわききった大地で
....
佐野権太さんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(109)
タイトル
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カテゴリ
Point
日付
錆びた風を紡ぐときの浜辺で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-4-13
ひとりぼっちに、ならないように
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-4-4
さいた、咲いた
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
9*
07-4-1
夜のかたちのピッテロビアンコ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-4-1
地下鉄十六番出口から
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-3-21
春の泥、にじんで
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-3-18
春は明日の約束
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-3-13
あなたは、地図の上では咲かないと
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-12
ほしおりの、そのときに
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-28
それとも指輪の刻印で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-2-21
お茶缶についてのひと巡り
-
たりぽん ...
未詩・独白
8*
07-2-12
羅針盤は故郷を知らない
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-2-12
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-22
野良犬は果実の名など知ることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-1-15
ぬりかべ_まん
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
14*
07-1-8
巡礼、あなたの髪の
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-12-26
駅・新橋
-
たりぽん ...
自由詩
12*
06-12-19
駅・五反田
-
たりぽん ...
未詩・独白
13*
06-12-10
暗闇で銃よ、帰郷とは撃つことか?
-
たりぽん ...
未詩・独白
10*
06-12-10
凍夜
-
たりぽん ...
自由詩
15*
06-12-8
分光の距離
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
11*
06-11-28
あげはちょう
-
たりぽん ...
自由詩
18*
06-11-25
だれのものでもない
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-11-18
ぎゃく・こう
-
たりぽん ...
携帯写真+ ...
11*
06-11-17
都会の屋上に月を見に行く
-
たりぽん ...
自由詩
9*
06-11-7
砂丘で蛍を見たあいつ
-
たりぽん ...
自由詩
15
06-10-19
風、とまどう鳥よりも
-
たりぽん ...
自由詩
14*
06-10-8
いちばん_遠い夜
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-10-5
相聞、漕ぎ出せば海
-
たりぽん ...
自由詩
13*
06-9-24
春の葡萄
-
たりぽん ...
自由詩
18*
06-9-23
1
2
3
4
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