麗ちゃんで「7番」
たりぽん(大理 奔)

広島への出張なんて
もう馴れたと思ってたけど
今日は新幹線の
閉まる自動ドアが恨めしい
これから会議だっていうのに
君の涙の理由ばかり
そればかりが気がかり

  帰り道、駅までの路地で
  自動販売機が話しかける
  今夜、君はいくらで売られるのだろう
  守れなかったものばかりが大切で
  抱きしめて受け入れたい隙間
  まだ埋められない世界を
  もしも、という安い言葉でごまかして

帰りの新幹線まで残り少ない時間
いつものように駅ビルで
ディナーにお好み焼き
空腹は千円札でおつりがくる
隙間を埋める、そういうことなのだろう

麗ちゃんで「7番」

鉄板にむかって垂直に差し込むテコ SPATULA
もしも誰かを切り刻むならこんなふうに
そして、隙間を埋めていく
だから独り言のように、隙間をうめていく




自由詩 麗ちゃんで「7番」 Copyright たりぽん(大理 奔) 2007-06-09 00:51:14
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