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父は帰ってこなかった
後で知ることになるが
街の花柳界で板前として働いていたようだ
華やかなところだから飲む賭つ買う
生活を送っていたらしい
ぼくた ....
夕焼けがうつくしいのは
あれは人魚が大空に薔薇をまいたからです
なんて歯の浮くような科白をはいたら
おまえは詩人 失格だと頭をなぐられそうだ
....
まだぼくはほんとうに人間を愛していないのかもしれない
ぼくはぼくのなかのぼくを愛しているだけなのかもしれない
ぼくはひとりのナルシストなのだろうか
ナルシストが時代の流行であった ....
若草のように君のながい髪の毛がぼくの頬に当たる。すこしカールした茶髪のロンゲだ。
ぼくは藁のようにその髪の毛に触れる。雨がこんなにやさしかったら。かわいているのか、濡れているのかよく ....
ヴェスヴィオス火山に埋もれた
廃墟のように
灰をかぶって
ぼくはいままで
埋もれてきた
標本となって
水道も飲めないで ....