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あなたが亡くなって世界はこんなに美しい
 
おばあちゃんにせがんでおんぶしてもらっている子供
赤く染まった南天の葉
まるく結実した八手
 
冬の日差しのなかにあなたのまなざしだけが残っ ....
ひとりひとりの背に棲むものが
夜更けに互いを呼びあっている
見えないものの通り道に立ち
腕をひろげ 聴いている
夜の光の下 揺るぎないもの
幾つもの影のなか 
ひとりきりのもの

 ....
[バリケードのこっち側]


その前日
あたしは工場で残業した
まんまるいちんち段ボールの箱と格闘して
それでもまだ働けとベルが鳴った

自転車をこいで家に帰ると
戦いは明日だと言う ....
兎の好きな彼女のために
ペットショップで衝動買いをした
白地に茶色で小さくてかわいくて
その頃僕たちは同棲をしていて
彼女はその兎をピーターと名付けた
2DKのアパートの寝室だっ ....
鼓動の響く夜に
僕らは
互いの石を探しに海へ駆けった
ひざ下まで埋まる光の棉を踏みしめて
薄い呼吸を散らして
僕らは
過去を ひそめる

今宵
君があんまり強く握るから
はしゃぐか ....
おれは見たい、
赤錆びた鉄塔の頂きに
鳥のように爪先立って
人影のなくなった都市を見たい
きみとだ


おれは見たい、
太陽のとなりに炸裂するもうひとつの太陽の誕生を
塵からつくられ ....
灰色の朝でも、
朱色の朝であっても、
六時の時報をラジオが伝え、
その日がたとえば八月十五日朝六時のニュースです、と
個性を消した声がする。
日々つみかさねられ、くりかえされてゆく
あたら ....
最終の江ノ電を降り
乗車券を{ルビ車掌=しゃしょう}に渡す無人駅
夜の海を横目に歩き
{ルビ潮騒=しおさい}を背に
なだらかな墓場の階段を上る

振り返ると
西の夜空に暮れる三日月
 ....
スーパーで買い物をしている間に、外はすっかり暗くなって心細くなった。
自転車に積んだ荷物が重くて、よろけないように注意しながら、狭い四つ辻を車と車の間をすり抜けながら曲がった。
ふいに木に咲く ....
(百年後ニハ
 生キテイナイ)


二人連れと犬
雨上がりの夜
犬は
道端の壁やら草むらを
ジクザグにはしゃぐ
見えないものを見る
ひんやりした空気を恐れたりしない
世界 ....
とあるところに、<虹色の湖>があるのです
光の加減ではなくて
なんの具合なのか水の色が様々に変化して
それは汚染ではなくて
自然の現象なのですから
たくさんの観光客が見物に行くのです
から ....
 1

少女は夕暮れにオルガンを弾き
聞き覚えたメロディを拾う
不安定なコードで単調な伴奏を繰り返し
遠い歌声に耳を傾ける

暗い森の奥 澱んだ沼の畔
彫刻のように動かぬ蟾蜍 ....
三日月の竪琴をつまびいて
夜空のカーテン揺らします
恋はゆらゆら月の色
帰らぬ心 ひとかけら
さらさらと落ち 流れ星
さらさらと落ち 涙星
20時半発の夜行バス
わたしは財布片手に飛び乗った
12時間かけて向かう先は東京
海山川を越えて
わたしは東京に向かう
ただ埴輪に逢うために

前の席に坐ったサラリーマンのいびきに
仕 ....
魚の形をした気球が彼方に見える
静かな世界だ
とても静かだ
ガラスの海が波打つが
その雫は丸い煌きの渦
手にとって覗く少年が
吸い込まれて行くのは仕方が無い

昼も夜も朝も

同じ ....
蜘蛛の巣が
空いっぱいにひろがるように
石炭運搬システムはかたちをととのえつつある

複雑にからまる配管
たちならぶタンクの密集する水処理システムは
巨大都市のように姿をあらわすはずだ
 ....
夕焼けの頃)

机の上、広口ビンの透明な壁面には
「真空」と書かれている

私はただ、じっとそのビンを見つめているだけだった
あなたはそんな私を若かったのだと笑うだろうか
あるいは、 ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
六月の空を見上げると
白い雲が流れていく
「思ひ煩ふな
空飛ぶ鳥を見よ
播かず刈らず蔵に収めず」

人にあい人とかたることにつかれ
郊外の家にひっそりとこもり
目をとじると
さびしそ ....
きょうも
花ぱらり
波ほろり
あるく ひとびと

うまれた頃の温度
中途半端なしあわせに痛んで
降りたくないと
泣いたねがえり

満ちていた
旅のはじめ
いだいなふるえ
落ち ....
目を開けても見えないものは
目を閉じても見えないと思った

神よ
と一言呟く
相変わらず外は風が吹いていて
夕日が刻々と消えていく
明日への祝福だ
夜を迎える準備をしよう

神よ
 ....
全ての女の子へ
王子さまは
かえるだったりするのだろうから
玉子さまだったりもする
当然、白馬になんて乗っていないし
スポーツカーなんか持っていないかと思われ
運転免許だって持っている ....
かなしい
かなしい
かなしい
音が
三回して

水たまりの鯉は
のたうちまわっていました

おたまじゃくしは
海の中で目を白黒させていました

砂漠では
珊瑚が立ちつくしてい ....
彼女は早起きしてお弁当を作って
今日はピクニック
いいお天気
彼女の調子もいいみたい
ひさしぶりのピクニック
外に出るのもひさしぶり
彼女の退院記念

彼女の作ったお弁当の中身 ....
  

ラベンダー絨毯の中
東へ東へ向かうバス
点在するハーブ園
スィングするカラフルな文字
流れる
ラジオから
セージ、パ リ、マリ 、タイム、、、
と聞こえ
行くのですか
と ....
ぼくらはかつて
遠ざかる気層であった
果てのない蒼い夜に灯る
淡い光であった
ぼくらの指先は
震える幼き稲妻
すべての吐息は
透明な表象となった
ぼくらはかつて
言葉以前の言葉
記 ....
 
わたしのせなかというものを
つくっていただけるのであれば

どうか車輪の跡を忘れずに

しあがりのまえに
たっぷりと日干ししたものに
あなたというものを
ペダルにのせて
し ....
青空だった
そこに一塊りの黒い雲が
漂うのだった
漏れでた存在の気品
のように流れ去るそこ
その空間に
手元から立ち昇る灰の揺らぐような
誇り高き 気品
取り巻いていたわたしたちの
 ....
ころんで傷ついた膝に
消毒液をふきかける
わたしの鉄でできたからだは
それだけで うごかなくなる

すき きらい を
判別できない指先の半月
ことば おと を
区別できない壊れた右耳
 ....
凸凹配位座はいつでも漂っていて
なにかの拍子に
繋ぎ合っている手のひらの合間にもある
ついさっきまで当たり前のことが
風ひとつ吹いただけで
何ひとつ理解できなかったり
その道理に畏れたり
 ....
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