横断歩道の手前で
車道を眺めている犬は
狼であった名残 輝ける毛並み
チロリアン模様の首輪をして
スタートダッシュの足を
地面から浮き上がらせている
過ぎ去る人は同じ思い
主人はどこ ....
かたかたタイプライター
歩いていった
壊れたままで
歩いていった
がたがたタイプライター
キーがこぼれて
水たまりから
空にこぼれた
ときどきタイプライター
パンチ叩いて
カーボン ....
おまえねェ
おれからみると まだあおいんだよ
わかいときこそ まようんだって
えーっと
だれだっけ そんなこといってたのは
うちはわかいうさぎたち おおぜいいるから
そのき ....
シンプル・コンサルティングの
省エネくんは
あるテレアポ会社の顧客に
声帯エネルギーの削減を提案した
業務内容及び会社概要
十人規模のオフィス
各席の机上には一様に
内外線の引かれた ....
小国の
二人の王子が
大国の
一人の王女を巡り
決闘
甲冑に身を包み
精悍なる戦馬に
颯爽と跨り
ランスを腰に据え
愛のための
衝突
鋭い金属音
舞い上がる二本の武器
....
手を離せば、
自然に落ちてゆく。
それは抵抗もなく、
するり簡単。
しがみつく、
醜い姿。
向こうに鏡。
お前を落とす、
引力に惹かれてる。
....
もちづきの ひかりやさしき はるのよい
たたずむみなもに ふりおりし
つきのこどもの くらげやゆれて
ははをおうてか なみまにみゆる
きらめくしぶきも はるいろみせて
たえまなく ....
ライオンさんのやる気が
ゼロでしたので
わたしは舌打ちをしました
タイガーさまも同様でした
残念でした
同じくネコ科のクロヒョウくんは
動いていました
しかしなが ....
写真の中には
シマウマがいた
写真をとったら
あの人はシマウマになった
シマウマの飼い方を私は知らない
せめて
ロバとかポニーだったらいいのに
町並みにもなじむかもしれない
....
目の前の僕に
メールを送る君
いつしか
筆跡も足跡も思い出せなくなる
誠の微笑みより
丸かっこの笑いが欲しくなる
場所の概念が失われる
北海道だろうが
ヴェネツィアだろうが
....
生まれてはじめてお付き合いをした男性が結婚したことを知った。当時は男性というよりも男の子だった。愛読書だと言い、『風の歌を聴け』を私にくれた。そうして自分の為に新しい本を買っていた。今も愛聴 ....
飛散したガラスの破片が
危ないものだなんて知らなかった
キラキラとひかって
みんながとても喜ぶだろうと
そう思ってた
自分の投稿した作品にポイントが入ると、嬉しいです。
それはもう、半端じゃなく嬉しいです。
一応は「良い」という証としてのポイントであります。
しかし、「頑張れ!」だとか「仕方がないなぁ」だと ....
外から帰ったら
鍵が掛かっててお家に入れなかった日
ドアの前で
しゃがみこんで
靴のつま先を見つめていた日
誰かにそばにいて欲しいけど
「どうしたの」なんて言って欲しくない
お友達が ....
昨夜は
わたしの体を切り捨てた反動で
わたしの夏がすうと遠のき、その反動で
体の、体であるという軸が大きくぶれた、ような
辛うじて肌寒いとわかるだけの
....
あの頃、君に告げられなかったことを今
***
ねぇ、君
冷やし中華を誰よりも早く始めたいの、とはりきる君の姿が僕は好きだったんだ
ねぇ、君
扇風機の首フリに合わ ....
さくら かんざし
あかねの 鼻緒
ねむりの いわおに
腰かけ
仰ぐ
ちり ち り りん
金魚の尾ひれが
風鈴を蹴る
ちり ち り りん
黄色の帯と
左手
....
夜の漁から戻ってきたとき
さびれた銀のバケツの中に 一匹の{ルビ河豚=ふぐ}を入れました
おじいが売り物にならないと云ったから
じゃあ飼っても良いの と訊いて
まだ おじいの返事がないうちに
....
サンディの煙草は誰にも止められない
と、誰もが思っていることを
サンディはなんとなく知っている
黒く長い髪
茶色のひとみ
その他の身体的特徴
にもかかわらず
サンディといえば
....
ご存じの方もおられるかと思うが私はとある詩の批評サイトを運営している。それを始めて、来訪者の方々に接してみてはじめて気づいたことは、「批評」というとちょっと、と後込みをする方が想像以上に多いということ ....
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