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もはやこれで最後というべきか、立ち並ぶ中古車。
看板のネオン。目に映るドブ川の泡。と、
おそらく強盗が捨てたジュークボックス。
はじけた泡から聞こえる、途切れ途切れのブルース。
片腕のアコー ....
地中海といえど
地中に海はなかった
あるのは焚き火の跡のみ
煙は方角を知らない
はにかみながら
風の渦に飲み込まれる
まるでそこに
海があるように
飲み込まれてしまう
どうして夜遅くになると、街灯に
目を奪われたりするんだろう―
都市、男が細い路地からアパートに向かって
詩を暗唱している場面に出くわした。
溝川の底がくっきりと見えたような、
しかも ....
「ぶち猫も欲しがってら。」
ばあちゃんの言うとおり、窓の外で三毛猫が
僕らが食べる蜜柑の行方をじっと見ている。
けれど本当に三毛猫が
蜜柑を欲しがっているかは知らない。
一体全体、僕は(きっ ....