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カーテンを開いて、夜空を見上げてみた。
窓ガラス越しに、たくさんの星に囲まれた、三日目の月が見えた。
これから満ちていくの?
それとも、欠けていくの?
一人きりの部屋の窓から、
夜空 ....
歯医者さんでレントゲンを撮り
移動台にフィルムを貼って先生が解説する。
目の前にはモノトーンの頭蓋骨の半身。
これが私というもの。
こんにちは!こんにちは!
道行く骸骨どうしが少 ....
目の前の扇風機に
心ときめかせ
声をかける
われわれはー、うちゅうじんらー。
一年ぶりの扇風機は
声を束ねて返してくれた
今晩は君をつれ ....
灯りを付けない夕刻の
人のいない部屋の沢山の影が
角からふやけて
海になってゆく、深い、暗い
海になってゆく
肺に溜まる海って
苦しいよね、でも
呼吸と引き換えだ ....
粋なり
寂しかね
君は東京に恋したから
僕ァ棄ててくつて
そげんね
域なり
泣きそうな顔つちゃし
でもごめんなあは
かなりに後回し
息なり
....
ティーンエイジャーの国境線越えたら
とびはねた言葉が口から出なくなっちゃった
もっとね
頭おかしい子でいたかった
授業ではきちんと正しいことを教えてくれて
それはそれとして頭おかしい子でいら ....
くもひとつない
あおぞらも
すきだけど
よるにみせる
ふかいあおが
もっとすき
ふかくて
ふかくて
ずっとみてるうちに
くろにかわって
でも
そんなへんかにも ....
ふぅっ
と
ためいきをつく
うつむきかげんに
なりがちなかお
ちょっとがんばって
あおをみつめて
あおにむかって
はきだされたそれは
やがて
くもになる
まっしろ ....
君が握ると
同じ力で握り返してくるものがある
君はその力をさざ波に変え
身体の最果てまでゆっくり送り届けることで
自分の輪郭を形作っていく
君が握っているのは
君自身に他ならない
....
帰り道に迷って
泣いてる子羊
あの空の羊雲は
違うよ
君の帰るところじゃない
涙を拭いてよく見てごらん
発見はいつも
ほんの足元からはじまるんだ
背伸びをしてると
ほんと ....
十二番目で
いつも言葉を間違えてしまう君は
その次の交差点では
左折ばかりを繰り返している
東京
狭い夕暮れで
夢から覚めたばかりの抜け落ちた体を
ついでのような角度でドアの隙間に潜り込 ....
ミルクが欲しい1歳は
男が欲しい21歳に
あっけなく捨て去られる
新しいゲームソフトが欲しい12歳が
プラダが欲しい32歳の
財布から金を抜き取る
夢が欲しい33歳は
安定が欲し ....
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
あのビルは
誰の羽なのでしょうか
あんなに高くて
空に届かない
見上げるわたしたちは
いつまでも
一枚の写真でした