ぬるくてつめたい
ほこりくさい
みずのにおい
アスファルトのかおり
春のよがり
ひとのこころよ、ひらけごま
ぬるくてつめたい
ほこりくさい
みず ....
?.
木曜日に最後の晩餐をして
金曜日に くちづけられて
磔にされて 血を流して 死んで
三日後に もう一度生まれる
手のひらには穴が開いたままで ....
きみは幾千万ぼんの花畑
おいらはそこに寝転がって
ぐるぐるぐるぐるしまくって
きっと泣いちゃうんだろうな
やっと会えたよって
会えなかったより
会えたほうがよか ....
あてない希望を何処に探す?
ずれて 滑る貴女の心根
気付けば誰もが超回転
笑えない
後回しにされそうな貴女は
後が無く 崖淵に危ない
気がふれる程の優しさを
いつでも欲し ....
君に対する僕の心は
ほとんど愛で
蝋燭たてとか
傘たてとか
ドアノブとか
靴べらとか
そういうものに
僕はなりたい
....
僕はいつも自由な心
青空 雲 そして そう川の流れ
その中には規制はないけど流れがあって
自由ってそういうもの
大人になるってことはその自由を規制して
規制して規制して
空っぽになることだ ....
衝撃的に衝動を昇華して疾走
緩慢な休日の荘重なる礼拝堂オルガンの調べ
鮮やかな全盲
全知なる父なる全盲なる全聾なる四肢欠損なる神
鮮やかなる全能
ユラギの燃え滓は水に蕩けて死んだ ....
キャベツにフォークを突き刺した
ズキッと心が痛むのに
フォークの突き刺さったキャベツは
平気な顔してそこに居る
フォークを抜いた跡は
痛々しい穴が
4つ開いていた
そこからは
....
別れの時刻を知ったとき
ひとは優しくなる
すなおには
明かせなかったこころをもって
朝はかならず来るのだと
ようやく夢は
ここから
近く
ありがとう ....
ふと気がつけば
後ろ手の冬
雪の匂いも薄らいで
それとは知らず
陽をまとい
季節は
追い越せないものだとばかり
待ち続けてきたけれど
いつの間にやら
景色は流れて
....
確か、そう
夏の寝苦しい夜だった
湿度に負けた星達を見上げながら
ある種の期待をした
瞬きなど、とうに忘れてしまったのだろう
湿気たような星が
無表情のまま夜空に貼り付いている
切れ ....
よみがえる言葉を
踏みしめながら
いつの季節もささやかに鳴り
のびゆくはずが
逃げてゆけないものへと
落ち着いてしまった
あたらしく
おとを試して、
更 ....
後姿を追いかけて
雑木林を抜けると
ほのか温もる世界
君が道しるべ
並んで見下ろした昨日は
水面が揺らめくように瞬く
ふたりで夢をみた。
からだ寄せて ....
眼鏡を外し
全ての輪郭を奪う
青色の歯ブラシも赤橙色のオイル瓶も
銀色の蛇口も
緩やかに溶け出して
水の流れに混ざり
排水溝が渦を創り始める
わたしはその様を
掌に縋る抵抗で知る
....
今オバァちゃんが食べ残した
お頭付きの鯛が天に昇っていきます
片身が無いので泳ぐ事も侭ならず
さりとて
昇っていくには
残った片身が重過ぎて
潤んだ瞳を
ますます潤ませ
静かに ....
きゅうじつに
おもいっきり
あせをながし、
ふたりで
ろてんぶろにはいって、
あおぞらを
ぼんやりながめるのが
ぼくらは
とても
すきだった。
手術の失敗が
ぼくらの
すべ ....
飴色の線が蜘蛛を伝って降りてくる
壁の染みは手を広げた形
翅みたい、
ぺらぺらのセロファンで
赤かったり緑だったり部屋を照らして遊ぶ
水葬には多分、オレンジが一番似合うと思うの
心 ....
バスの窓が煤けて、町を映し続けている 六十キロ
断続して、町の輪郭として、区切られているビルは、断続して
ビルとビルの隙間の半分には、雑誌と暗闇と雨水がともり
上半分には、ただそこに ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた
福 ....
?.
この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
翼を有する生きものに
あこがれていた
のぞみの場所までは
もちろんのこと
そこから
遥かな地平のすみまで
こころはきっと
羽ばたける
翼を有する生きかたに
あこがれて ....
なんでもいいから、
理由も
温もりも
微笑みも
なんにもいらないから、
とは言っても
傍にいられるだけでいいよ
とも言えなくて
それは
きっと
ただのわ ....
この世界で2人だけになれたらいいのに
と
笑顔で言える幼さの
無垢さと純粋さの
影に
潜む、狂気
恋してるからこそ
この世界のすべては、うまくいかない
そら ....
えっ 俺ですか?
俺は ちゃんとやっていますよ
ちゃんと 生きています
ちゃんとしている・・・つもりかなあ
今まで いろんなことがあったけど
長い間 歩き続けて
やっと少し 腰をおろし ....
ただ
ただひろいだけの夜空を充血する程に
まなこを凝らしたら
はしっこの辺りに裂け目がうまれ
乳白色の貴方を呼んだのは紛れもなく私です
その仄かに薫る鎖骨は
芳しき母のようであり
ミ ....
触れ合う木の葉音
高い空を見上げる
言葉はそこになく
風はただすり抜ける
なだらかなサイクル
優しさの温もり
確かな偶然
僕の森に 与えて
流れゆく水の音
陽だまりが浮か ....
十月。
真っ暗になるまで遊んでいたぼくを
心配した母さんが迎えに来てくれた
手を引かれて家までの帰り道
いつも通る高橋さんちの玄関に
小さなだいだいの
無数に落 ....
君が死んでからもう二ヶ月が経つ
僕は病院に行くために若草色のバスに乗る
僕は19歳で喫茶店でバイトをしながら詩を書いている
最近調子がいいんだ
病院の帰りにメールが来て彼女から会わな ....
時を旅して出逢ったふたり
お互いの写真をこころで持っていた
二枚の写真を重ねあわせることができたなら
夢で逢えた 君
河原を一緒に歩いたね
冬風はとても寒くて
ポケットに二つの手を入れ ....
わたしは死んだ
あんたはさぞかし喜んでいるやろう
あんたは周りにいっぱい女の人こさえて
家にも帰って来うへんで
月に一回お金だけ落としていって
なんかの義務みたいにわたしを抱いて ....
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