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夏蝶が越ゆる沼にて逢ふものなし意思なきわれの明日浮かぶのみ

青胡桃にぎって家に帰る道街灯の影を父と信じて

夏空の鎮魂終わらず煙草火を擦り消し煙空に広がる
わが春の分身とよびたき青き種子大地の暗み信じて沈む

いちめんの麦の青みのなかにいて思ひつげよとわが背押す風

上空の子燕のみが新しく街にはびこる意思なき者は
種を蒔く思想なき者蔑視つつ

復活祭たばねし少女の髪揺るる

春の雨車窓の少年頬冷やす
電車過ぎやがて月食はじまりぬ夜風静かにうぶ毛を揺らす

噴水も止まり後には静寂と夢なきわれの影はゆらめく

他郷での海岸にでて小鳥らにここも故郷と言ひてはばかる
ペダル踏む春野に轍を刻みこみ

青麦に大人になりたく包まるる

すれ違うモノみな思い出桜餅
少年は手にもっている一つの林檎を空に向かって投げる
するとそれは翼を拡げる鳥になった

少年は青い空が好きだった
空の中は永遠に汚れぬ世界であると信じていた

少年はどこまでも途切れぬ煙突 ....
鏡台を売るとき若き母うつり秋風にわが身を虐げる

怒りなる林檎投げつけ少年はジャーナリズムの正義疑ふ

叔父いつも偽善者ならむと決めつけて蒲公英踏みつけ青空仰ぐ
るかさんの村木正成さんおすすめリスト(7)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
鎮魂歌- 村木正成短歌4*07-5-9
大地- 村木正成短歌6*07-4-28
- 村木正成俳句2*07-4-28
月食- 村木正成短歌5*07-4-27
春の野- 村木正成俳句2*07-4-27
- 村木正成自由詩12*07-4-26
青空- 村木正成短歌5*07-4-26

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