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母に手を引かれ参りし山道を今は{ルビ我=わ}が引き先登をゆく
痩せこけた黒猫一匹山の中
{ルビ終=つい}の{ルビ棲家=すみか}の住人となるな
母を呼び父を呼びつつ ....
母恋し
朝げの仕度する姉は
かまどに火をくべ 涙、乾かす
一欠けの パンを盗んだ妹に
ただ涙出て 拳下ろせず
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千羽鶴 この日に平和を祈りたし
飛び立て世界へ このヒロシマから
花{ルビ抱=かか}え 父の死に場所 来てみても
そこにあるのは ただ{ルビ碑= ....
失いし友の最期を求めつつ
訪ねた遺族も また 被爆者なり
ヒロシマの八時十五分 {ルビ時間=とき}止まり {ルビ六十年=むとせ}分の祈り捧ぐ
小さき ....
まぼろしの握手をすれば手の中に土の味するひまわりの種
夏の夜の平均気温が2℃下がり僕は機械の夢を見ました
青空に君が裸で泣いている 機械の僕は近眼のまま
コーヒーを眼鏡の縁で焙煎し3 ....
なぁんにも期待しないから突然に欲望だけを素直に告げる
ライバルを口説きたがるの悪い癖知っております言われなくとも
ねぇ蛇さんわたしはイヴよつややかな知恵の木の実を手にする前の
パソコ ....
放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる
揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群
奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う
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