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一。
わたしの壁にはきいろいしみがある。
しみはわたしが産まれる前からあったしみで、
わたしの父がこの家に婿に来る前から、
ずっとそこにあったしみな ....
ぼくたちは生きている。
これまでもこれからも、
そして今もぼくたちは生きている。
世界にはぼくたちがいる。
たくさんのぼくたちがいる。
たくさんの ....
一。
バットマンの乳首は黒い。
そんなことを考えていると、
玄関のチャイムが鳴った。
テレビを消し、
けだるく返事をして立ち上がる。
足下がふら ....
彼がいる。
此処彼処に彼がいるので、
落ち着いて眠れない。
彼は日暮れになると満ち満ちてくる。
丑の刻を迎える頃には、
遙か彼方まで彼で満たされる。
此 ....
痛みで目が覚めた。
耳が痛い。
耳の中が痛くて、
くしゃくしゃ音がする。
指を突っ込んで掻き出すと、
耳から蟻がこぼれ落ちた。
まだ音がする。
さらに ....
せっくすの意味を知ったのは、
煙草を覚えた日だった。
せっくすの女が吸っていたのを、
もらってはじめて吸った。
だけどはじめてせっくすしたのは、
その日じゃな ....
うつむいて着替える、
きみの後ろ姿。
どろどろに熔けて、
あいすくりーむが見てた。
....
ゅぽ。
ぽぎぎほぎぎ、
はぎぎぃいげげぽここ、
ぉぱぱちゃぱぱぱ、
ほぎゅ。
ぅゆゆゆゆんゆんゆん。
んゆぅんゆぅうちゅーぅゆ。
んちゅうちゅうーゅ。
....
これはもの、
こわれものだから。
とっても大切にして、
こわさないで。
生きてないの、
これはものなの。
こわれてしまうと、
もう駄目。
こわれ ....
この向こうに、
きみへの窓があると、
そう信じていた夏。
返ってくるはずのない、
手紙を書き続けていた。
....
わたしの余白には言葉を埋めないで、
どうかそのままにしておいて下さい。
あなたが埋める言葉はとても想いので、
ふたりはいつも沈んでしまいます。
句読点のない ....
泥濘から足を抜く。
緩い泥は少し抵抗したが、
やがて諦めたのか、
足を放し、
ぶつぶつと何事かを呟いて、
流れていった。
辺りは何処も濡れていて、
何 ....
緩やかに影を退く。
垂直に流れ落ちる彼は、
嫉妬深く、
それを許さない。
磔にする。
彼は強く抱き締め、
絶え間なく貫き、
すべてを磔にする。
....
アシカの着ぐるみは、
足から着なさい。
と、
園長先生がいいます。
だけど、
そういう園長先生の、
背中のチャックは半開きで、
中からクマの毛がはみ出 ....
鬼の葬列とは、
かくも美しいものか。
日の沈む、
餓えた幻野。
果てへと続く、
燐光の列。
櫻草の上、
風に撫ぜられ、
虚ろ漂うは、
鬼の魂 ....
ぼくは、
よいこなので、
うんこです。
とってもよいこなので、
とってもうんこです。
うんでくれたかあさんも、
そういってぼくを、
たびにながしました ....
封を切った宇宙からは、
懐かしい薫りがしました。
お久しぶりです。
と、
挨拶をして、
あなたを二匙。
ゆっくり沸かし、
ふんわり注ぎます。
....
わたしは眠ります。
目を閉じ、
膝を抱えて、
冷たい液体に浸され、
ふゆる堕ちて、
目を見開き、
網膜に最後の瞬間を焼き付け、
固い地面に叩き付け ....
わたしがうまれた宇宙は、
とても深いところにありました。
そこは何もかもが、
ゆっくり動いていて、
まるで止まっているような、
時がながれていました。
....
濡れた月は、
この上ない美味である。
薄く雲のかかった、
十六夜月の、
あの豊穣さといったら、
想い出しただけで、
灰色の大脳が蕩けてしまう。
満月の ....
南の海に、
どんぶら浮かぶ、
にぽぽ島は、
独立国である。
にぽぽ島は王政で、
現国王は、
にぽぽ・ぱぱ十四世。
にぽぽ歴、
四百年に即位した彼 ....
ごみ袋を引きずって、
外に出る。
家の外に出るのは、
三日ぶりだ。
ずるずると、
アスファルトの上を、
引きずって運ぶ。
集積所の周りでは、
ご ....
瞼の裏で、
魚が撥ねている。
なんの魚かは分からぬが、
確かに撥ねている。
目が合った。
すると魚の奴は、
ひときわ大きく撥ね、
瞼の水溜まりに消えた ....
あめあめねむねむ、
ねむりんこ。
すやすやぴーひゃら、
ねむねむぴー。
はるらうるりら、
はるりらら。
りらははらりら、
りりはらら。
ゆめは ....
お空のおふとん、
干しておいたから、
今夜はきっと、
ふかふかねむねむ。
了。
....
小僧だった頃。
テレビに映っていた、
そのチームでは。
肌の黒い人も肌の白い人も、
同じぐらいうまくって、
パスの呼吸も、
ぴったり合っていて、
....
奇術には、
タネもシカケも、
ある。
だからこそ、
再現できるのだ。
前任者のTは、
こう言った。
「わたしの教則本は、
五百ペー ....
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
ぐらぐらと、
煮え立っていた。
やかんは、
気が付くと、
空になっておっ ....
ぐるぐる太陽の下、
ぼくたちは生まれて、
食べて寝て起きて、
また食べて、
生きて、
いる。
まいにちまいにち、
いつもまいにち。
食べて寝て起きて ....
ボウフラは夢を見る、
希望の果ての、
水溜を。
カゲロウは旅立つ、
蜃気楼の彼方の、
空を求めて。
カタツムリは、
無理をする。
せっかちなん ....
恋月 ぴのさんのPULL.さんおすすめリスト
(206)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
「_きいろいし、み。_」
-
PULL.
自由詩
11*
06-9-6
「_ぼくたちは日曜日。_」
-
PULL.
自由詩
14*
06-9-3
「_漬けられた夜。_」
-
PULL.
自由詩
11*
06-9-1
「_彼。_」
-
PULL.
自由詩
13*
06-8-30
「_りありぃ。_」
-
PULL.
自由詩
5*
06-8-29
「_せっくす。_」
-
PULL.
自由詩
20*
06-8-28
「_夏希。_」
-
PULL.
自由詩
3*
06-8-28
「_壊私音。_」
-
PULL.
自由詩
4*
06-8-25
「_もの。_」
-
PULL.
自由詩
10*
06-8-23
「_夏影薄命。_」
-
PULL.
自由詩
13*
06-8-22
「_余白。_」
-
PULL.
自由詩
18*
06-8-22
「_泥濘。_」
-
PULL.
自由詩
11*
06-8-8
「_亡命。_」
-
PULL.
自由詩
13*
06-8-7
「_みんなぐるみん。_」
-
PULL.
自由詩
11*
06-8-5
「_鬼火。_」
-
PULL.
自由詩
12*
06-8-5
「_よいこのうんこ。_」
-
PULL.
自由詩
12*
06-8-4
「_紅茶神の微睡む、_」
-
PULL.
自由詩
22*
06-8-3
「_わたしは眠ります。_」
-
PULL.
自由詩
11*
06-8-2
「_こすもふぃりあ。_」
-
PULL.
自由詩
18*
06-8-1
「_ひとくちの月。ふたくちの夜。_」
-
PULL.
自由詩
21*
06-7-30
「_にぽぽ島から、こんにちは。_-_にぽぽ島お昼寝だより、そ ...
-
PULL.
自由詩
14*
06-7-28
「_みごみ。_」
-
PULL.
自由詩
10*
06-7-27
「_向こう、で。_」
-
PULL.
自由詩
12*
06-7-25
「_ねむりん。_」
-
PULL.
自由詩
8*
06-7-24
「_じめじめ。_」
-
PULL.
自由詩
7*
06-7-22
「_蹴球時感、二。_」
-
PULL.
散文(批評 ...
10*
06-6-17
「_蹴球時感、一。_」
-
PULL.
散文(批評 ...
5+*
06-6-17
「_やかん。_」
-
PULL.
自由詩
10*
06-6-15
「_ナパパホパパ・ヘパ・ウパパヤ。_」
-
PULL.
自由詩
12*
06-6-14
「_あめ。とも。だち。_」
-
PULL.
自由詩
10*
06-5-19
1
2
3
4
5
6
7
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